親子喧嘩で絶対やってはいけないこと!
子どもの成長は嬉しいものですが、それとともに意見がぶつかって親子喧嘩につながることも増えてきます。親も怒りの感情がエスカレートしてしまい、取り返しのつかないことにもなりかねません。親子喧嘩で絶対にやってはいけないこと、その影響と対処法とは?親子喧嘩では感情的にならない方が良い
私は長く小学校の教員をしていました。教員は、仕事として、自分の身内ではない子どもと接しているため、割と冷静に関わることができます。また、子どもに対して感情的に関わることは、マイナス面が多いと感じていたからでもあります。なぜ、感情的に怒ることが良くないのかと言うと、自分が言いたいこと、伝えたいことが何であるのかを忘れてしまうことが多いからです。初めは何かきっかけがあって叱っていたのに、「そういえば」などと過去のことをほじくり出したり、直接関係のないようなことまで話に出てきたりして、感情的になると本来、話したいことが伝えられないからです。
子ども自身、こういったときに口を挟むとさらに状況が悪化することを、経験から理解していて、多くの場合は黙って聞いている振りをしています。聞いている「振り」なので、もちろん、親が伝えたいことはさほど届きません。
そのため、しばらくするとまた同じような状況になり、親のあまり効果の高くない説教が繰り返されるという悪循環に陥ってしまうことが多いのです。
親子喧嘩で人格否定、存在否定は絶対に避けたい
親が感情的になったときの最悪のケースは、子どもの「人格否定」や「存在否定」などです。「やっぱりお前は何をやってもダメだ」や「あなたなんて生まれてこなければ良かったのに」というような言葉です。 そういった言葉を子どもはただ黙って聞いていることもあるでしょう。
特に注意が必要なのは、小さい子どもの場合です。相手が小さいからあまり分からないだろうと思い、人格や存在を否定するような言葉を放ってしまうと、子どもの心に大きな傷として残ってしまう可能性があります。場合によっては、将来、親子関係が完全に崩壊してしまうようなことになりかねません。
子どもは、親を選ぶことができません。また、親が稼いできたお金で、日々の食べ物や服などを買ってもらっていることも割と理解していて、見捨てられたら生きていくことができないかもしれないと考えていることもあります。一般的に見たら無茶苦茶な親であっても、特に小さい子どもは親が絶対であると従っていることが多いのです。
親子喧嘩のエスカレートは虐待につながることも
親の感情的な言動がエスカレートしてしまい、子どもに手や足が出てしまったり、どこかに閉じ込めたり、家から追い出したりする場合もあります。こういったことは、習慣化しやすいことにも気を付けたいものです。親が心に何かを抱えている場合、子どもを叱ってストレスの解消をしていることもあります。このような状況では、厳しい指導や虐待が常態化しやすくなります。
また、近年の脳科学の研究では、虐待などにおける脳への影響が調べられています。福井大学の友田明美教授が進めている研究によると、虐待された子どもは脳の一部が機能障害のような状態になっているとのことです。具体的には、強い体罰による虐待は「感情・理性」をつかさどる脳の容量が減少し、両親のDV(家庭内暴力)を目撃した子どもは「視覚」をつかさどる脳の容積が減少していることが明らかになっています。虐待は、打つ、蹴るなどの肉体的な体罰だけでなく、言葉の暴力も脳に大きなダメージを与えるということが分かっています。
親子喧嘩における怒りの感情のエスカレートを抑えるには
怒りの感情などは、急激に盛り上がるタイプのものといわれています。カッとなったその一瞬さえやり過ごすことができれば、その後は、それほど怒りの感情は残っていない場合が多いといわれています。このことから、親子喧嘩において怒りの感情が沸き起こってしまったら、深呼吸をしたり、一時的に子どもの顔が見えないところへ移動したりすることをおすすめします。そのほんのわずかな時間によって、感情は随分と収まること多いです。
少し落ち着くことができれば、理性的になって、子どもの立場になって考えたり、前向きなアドバイスを送ることができるでしょう。
親子で揉めること自然な姿でもあります。しかし、それが子どもや親子関係に決定的なダメージを与えぬよう、親や常に意識をしておくことが大切です。
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