節約/通信費の節約

子供でもわかるシリーズ《電話回線の種類》第7回 回線の種類vol7~光ファイバー~(2ページ目)

第1回目では電話回線の種類について大まかに説明してみました。今回は『光ファイバー』について、少し詳しく説明します。FTTHという言葉がわからない人は必見です!

執筆者:大串 明弘

■200万倍の大容量

光ファイバーのメリットは、速さだけではありません。光ファイバーは銅線と比べものにならないくらい容量が大きいのです。銅線の限界がDSL技術を利用しても50Mbps程度と言われているのに対し、光ファイバーは理論上100T(テラ)bpsも可能なのだそうです。1T(テラ)=1000G(ギガ)で、1G=1000M(メガ)なので、Mbpsで表すと100,000,000Mbpsとなります。なんと銅線の200万倍もの大容量を秘めているのです。

実際まだそこまで実用化されていませんが、それでも10Gbps(10,000Mbps)程度は既に商品化されています。ADSLなどとは比較にならないくらい高速で通信ができるのです。

■ノイズの影響を受けない

銅線に電気を流す場合、どうしても磁力や電波等のノイズの影響を受けてしまいます。ADSLはまさにその影響をもろに受け不安定になってしまうのですが、「光」は全くと言って良いほどノイズの影響を受けません。よって、外的要因から回線が不安定になることがないため、安定した回線品質を持続できるのです。

■距離の影響を受けにくい

例えば、風が全くない状態で紙飛行機を飛ばしたとしましょう。どんなに勢いよく飛ばしても、どんどん速度が落ちてきて最後には速度が0になってしまいます。これは空気が抵抗になっているからです。これを電話線に置き換えるなら、紙飛行機の速度が“電気”、空気が“銅線”です。どんなに勢いよく電気を流しても、銅線を伝わっていくうちに、銅線そのものが抵抗となり、徐々に電気が弱くなってしまい、最後には電気が0になってしまいます。ADSLで、距離が長くなれば長くなるほど、速度が低下するのはこのためです。

光ファイバーの場合、“ガラス線”の抵抗が非常に少ないので、導線の場合よりも遙か遠くまで通信ができるわけです。

■光ファイバーの弱点

しかし、光ファイバーにも弱点がいくつかあります。

ひとつは、“ガラス線”ゆえに「壊れやすい」点です。曲げると折れてしまうことがあります。これが「配線しづらい」という弱点になってしまうわけです。しかし、現在では技術が進化し、プラスチック製の光ファイバーも利用できるため、曲げにもかなり強くなっていて、光ファイバーと一緒にワイヤーなどの強い物質を同じケーブルに入れて補強することにより、市販のスプレー缶くらいの直径であれば曲げられるようです。

もうひとつは、値段が高い点です。光ファイバーケーブルの値段が、銅線よりも高いことが普及を妨げる原因のひとつとなっているようです。ですが、これは生産量が増えることにより、低価格化してくると思われます。

これにともない、工事費が高い点も挙げられます。極細の光ファイバーを正確に切り、くっつけるためには専用の工具や装置が必要です。銅線と違って慎重に作業する必要があり、作業時間が長くなり、結果的に工事費が高くなってしまうのです。


■FTTHって何?
■光ファイバーだと電話は使えない!?
■東京電力やゆうせんも参入

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