お金の悩みを解決!マネープランクリニック/30代シングルの方のお金悩み相談

39歳貯金370万円。このまま独身で生きる将来を考え、貯蓄が少なく老後の生活が不安(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、離婚をしてからこのまま独身で生きる将来を考えており、貯金が少なく悩んでいるという会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 収支管理をしっかりしているのはいいが、使うところには使い、メリハリを

さまざまなご事情を乗り越えて、一人暮らしを始められ、しっかりなさっていると思います。お金の管理もきちんと予算を立てて、細かく考えられていることも、よくわかりました。
 
支出に関しては、無駄なところがなく、通信費については機会を改めて見直すとのことですから、このままの家計で問題ありません。ただ、心配なのは光熱費です。持病もあるとのことですから、ご自身の体調管理のためにも、シャワーで済ますのではなく、ゆったりと湯船に浸かってもいいのではありませんか?
 
何から何まできっちりしなくても、現状の収入が維持できれば、経済的に困ることはありません。貯蓄することは大事ですが、体調を崩してまで頑張ることではありません。使うべきところには使い、無理なく続けられることが大事です。もう少し、自分を甘やかしてもいいように思います。
 

アドバイス2 今の貯蓄ペースでいけば、老後資金で不安に思うことはない

収入に変動があるとはいえ、毎月5万5000円、ボーナスから40万円(実際には30万円ということでしょうか)の貯蓄は立派です。年間100万円の貯蓄が続けば、60歳になるまでに2100万円貯めることができます。
 
今後、車の買い換えぐらいしか、大きな出費はありませんから、そのまま老後資金として残ることになります。一人暮らしで、現在のようにコンパクトな生活を続けていけば、老後の生活に困ることはありません。そう考えると、いったん貯蓄のペースを緩めて、年間90万円を目標にしてもいいですし、毎月の支出に1万円プラスして、美容院は毎月でもOKとするなど、何か心のゆとりになるようなことに使ってもいいのではないでしょうか。
 
さらにいえば、このペースで貯蓄でき、1000万円貯めることができたら、海外旅行する、大きな買い物をするなど、ぜひ自分を自分でほめてあげてください。貯蓄は老後のためだけにするものではありません。どうか若いときだからこそ楽しめることに、お金を使ってほしいと思います。
 

アドバイス3 「ねんきん定期便」で加入期間と見込み額は確認を

ただ、気を付けていただきたいのが、公的年金です。厚生年金加入、前夫の扶養、学生特例による猶予、公務員時代の共済と、過去に加入した年金の種類が多岐にわたっています。加入した年金とその加入期間に間違いがないか、慎重に確認するようにしてください。現在は厚生年金への加入ですので、このままの加入状況で継続した場合の見込み額も記載されています。
 
また、学生特例の6年分は追納されていないとのことですが、もしも満額受給したいとなれば、60歳以降、任意加入し、国民年金保険料を支払えば、条件を満たすことができます。体調との兼ね合いもありますから、その時点での働き方で考えればいいでしょう。
 
貯蓄に関しては問題ありませんが、公的年金の金額を確認されておけば、さらに安心につながると思います。アメリさんは個人年金にも加入されていますので、それも加味して、どの程度の収入になるのか、確認してみてください。
 
おそらくアメリさんの場合は、年額100万円(月額8万~9万円)程度は受給できると思います。仮に、生活費として毎月8万円ぐらい不足するとしても、年間で96万円。2000万円の金融資産がなくなるのは、20年後です。あまり心配しなくてもいいでしょう。
 
最後に、投資についてですが、つみたてNISA、iDeCoのどちらでも構いません。毎月の貯蓄額のうち2万円程度までなら問題ないと思います。途中で引き出せないのは不安だということであれば、今やられている、つみたてNISAでいいでしょう。どちらを利用しても、運用中、売却時の利益が非課税になります。iDeCoであれば、積み立てた金額は全額所得控除の対象となりますので、所得税の節税にもなりますし、翌年度の住民税、健康保険料の軽減にもなります。
 
慌てる必要はありませんので、預貯金で安心できる金額が貯まってから、少しずつ投資に回すお金を増やしてもいいでしょう。
 
現状のままで、何も心配なさることはありません。メリハリのあるお金の使い方も考えてみてくださいね。
 

相談者「アメリ」さんから寄せられた感想

アドバイス拝見いたしました。ありがとうございます。現状であまり心配はないとのことで少しホッとしました。逆にもう少し自分を甘やかしてもいい、メリハリのあるお金の使い方をしてもいいとのこと。確かに、昔に比べると贅沢なものにグレードアップしたものもあれば、買わなくなった物や行かなくなった所の方が多く、切り詰めてばかりのような気がします。しかし生活レベルを落としても、現状特に不満ではないのでこのペースで貯めて、維持費は増えますが、車の買い換えをちょっと贅沢にしようと思いました。ただ光熱費については、体が資本と思ってケチケチせずに過ごしたいと思います。また投資の増額については、おっしゃるように、自由に使える預貯金を増やしてから再度検討します。社会に出てからいろんな事情で、職や住居を転々としてきましたが、今回の相談を機にこれ以上、年金の加入履歴を複雑にしないよう、健康に気を付けながら働いていきたいです。今回は本当にありがとうございました。

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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