臨時休校中の子どもの過ごし方は、親の力が試される
臨時で一ヶ月も学校が休みになること、その準備のための時間が地域によってはわずか1日しかなかったなど、今回の状況は日本の学校において初めてのことです。臨時休校中の子どもの過ごし方はどうしたらよいでしょうか。今回のような学校側の対応が十分でない臨時休校中は、家庭で親がどのように関わっていくのかということが子どもの育ちに大きく影響する
とはいえ長い休みを迎えるにあたって、学校側の対応が十分でない状況では、家庭で親がどのように関わっていくのかということが子どもの育ちに大きな影響を与えます。子どもが何歳なのか、学童があるのか、親が仕事を休めるのかなど、それぞれの家庭で状況に違いはありますが、通常の学校がある時期よりも親の関わりが多くなります。
臨時休校中に親ができること
1.めあてを設定する
まず初めに取り組みたいことは、この臨時休校の期間をどのようなものにしたいのかを子どもと一緒に考えることです。それぞれの家庭の状況(親が仕事を休めないことがあるなど)を伝えた上で、子どもがどういった意識でこの期間を過ごしていくと良いのかについて、家族全員で考えるのです。親が大変な状況であることを伝えることも必要ですし、その期間は本来学校があれば学習する時間であることを伝える必要もあるでしょう。子どもだけの問題、親だけの問題ではなく、「家族みんなの問題」としてどう乗り切っていくのかについて考えていくことが大切です。
子どもが小学校低学年など小さい場合は、親が不安に思っている以上に子どもは状況を理解していますし、考える力もあります。ぜひ子どもに投げかけてもらいたいと思います。
通常の長期休業の場合、こういったことは学校で行います。「夏休みのめあて」などを子どもが考え、それに向けて具体的にどのように行動していくのかを紙に書いたりします。しかし、今回は非常にバタバタしたまま急に休校になってしまったので、家庭でフォローする必要があるのです。
2.生活リズムを作る
学校がある日々は、毎日決まったリズムで子どもは過ごします。朝、決まった時刻に起き、登校します。学校では午前中に45分の授業を4回取り組み、その後に昼食、そして午後にはまた授業に取り組み、下校となります。休みになるとこのリズムが崩れてしまいがちです。このようなことを避けるため、家庭で学校の時間割のようなものを作ることをオススメします。本来取り組むべきスケジュールと同じように生活する目安となります。
またいつもとは違った特殊な状況なので、この時期だけの「特別ルール」を作りましょう。例えば、通常学校にいる時間(午前8時から午後3時まで)はゲームをしないなどといったルールです。またそれを適用するのは、学校があるはずだった平日のみにすると良いです。家庭の状況によっても色々と違うので、子どもと話し合いをしながら決めて下さい。
これらのルール作りにおいては、親が一方的に決めないことが大切です。ある程度の状況の説明(本来は学校があり、勉強をしている時間である、終わっていない学習内容があるなど)をした上で、子どもに決めさせます。そうやって決めたものは紙などに書いて見える所に貼っておくとさらに良いでしょう。
3.学習を続ける
臨時休校中もしっかりと学習を続けましょう。今回、学校の教員として非常に悩ましいのは、学習に関することです。3月という時期は、教科によってはそろそろその学年の学習内容が終わる時期です。そして、それぞれの子どもの理解が十分でない所をケアする時期です。まとめのテストなどに取り組み、間違えた部分を学び直し、次の学習で困らないようにすることなどをします。こういった時期に学校がなくなってしまうのは、本当に悩ましいことです。ある程度は学校が対応(指示)してくると思いますが、それでも十分ではないでしょう。そこで親の役割が重要になります。
学習に関しては学校からの指示があれば、まずそれに取り組んでください。終わっていないドリル、テストなどが配られることが予想されます。その学年で取り組む内容はほぼ終えていると思いますが、最後の単元などについては、きちんと取り組めているのかを確認する必要があります。もしきちんと取り組めていないようであれば、簡単に説明してあげると子どもの理解が深まるはずです。
市販のドリルもおすすめです。その子どもの学習状況に応じてドリルを選んでください。市販のドリルは難易度に違いがあるため、その子どもの学習の状況(算数は得意、漢字は苦手など)に応じて、ドリルを選んでいくと良いでしょう。
臨時休校中は特別に無料で取り組めるようになっているオンライン教材も
ネット教材などで、教科書の枠の外にある学びに取り組むことも良いでしょう。昆虫、天体、漢字、パズルなど、それぞれの子どもが好きなことにも、通常の学校がある時期に比べてさらにじっくりと取り組み、その能力を伸ばしていくことができます。これはネット教材だけでなく、少し厚めの本を読むことなども同様です。
臨時休校中に注意することは?
学習においてネット教材などを上手に活用するのは良いことですが、これには危険な面があることも事実です。親が家庭におらず、小学校高学年の子どもが一人で過ごしている場合、子どもによっては一日中、パソコンなどに触れてしまうこともあるでしょう。勉強などに取り組むだけでなく、色々な動画を見たり、ゲームをやってしまう可能性が考えられます。ゲームなどに関するトラブルの予防には、先ほど書いたようにはじめにきちんとルールを作ることが大切になります。それが歯止めとなる可能性が高いです。今回、子どもには相当なストレスがかかることが予想されます。ゲームをした、しないなどで親があまり感情的にならず、通常の時期よりも少し緩めの心持ちで子どもを見てあげることも大切でしょう。
コロナウィルスによる臨時休校中は、いつもより頻繁に子どもの体調の確認を
臨時休校において家庭で過ごすことになった子どもがより良い学び、育ちができるための方法についてまとめました。本当に急なことなので親も子どももバタバタしていることと思います。ただ今回のようなことを上手に利用し子どもにとって良い学び、育ちの期間とする家庭もあると思います。この文章がそのことの一助になれば幸いです。
【関連記事】