サラリーマンの平均年収は432万円

国税庁が9月に実施している民間給与実態統計調査によると、平均年収は432万円(2017年分・民間給与実態統計調査)。前年と比較すると2.5%伸びています。この平均年収は、民間企業の従業員(非正規を含む)と役員の年収が対象となっていて、賞与も含まれています。

平均年収の内訳は、給料分が364万円、賞与分が68万円です。給料分を12カ月で割った金額が月収30.3万円となります。

他の統計も確認してみましょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2018年)」での平均月収は30.6万円、平均賞与は90万円です。年収にすると486万円となります。

日本を代表する企業が加盟している日本経済団体連合会(経団連)の定期賃金調査では、平均月収は43.8万円(2018年6月度)です。大企業が多いだけあって、国税局や厚生労働省の調査した平均年収を大きく上回っています。

この3つの統計を見るだけでも、調査の方法や対象などによって、結果にばらつきがあることがわかります。これらの平均年収は、新入社員から定年退職間際の社員までの年収、大企業と中小企業の年収などが入り混じったものなので、実感とはギャップを感じてしまう人もいるはずです。

そこでこの平均年収を少しでも実感のある年収にするために、業種や年齢、性別、会社の規模別に分けて紹介していきます。

業種別・年齢別の平均年収

 
平均年収を紹介

国税庁「民間給与実態統計調査結果第12表(平成29年)」を抜粋して作成。(http://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/xls/12.xlsx)


まずは、業種と年齢層別の平均年収額です。表の見方は、例えば、”製造業”、”35~39歳”であれば、5,009(千円)とありますので、年収は500万円ということになります。
 
同じ年齢層(35~39歳)の全業種平均が442.2万円ですので、同年齢層の平均を約58万円上回っています。業種は今回製造業、卸売・小売業、情報通信業、サービス業の4業種を抜粋しましたが、業種によって大きな差があることがわかります。

事業所の規模別の平均年収

次に、事業所の規模別と男女別に平均年収を見てみましょう。事業所の規模は、働いている人数を基準に分けています。
 

平均年収を紹介

国税庁「民間給与実態統計調査結果第4表(平成29年)」を抜粋して作成。
http://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/xls/04.xlsx)


全体で見ると、規模が大きくなるほど平均年収が高くなるという傾向が出ていますが、男女別で見た場合、女性の平均年収が最も高い事業所規模は「500人以上」となっています。

全体の平均年収は、「432.2万円」ですが、こうして少し見方をかえるだけでも違いがあることがわかっていただけると思います。
 

平均値より中央値が世間の実感に近いことがある

平均といっても、実際の感覚より高いと感じる人も多いのではないでしょうか。なぜ実感とずれるのかは、平均値と中央値、念のため最頻値(さいひんち)の違いを知ることで理解できます。

まず、言葉の意味です。

平均値:データの合計をデータの個数で割った値

中央値:データを大きい順に並べたときにちょうど真ん中にくる値

最頻値:データの中で最も頻繁に現れる値

言葉だけではわかりにくいので、とある小さな会社の従業員年収を例に見てみましょう。(1~3それぞれの平均値・中央値・最頻値を求めてみます)

 
平均年収の平均値・最頻値・中央値の違いを簡単に説明

平均年収の平均値・最頻値・中央値の違いを簡単に説明

 

1は、全員の年収が500万円ですから、平均年収の平均値・中央値・最頻値いずれも500万円となります。

2は、平均値は488万円ですが、中央値が5人の真ん中=Cの年収となり、480万円になります。最頻値は、人数が最も多い450万円(A、Bの2名)と、年収のバラつきがでるとズレが生じることがあるようです。

仮に、Bの年収を540万円に置き換えると、最頻値は540万円(BとEの2名)に変わってしまいます。

3は、年収が飛びぬけて高いFが入ってきました。たった一人のために、平均値が1007万円まで引き上げられています。このときFさんを除く5人は、平均を大きく下回っており、平均と世間の実感とのギャップが生まれることになります。3のケースは人数が6人で偶数なので、真ん中の人がいません。その場合はCとDの平均である500万円が中央値となります。

年収の場合には、上限がないことや飛びぬけて年収が高額の人が存在するため、平均が引き上げられてしまい、中央値が世間の実感に近い値となるのだと思います。
 

年収階級別の人数

 
出典:国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査」を加工して作成 http://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/xls/04.xlsx

出典:国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査」を加工して作成 http://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/xls/04.xlsx

 

年収の階層ごとの人数をグラフにしてみました。平均年収は、男性が531万円、女性が287万円、全体平均は432万円です。しかし、人数が最も多い年収階層は

男性は、300万~400万円以下(平均531万円)
女性は、100万~200万円以下(平均287万円)
合計は、300万~400万円以下(平均432万円)

といずれも平均年収より下の階層となっています。この表から中央値はわかりませんが、平均年収を高く感じてしまう人の割合が多いのではないかと思います。

平均のデータを見るときには、どのような調査を行ったか(どのような人にどれくらいの人数か)によって、ズレが生じる可能性があるので、鵜呑みにせず「根拠はなに?」と気にすることが大切です。

おわりに

平均年収を見て何を思いましたか?

平均や他人の収入を気にしても何ひとついいことはないとわかってはいますが、気になってしまうのが人のさがです。もし、今の年収に満足していないのであれば、試していただきたい収入アップ法があります。年収のことは忘れて、目の前にある仕事で圧倒的な成果を出すことです。今年1年でどれだけできるか、自分を甘やかすことなくとことんやってみてください。

今の仕事でいくら努力しても年収アップにつながらないと思い、かつ年収にこだわるのであれば、副業、投資、あるいは転職などにも挑戦するとよいでしょう。

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