亀山早苗の恋愛コラム

妻の勘はいつも正しい!? 夫の浮気に気付いた意外なきっかけ

夫の浮気はどうやってバレるものなのか。もちろん、様子がおかしいとか、習慣と化していることが破られているとか、携帯を見てしまったとか、妻側に聞くといろいろある。だが中には、そんなこともあるのかと驚かされるものもある。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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夫の浮気がバレた瞬間

夫の浮気
 

夫の浮気はどうやってバレるものなのか。もちろん、様子がおかしいとか、習慣と化していることが破られているとか、携帯を見てしまったとか、妻側に聞くといろいろある。だが中には、そんなこともあるのかと驚かされるものもある。
 

意外なきっかけで夫の浮気を見事見破ったリカさんに、当時の話を聞いた。

 

犬の散歩から夫は変わった

「子どもが犬がほしいと言い出して、地域のNPOから保護犬を譲渡してもらったんです。とってもかわいいので、子どもたちが先を競って早朝から散歩に連れ出していたんですよね。ところがあるとき、息子は試験、娘は風邪で散歩に行かれなくなり、夫が連れ出した。その翌日も、夫はいそいそと散歩へ。前はめんどうくさいと子ども任せだったのに、おかしいなと思ったんです」

そう言うのはリカさん(48歳)。同い年の夫とは結婚して18年たつ。息子は高校生、娘は中学生だ。犬の散歩の一件はおよそ1年前のこと。

「その後も、夫は会社から帰ってくると犬を連れ出す。なんだかヘンだなあと思いながら数カ月たったある日、夫が目がおかしいと言い出したんです」

眼科に行くと、急性結膜炎だという。感染の危険があるからと眼帯をされ、タオルなどは家族と同じものを使わないようにと指示された。

「その翌日だったか数日後だったか、夕方、たまたま私が犬を散歩させていると近所の犬好きの奥さんに会ったんです。彼女は当時、近所に引っ越してきて間がないころで、私も会うとよく立ち話をしていたんですよね。近所に馴染むためにも犬を飼い始めたという話は聞いていました。ふと彼女を見ると、彼女も眼帯をしている。どうしたのと尋ねたら、ちょっとものもらいを手術して、と短く答えて慌てて行ってしまったんです」

そこでリカさんはピンと来た。これは夫の急性結膜炎と関係があるに違いない。妻の勘はいつも正しいのだ。

 

夫を観察していると

その後、リカさんは夫を観察。結膜炎は意外としぶとく、夫は朝の犬の散歩を子どもたちに奪われていた。

何度か眼科に通って、ようやくよくなったきたよと夫が言ったとき、リカさんはすかさず言った。

「○○さんの奥さんも急性結膜炎なんですって。どうしたのかしらね、地域で流行っているのかしら。保健所に通報したほうがいいかもしれないわよねって。そうしたら夫が急にあたふたし始めたんです。『彼女の家に行ったのね』と畳みかけると、なんの話かわからないとしどろもどろ。やっぱりねと思いましたよ」

彼女は結婚しているが子どもはいない。彼女の夫は出張がちだと以前に聞いたことがあった。リカさんの夫は犬の散歩をさせながら、彼女の家に上がり込むこともあったのだ。

「その晩、真実を聞かせなさいと夫に詰め寄りました。聞くまで寝かせない、と。夫はようやく治りかけた目からぼろぼろ涙をこぼしながら、『彼女の家に行った』と白状したんです。どうやら彼女のところで浮気している最中、彼女のところの犬が部屋の中で粗相をしたらしいんですね。大型犬の子犬だから、躾も行き届いていなかったんでしょう。それであわててふたりでぞうきんで掃除をした、と。うちの犬は玄関につながれていたんですって。失礼ですよね(笑)」

その結果、ふたりとも犬の尿の飛沫が目に入ったのか結膜炎になったらしい。自分のカンが当たったとはいえ、リカさんは怒髪天をつくという思いだった。

「たまたま犬の散歩をしているときに話しかけられて、うちは誰もいないからと誘われて、と夫は自分は悪くない、誘惑されたんだという言い方をしていたけど、私からみれば誘おうが誘われようがどっちだって一緒。浮気に違いはないでしょと一喝してやりました」

それでも夫は「結局は未遂だった。何もしていない」と言い訳三昧。それも「しようとしたんだから、未遂だろうが遂行だろうが同じ」と斬り捨てた。

リカさんにバレたことを夫が彼女に告げたのか、それ以来、彼女の姿を見かけなくなった。噂では、離婚して実家に帰ったという。もともと夫婦関係がよくなかったのかとリカさんは少しだけ同情したという。

「同情なんかしている場合じゃないんですけどね。夫は私の怒りに恐れをなしたのか、それ以来、おとなしくしています。娘だけが犬の散歩に行くというときは夫も心配だからとついていっていますが、帰ってくると私が娘に途中で誰かに会わなかったかさりげなく聞くんです。夫はそれを耳にしているはずです」

バカバカしい話でしょとリカさんは笑った。夫を許したように思える口調だったが、最後にリカさんは真顔になって言った。

「許してなんていませんよ。信頼は完全に失墜した。この先、子どもたちが成人したとき、夫にどうやって復讐してやろうか考えることもありますよ」
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