偏見や差別意識は大人の言動により幼児期から生まれる

差別をしない子に

周りの大人の言動は、子どもに偏見や差別意識を植え付ける原因に

歩き始めたばかりの幼児は、お友達の見かけや性別、文化的な背景を気にすることはありません。それでも成長と共に認知能力や社会性が発達するにつれ、目の前のお友達と自分や身近な周りの人々との「違い」に、より気付くようになります。

この時期に、周りの環境がそれらの「違い」をどう捉えているかによっては、子どもに偏見や差別意識を植え付けることになり得ます。

例えば、性別や肌の色、文化の「違い」に気付く子が、「~の肌の色の方がきれい」「男の子は泣いてはいけない」「~国の人の方が優秀」といった言動や雰囲気に繰り返し触れるならば、その子はより偏った見方を取り入れるようになるでしょう。

ハーバード大学の心理学者Mahzarin Banaji氏率いる研究によると、3歳児でさえ、肌の色について偏見を持つと分かっています。

3歳から14歳までの263人の白人の子どもに、「怒っているかハッピーであるかが曖昧な表情の顔」を見せたところ、ほとんどの子が、肌の色がより白い顔を「ハッピーな表情」と、肌の色が黒かったりアジア人の顔を「怒っている表情」と捉えたといいます。また黒人の子どもに同じ調査をしたところ、そうした偏りは見られなかったといいます。(*1)
 
Mahzarin Banaji氏は、子どもがいかに簡単に早い時期から偏見を持ち得るかを説くと共に、そうした偏見や差別意識は「学習し直すことが可能」としています。
 

これからを生きる子どもに必要な「オープンマインド」

これからの子ども達は、ITや交通技術がますます発達し、少子高齢化が進み、日本市場もより世界を視野に展開する必要がある世界を生きていくことになります。そのため、将来、国境を越えて異なる文化や価値感を持つ人々と、バーチャルでもリアルでもより隣り合わせに暮らすことになるでしょう。
差別をしない子に

子ども達がオープンマインドを持ち、世界へと羽ばたいていくためにどんなサポートができるでしょう?

また地球上には、環境や食料、ウイルス問題など、世界中の人々が力を合わせ立ち向かう必要のある課題が山積み状態です。こうした状況の中、偏見や差別意識を持つ大人に育つことは、子ども本人にとっても世界にとっても、大きなダメージでしかありません。

これからを生きる子ども達が、偏見や差別意識からより自由でオープンなマインドを養うために、親として何ができるかを考えてみましょう。
 

偏見や差別意識を持たない大人へ育つためにできること
1. 異なる文化・価値観を持つ人々に触れる機会を持つ

テルアビブ大学の心理学者Yaur Bar-Haim氏率いる研究によると、多様な人種に囲まれて育つと、生後3カ月の時点から、様々な肌の色を持つ人々に親しみのある反応をするといいます(*2)。

また、親が多様な交友関係を持つ場合は、子どもも異文化について偏見を持つことがより少ないと分かっています(*3)。

そのため、異なる文化背景や価値観を持つ人々と交わる機会を、幼児時代から意識的に持つよう心がけるのも方法です。

2. 性別や国の違いなどにおける「ステレオタイプ」を避ける

「女の子は算数が苦手」「日本人はきれい好き」「アメリカ人は大雑把」といったステレオタイプを用いないようにしたいものです。

その代わり、例えば「〇〇さんはきれい好き」「〇〇ちゃんは算数が苦手なのかもしれない」「この前あったアメリカ出身の人は大雑把だったね」など、主語をより具体化して話すようにしてみましょう。

また、ステレオタイプだと思われることを見聞きした際は、例えば「日本人できれい好きでない場合」も多々あるといった事実を親子で確認していきましょう。そして、ステレオタイプを鵜呑みにすることで、どういったネガティブな影響を受ける場合があるかについて理解し話し合ってみましょう。

詳しくは「跳ね返せ!子供の力を狭める「ステレオタイプの脅威」」もご覧ください。

3. 日本国憲法について話し合う

日本国憲法第14条第1項にある「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という言葉を一緒に読んでみましょう。

そして、国民がより快適で幸せに暮らすために憲法があるということを話し合ってみましょう。
 

4. 歴史や社会の仕組みを学ぶ

差別をしない子に

歴史や社会の仕組みを理解することで様々な差別がなぜ問題なのかをより理解できます。

例えば、昨今のブラック・ライブズ・マター運動も、フェミニズム運動も、日本とアジア諸国との関係も、植民地主義や女性の権利についての歴史や社会の仕組みを学ぶことなく理解することはできません。

なぜ現代では、このような葛藤や抗議が起こっているのか、子どもと共に学んでいきましょう。
 

5. 親が体現する

子どもは、親の「差別してはいけません」といった言葉より、実際の行動からよく学ぶものです。親として、自身の内に根付く偏見や差別意識に気付いていきたいものです。

異なる価値感や文化を持つ人やグループに対し、見下したり思い込みで決めつけたりすることを避け、尊重する言動を心がけましょう。 


これからを生きる子ども達が、世界へとよりオープンなマインドで羽ばたいていけるよう、親としてできることをしていきたいですね。

【参考資料】
(*1)‘Racism learned’ The Boston Globe June 10, 2012
(*2)Yair Bar-Haim, Talee Ziv, Dominique Lamy, Richard M. Hodes ‘Nature and nurture in own-race face processing’ Psychological Science, vol. 17, 2: pp. 159-163. , First Published Feb 1, 2006.
(*3)Erin Pahlke, Rebecca S. Bigler, Marie-Anne Suizzo 'Relations Between Colorblind Socialization and Children's Racial Bias: Evidence From European American Mothers and Their Preschool Children’ Child Development Vol. 83, No. 4 (JULY/AUGUST 2012), pp. 1164-1179





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