子育て

臨時休校の過ごし方、コロナ疲れ長期戦で子どもの心とどう向き合う?

新型コロナウイルスが世界中に広がり、今、私が住んでいるドイツでも日々感染者が増え、めまぐるしく状況が変わってきています。子供を育てる親として、やはり気がかりなのは子供のこと、家族のこと。臨時休校、コロナ疲れが長期戦になりそうななか、子供との接し方で気を付けていきたいことをまとめてみました。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

 臨時休校中の子供の心のケアや過ごし方、気をつけたらいいことは?

臨時休校 一斉休校 過ごし方

臨時休校、コロナ疲れの長期戦……。不安が続く毎日、子供との接し方や過ごし方で気をつけたいポイントとは?

コロナウイルスが世界中に広がり、今、私が住んでいるドイツでも日々感染者が増え、めまぐるしく状況が変わってきています。どこに住んでいても、子供を育てる親として、やはり気がかりなのは子供のこと、家族のこと。

休校中で普段とは違う日常を送っていることも多い今、子供との接し方でどういうことに気をつけていったらいいか、そのポイントをまとめてみました。
 

今や世界中に広まる事態に

最近、朝起きて、まず行うのは、このサイトのチェックです。
Coronavirus COVID-19 Global Cases by JHU

これは、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが公開しているコロナウイルスの感染状況を視覚化したもので、ご覧になったことがある方も多いと思います。全体像を見るのに適していて、毎日チェックしていると、世界の感染者数の推移が見て取れます。

私が住むドイツは、ここ2週間ほどで感染者が急増し、3月17日の段階で感染者は8600名以上に。少し前までは日本の家族や友人たちの心配をしていたのに、今は逆に心配されるように……。
 
ヨーロッパは国と国が陸でそのままつながっており、車で数時間走れば、隣国に入ってしまうコンパクトな国々の集合体です。ドイツが隣接している国々は、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、スイス、オーストリア、チェコ、ポーランド、デンマーク。8つの国に囲まれています。当然、人々の行き来は多く、オランダに住んでいるけれど、出勤先はドイツ、そういう人々もたくさんいます。

陸続きの国境は、便利なことがほとんどですが、こういう事態のときは、容易に悪化しやすいことを今回改めて感じています。ここ数日で国境が封鎖され、ほかにも政府は次々に対応策を打ち出しています。学校も4月19日まで休校、日常生活の必需品以外を取り扱う店舗や施設は閉鎖、公園も閉められることに。
 

正しく怖がることが大事

こういう状況になると、やはり人は容易にパニック状態になりえます。必要以上に心で事を大きくしてしまうことで、冷静さを欠いてしまうのです。だからといって、楽観視すべきかというとそんなことはなく、状況を軽く見て、制限なく外出したりしてしまうのももちろん危険です。その人にとって危険というよりも、そういう人たちがパンデミックを起こす危険があるということです。
 
実はドイツもまだまだのんびり構えている人はたくさんいて、数日前の週末も、街のカフェはにぎわっていましたし、アイスクリームショップは長蛇の列。必要最低限の物だけ買ってさっさと帰宅しようという慎重派の我が家の行動とはだいぶ違いました。店舗閉鎖の対応策は、不便ではありますが、ある意味、私たちのような慎重派にとってはありがたい対策とも言えるのです。
 
今回のことで改めて思うのは、大事なのは、正しく怖がることだということです。それは私たち親の子供への接し方にも言えることで、親の言葉や行動は子供に大きな影響を与えるということをしみじみと感じています。
 

親の言葉は癒しにも毒にもなる

今回の一連の事態で、海外でのアジア人差別のニュースを聞いた方もいるでしょう。私自身、早い段階からそれを心配していて、自分の子供が通っている学校で、もしそういうことが起こったら……と懸念していました。しかし、多国籍の子が通っているということもあってか、学校がかなり早い段階で明確なメッセージを各家庭に通達してくれ、あとはもともと親御さんたちの意識も高かったのもあり、一度も嫌な思いをすることなく、普段となんら変わりなく過ごすことができていました。
 
こういう事態に陥ったとき、親が子供に事態をどう説明するかはとても大事で、差別的な発言をしたり、周りすべてを菌扱いするような行動を取れば、子供はそれをそのまま受け取ってしまいます。親の言葉は子供が世の中をどう見るべきかの判断材料になるので、日本人同士であっても他者を差別するような言い方で、子供に注意喚起するのは不適切です。 
 
一方で、子供には心配させたくないからといって、何もないかのように過ごすのもリスクになりえます。とくに今は休校中で、両親が外に仕事に出ている場合、親から離れて過ごす時間もあるでしょう。その間は自己管理しなければいけないので、年齢を踏まえつつ、きちんと現状を伝えることも大事と言えます。

親の言葉は子供たちにとって何よりの癒しもなりますが、ときには毒にもなりえます。自分の心の中で事態を膨らませてしまうと、「大変だ」「最悪だ」と気持ちがあおられることになりますので、できるだけ加工しないで正しい情報を取り込むことが大事になってくるかと思います。
 

長期戦に備え、理想を高くし過ぎないことも大事

学校が休校になって以来、ウェブ上でも子供の心のケアに関し、こうした方がいい、ああした方がいい、という情報が飛び交っていますが、そういう情報に疲弊してしまっている方もいるのではないでしょうか。両親ともに仕事をしていたら、いくら「こうしたい」と思うことがあってもやってあげられないこともたくさんあります。そういうことで自分を責めてしまったり、イライラしてしまうのは逆によくありません。

自分ができていないことが目についてがっかりしたり、「ああだったら、こうだったら」と思うのに思い通りにならなくてため息をついたり……。今回ばかりは「参った」という方も多いと思います(私も含め)。ただ、自分で自分の気持ちを下げてしまうのは、とてももったいないことです。不平不満をこぼして、事態が改善するのなら、やる価値もありますが、今回ばかりは、それをやってもそう簡単に前には進みにくいなと感じています。

なので、お子さんの心のケアに関し、「ああすべき、こうすべき」とあまり高い目標を設定しないことも大事で、もっともっとシンプルに「子供たちがモリモリ食べて、スヤスヤ眠れる環境を作ればOK」とするのがいいと思います。今すでに親としてできていることはたくさんあるので、そこを自分でねぎらって元気をつけていきたいものです。
 
最後に、いわゆる「コロナ疲れ」が出てきている時期ですが、世界的に広がっていることからも、長丁場になることも予想されます。マラソンのペースで“なんとかできそうなこと”をやっていくのが、今後を見据えた堅実なアプローチなのではないかなと思います。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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