女の子の赤ちゃんのお祝い着やベビードレスの選び方から、必要な小物や季節ごとの注意点、家族の和装・洋装のマナーやNG例まで、お宮参りの家族の服装についてご説明します。
まずお宮参りの主役である赤ちゃんの服を決め、その「格」に大人が合わせることで、「間違いのない」服選びができます
<お宮参りの服装 女の子編 目次>
お宮参り、初宮参りとは?
土地の守り神である氏神さまや産土神(うぶすながみ)さまに子どもの誕生を報告し、無事に成長することを願う行事です。「初宮参り(はつみやまいり)」とも言います。詳しくは「お宮参りの基礎知識!服装・時期・やり方作法」もご覧ください。女の子のお宮参りはいつ?
女の子のお宮参りは、生後32日、地方によっては生後50日・100日に行われます。冬場の寒さが厳しい北海道や東北、北陸地方などでは、真冬に生まれた赤ちゃんのお宮参りは、生後100日頃とする地域もあります。ただし、現在では、赤ちゃんやお母さんの体調、天候、関係者のスケジュールに合わせて調整することがほとんど。初誕生日と重ならないよう、赤ちゃんの1ヶ月健診が済んでから生後半年くらいまでを目安にするといいでしょう。
お宮参りの赤ちゃんの正式な服装は?
お宮参りの赤ちゃんの服装で、最もフォーマルなのが、和装。白羽二重(しろはぶたえ)の内着に、祝い着を羽織るスタイルです。祝い着は、赤ちゃんが着るのではなく、だっこしている人の上からかぶせるものです。また、最近では、白羽二重の内着をベビードレスに、祝い着をケープにする人も増えています。というわけで、現在では、こんな組み合わせが多いと言えるでしょう(フォーマル度の高い順。いずれも肌着は必要です)。
- 内着+ 祝い着
- ベビードレス+ 祝い着
- ベビードレス+ ケープ
祝い着やケープを省略し、赤ちゃんだけをおくるみでくるむこともありますが、地域によっては、祝い着やケープの紐にお守りをつけることがあるので、祝い着等がなくても問題ないか、事前に確認しておきましょう(特に、関西では紐にご祝儀を結ぶ「おひも銭」の習慣が残るところもあります)。
女の子の和装「内着+ 祝い着」の選び方
お宮参りの赤ちゃんの服装が和装の場合は、内着を着た赤ちゃんを抱っこし、その上から祝い着をはおります。- 内着
白羽二重の内着は、天然繊維の絹でできています。光沢が美しく、保湿・吸湿性に優れているだけでなく、静電気を起しにくいので、敏感な赤ちゃんにも安心して着せることができます。ただし、価格は高め。最近では、内着の代わりにベビードレスを着せる方が大半です。
- 祝い着
祝い着は「産着(うぶぎ)」「初着(うぶぎ)」「掛け着(かけぎ)」「のしめ」などとも呼ばれます。やわらかで華やかな女の子の祝い着には「優しく美しく成長するように」との願いが込められています(以下、お祝い着の写真はすべてkyoubiより)。
- 地色 …… 赤・ピンク・黄色などの明るい色が人気。大人っぽい、紫・ラベンダー色を好む方も。
- 絵柄 …… 花・蝶・手まり・鼓・御所車(ごしょぐるま)などが定番。御所車は貴族の乗りものだった牛車で、「玉の輿に乗れますように」との願いが込められているそう。
- 家紋 …… 女の子の祝い着には、家紋は入れないのが一般的。もし入れる場合は、背中に1ヶ所入れる「一つ紋」で母系の紋を入れるのがほとんど。ただし、男の子の祝い着と違い、家紋を入れることを考えてデザインされていないため、柄を吟味する必要があります。
女の子のお宮参り服装、和装を購入する場合は3歳の七五三を視野に
元々着物は、生地や加工によって、価格の幅がかなりあるものです。お宮参りの着物も、高級なものも多くありますが、人気なのは3~5万円のもの。祝い着は、三歳の七五三のときに着ることを視野に入れて選ぶ方も多いのですが、その場合、子供用の着物の形へと仕立て直す必要があります。寸法や仕立て方によっては、お直しが難しい場合もあるので、七五三で着たいということを必ずお店の方に伝えましょう。
女の子のお宮参り服装、便利なレンタルや写真館のプラン活用の手も
お宮参りは産後すぐの行事ですから、着物のレンタルは、便利なネットショップがおすすめです。種類も多く質問にも細やかに答えてくれますし、楽天市場などでも気軽に申し込めるお店もあります。相場はおよそ1~2万円台くらい、祝い着単品なら数千円から見つかります。「晴れ着の丸昌 インターネットショップ」、「京都きくや」、「京都 ちりめんや」などはよく知られています。もし、お宮参りの記念撮影をフォトスタジオ(写真館)でするなら、外出可能なお宮参りプランなどもあるので、チェックしてみるといいでしょう。
なお、お宮参りのスケジュールと着物が決まったら、予約はお早めに! 七五三などの繁忙期と重なる時季は、発送に時間がかかることがあります。また、以下の点も注意しましょう。
<着物レンタルチェックポイント>
- セット内容 …… 祝い着だけか、内着や小物もついているのかどうか。
- キャンセル料 …… 天候や赤ちゃんの体調によって、予定していた日に参拝できないこともあります。キャンセルや日程変更ができるのか、別料金が発生するのかなどを確認を。
- クリーニング代 …… ほとんどのお店は、使用後のクリーニング不要。ただし汚れがひどい場合は別途料金が発生することもあります。
女の子のお宮参りのベビードレスは、種類・デザイン・素材で選ぶ
オーガンジーのコートは美しい刺繍が印象的。中にツーウェイオールを着ます(MIKIHOUSE)
- ナチュラル派におすすめ! オーガニックコットン
ナチュラル派にもうれしいオーガニックコットンのベビードレスもあります(Amorosa mamma)
- 普段にも着まわしやすいシンプルなベビードレス
柔らかなコットン生地のベビードレス。ウエスト周りをタブで調節できるようになっているので、長く着られます(Naomi Ito)
シーズン別、赤ちゃんの体温調節のポイント
生まれたばかりの赤ちゃんが快適に過ごせるよう、肌着や靴下などで上手に体温調整をしてあげましょう。肌着は、季節によって短肌着や長肌着・コンビ肌着などを選びます。ドレスの下にロンパースなどのベビー服を着る場合は、白くてきれいなデザインのものがおすすめです。- 夏
和装の場合、同じ形をした長襦袢(ながじゅばん)とセットになっている祝い着は、暑さによって長襦袢を外してもOK。洋装の場合、ガーゼや天竺など、涼しい素材を選びます。ご祈祷の待合室が冷える場合もあるので、エアコン対策も必要です。かわいらしく涼しげなAラインのドレス。裾のスナップボタンでカバーオールにもなります(エンジェリーベ)
- 冬
肌着を重ねたり、祝い着やケープの上から大判のストールをかけたりして、防寒します。ベビー服を着るなら、スムースやニットキルトなどあたたみのある素材がおすすめ。ベビードレスの上や下に、ベストや胴着を重ねてもよいでしょう。ふんわりした冬物のベロアジャガード素材。シンプルですが、レースにはかわいらしいくまさんの刺繍があります(OP mini)
- 春・秋
日によって寒暖差が大きい時季なので、寒さ・暑さに応じて調整します。上品な雰囲気のオーガンジーコートは、肩部分から長めのフリルがついたデザインで、長そでではないので、着せやすく動きやすいのもポイント(OP mini)
お宮参りで赤ちゃんの和装・洋装とも必要な、よだれかけと帽子
和装・洋装問わず必要なのが、よだれかけ(スタイ)と帽子。華やかでかわいらしく、また便利でもあります。- よだれかけお宮参りの定番は、白色で刺繍やレースが付いた大きめのよだれかけ。赤ちゃんの愛らしさを引き立てますし、赤ちゃんのよだれや吐き戻しから、服を守ることができます。吐き戻しの多い赤ちゃんなら、予備を用意しておくと安心です。
上品でかわいらしいよだれかけ。スナップボタンなので、つけやくずれにくい(赤ちゃんの城
- 帽子 和装の場合は、女の子も男の子も、大黒帽子(だいこくぼうし)という着物のときにかぶる帽子をかぶります。
通年使える素材の帽子。洋装の場合、ベビードレスと帽子(フード)はセットになっていることも多いので、ご確認を(babywear)
お宮参りの服装の価格を抑えたい、着回ししたいなら……
予算を抑えるのが目的なら、内着やドレスの代わりに、ロンパース(カバーオール・ツーウェイオール)などを着せても差し支えありません。色はフォーマルな白がおすすめです。かわいらしいものや刺繍がきれいなものを選んだりするといいでしょう。シンプル&カジュアルなら、こんな華やかなよだれかけでおしゃれに(MARLMARL)
お宮参り当日に慌てない赤ちゃんの服の着せ方
当日慌てないよう、事前に練習しておきましょう。準備し忘れているものがないかの確認にもなります。- 出発するときは、内着やベビードレスで。
- 神社の境内についたら、手水を済ませ、だっこした赤ちゃんの上から祝い着やケープをかける(赤ちゃんは父方の祖母が抱く風習があったが、今はこだわらないことが多い)。
- 赤ちゃんの頭がのぞく程度の高さに調整し、赤ちゃんをだっこした人の背中側でひもをちょうちょ結びにする。ひもにさげる小物についている糸が輪状のものは、ひもに通してから結ぶ。
- 祝い着のひもに、お守り袋等の小物をさげる(地域による。お宮参りの後に、魔よけのお守りとして、でんでん太鼓や犬張子を祝い着に結んであげることも)。
※赤ちゃんをだっこする人の肩にガーゼのタオルなどをかけておくことで、赤ちゃんが吐き戻したときにフォーマルな服を汚しにくくなります。
お宮参りの服装、両親・祖父母は?
大人の服装で1番大切なのは、全員の「格」が合っていること。両親は、赤ちゃんの服装の格に合わせるか、格下にします。祖父母は、父親・母親に合わせるか、同じく格下に。伝統を重んじるご家庭もあるでしょうから、父方・母方両方の祖父母が参加する場合は、両方の格が合うよう事前に打ち合わせておくと、どちらかがきまずい思いをすることがなく、安心です。
また、女の子の祝い着は華やかで色のバリエーションもありますから、ご両親の服装とカラーコーディネートしても楽しいですね。
- お宮参りの服装、赤ちゃんが和装なら……
男性は、礼服(ブラックスーツ)かダークカラーのスーツ、ワイシャツ(白)、ネクタイ(白・シルバー・シャンパンゴールドなど)、女性は、和装の場合は紋付の色無地か訪問着、洋装の場合はスーツやワンピース(ネイビー・ベージュなど)です。元々は、男性は紋付き袴、女性は黒留袖でしたが、最近はカジュアルよりになってきています。 - 赤ちゃんがベビードレスなら……
男性はダークカラーのスーツ、ワイシャツ(白)、ネクタイ(白)が基本。最近では、薄いブルーやグレーのシャツ、淡いブルーやピンクなどのネクタイも増えてきています。派手な柄のものは、カジュアルな印象になるので避けた方がいいでしょう。
女性は、和装の場合は色無地か訪問着か付け下げ、洋装の場合はスーツ(パンツスーツも可)やワンピース(ネイビー・ベージュなど)です。 - カジュアルにしたいときは……
カジュアルにするときでも、以下のNGポイントを外し、色や形はフォーマルに準じたものがおすすめです。そもそもお宮参りは神様にお参りする行事ですから、清潔感できちんとした装いの方が好印象ですし、フォーマルな服装の方の多いご祈祷などでも、居心地の悪い思いをしなくても済むでしょう。
- NGアイテム
Tシャツ、ジーパン、ワークパンツ、ハーフパンツ、ノースリーブのトップス、スウェット生地の服、大きなロゴ入りの服、ブーツ、サンダル、ミュール、浴衣など。 - 素足
ソックスかストッキング必須。ストッキングの色は、透明かベージュ(柄やラメの入ったもの、タイツは不可)。※黒いストッキングは弔事用なので、七五三や入学・卒業式などにも着用しません。 - 露出の多い服
夏でも袖のあるものを選ぶか、ジャケットかカーディガンを用意します。スカートはひざ丈かそれよりも長いものを。
母親のお宮参り服装で気を付けたいこと
- 優先すべきは、体調や授乳事情
- 大きめアクセサリーは避けた方が無難
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