業種や年齢、会社の規模そして都道府県別の平均年収

サラリーマンの平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査によると436万円(2019年)でした。他の調査では、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019年)が500万円、日本経済団体連合会(経団連)の調査※が677万円です。※定期賃金調査と夏季・冬季 賞与・一時金調査(非管理職)を単純に合算。
 
平均年収といっても、調査の仕方や調査対象によって結果が大きく異なることがわかります。また、全体の平均値であるために、実際の感覚とはかけ離れていると感じる人もいるようです。
 
そこで実際の感覚に近い平均年収を知るために、業種や年齢、会社の規模、そして都道府県別に平均年収を分けて紹介していきたいと思います。 
 

業種別・年齢別の平均年収

まずは業種別と年齢別の年収です。表の見方は、製造業に勤務している39歳の人の場合、業種「製造業」、年齢「35~39」の欄を探します。4,561(千円)とありますので、平均年収は約456万円ということになります。
業種別・年齢別年収

業種別・年齢別年収1

 
業種別・年齢別年収

業種別・年齢別年収2
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2019年)」を基に作成


同じ年齢層(35~39歳)の全業種平均は462万円ですので、同年齢層の平均を6万円下回っています。年齢別にみると、いずれの業種も年功序列になっていて、50~54歳が最も高い年収になっている業種が多くなっています。
 

事業所の規模別の平均年収

次は事業所の規模と男女別の平均年収です。事業所の規模は、従業員の人数を基準にしています。 

男女別・事業所規模別の平均年収

男女別・事業所規模別の平均年収 国税庁「民間給与実態統計調査(令和元年)」を基に作成


男女の年収は依然大きな格差があることがわかります。全体的には事業所の規模が大きいほど平均年収が高いという傾向が表れていますが、女性の平均年収の最も高い事業所規模は「500人以上」です。
 

都道府県別の平均年収

次に都道府県別の平均年収をランキング形式にしてみました。東京と下位の県の間には、約250万円ほどの開きがあります。参考として、1人当り県民所得の順位も載せています。1人当り県民所得は企業所得、財産所得、雇用者報酬の合計を人口で割った指標です。
都道府県別平均年収と一人当たり県民所得順位

都道府県別平均年収と一人当たり県民所得順位 厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2019年)」、内閣府「県民経済計算(2017年)」を基に作成

 

平均値より中央値が世間の実感に近いことがある

平均年収を高いと感じたときには、中央値を調べてみてください。中央値とは、年収の高い順に並べたときに、ちょうど真ん中にくる人の年収のことです。

その集団の中に高額所得者が含まれていると平均が真ん中ではなくなることがあるため、平均が実感とずれるのです。2つの会社を例に平均年収を比べてみます。

 
平均と中央値の違い

平均と中央値の違い(単位:万円)



この2社の平均年収は同じ400万円です。ABC社のように、1人の年収が飛び抜けていると、ほとんどの人が平均年収を下回り、実感とかけ離れた平均年収と感じてしまいます。

そこで、全体のちょうど真ん中の値である中央値を使うと、一般の人たちの実感に近くなります。例の場合は、5人のうち課長の年収が中央値となります。いろは社の年収の中央値は400万円で平均年収と同じ金額となりますが、ABC社の中央値は255万円となります。

平均○○と出てきたときには、調査対象が誰で、中央値だとどうなるかなと考えたり、調べたりすることで、数字の意図することに気づくことができるはずです。
 

会社別の平均年収

最後に個別の会社の平均年収です。上場している会社に限った方法ですが、上場している企業は、有価証券報告書の中身を見れば、年間平均給与や役員報酬を見ることができます。2社の平均給与を見てみましょう。

【A社】生涯年収が上位の企業:年間平均給与 3,100万円(約100人) 
【B銀行】九州の地方銀行:年間平均給与667万円(約3,700人)
 
それぞれの有価証券報告書を見てみることでA社は、業績が好調のため賞与が7~8割を占めていて、実は給与だけだと普通だなとか。B銀行は役員報酬が平均3,300万円(11人)で飛び抜けた人もいないけど、平均給与の計算には臨時従業員分も含まれていて、臨時従業員の人数が3分の1も占めているので、正規の行員の平均給与はもう少し高そうだな、とか表面の数字からはわからないことが見えてきます。
 
上場している企業は、EDINET(有価証券報告書等の開示書類を閲覧するサイト)で有価証券報告書等を公開しています。そこで有価証券報告書を開いて、「役員報酬」や「給与」または「給料」という語句で検索すると該当ページを調べることができます。 
 

おわりに

平均年収の違いを紹介してきましたが、数字の中身や意味をよく見て自分で考えてみようという気づきになれば幸いです。もし今の年収に満足していないのであれば、年収をアップするために以下の3つの方法を試してみてください。

  1. 今の勤務先で結果と人脈を積み上げる
  2. 条件の良い会社へ転職する
  3. 副業・起業・投資で収入を得る

どの方法に取り組むにしても楽をして稼ごうとすると、すべてを失うことになりかねません。努力を怠らないようにしてください。まずは、上手くいっている人たちが、なぜ上手くいっているのかを研究することから始めてみてはどうでしょうか。

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