子どもも大きくなり生活費がかかるようになり、自宅は築31年で修理が必要です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、子どもの学費や今後の自宅の修繕費などについて悩む42歳の会社員女性です。支出の中で削れるところは削り、家計に余裕を持たせたいといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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2人の子どもの学費、自宅も壊れ始めていて直したいのですが……

2人の子どもの学費、自宅も壊れ始めていて直したいのですが……


■相談者
おくらさん(仮名)
女性/会社員/42歳
北陸/持ち家(一戸建て)
 
■家族構成
夫(43歳)、長女(11歳)、次女(9歳)
 
■相談内容(原文まま)  
給料だけでは足りず、カツカツ生活です。正社員になったのをきっかけに、積立定期や学資保険の追加契約をしました。子どもも大きくなって生活費がかかるようになり、お金が足りず口座はいつも貸し越し状態(35万円ほど)になっています。ボーナスも支払いがあり、ほぼ残りません。自宅も築31年のため、あちこち傷みもあり修理が今後必要です。夫の趣味は食べることとスマホのため、食費の削減は難しく、スマホのプラン変更も断固拒否されています。もう少し削れるところを削って、心にゆとりを持たせたいです。現在の月々の積立額を変えずに65歳まで積み立てていくためのアドバイスをいただけると嬉しいです。
 
■家計収支データ
相談者「おくらさん」の家計収支データ

相談者「おくらさん」の家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)住宅費について
・住宅ローン:4万4000円/月、ローン残高1200万円、2046年まで
・固定資産税 :3万6000円/年

<修繕費について>
・2年後改築修繕予定 50万円
・4年後外壁塗装予定 150万円
 
(2)車両費について
車は2台所有しています。2年後、1台買い換えを予定しており、予算130万円(軽自動車)です。

<内訳>
・車ローン:月々2万2000円(2024年まで)
・ガソリン:月々2万500円
 
(3)加入保険について
▪夫/生命保険=毎月の保険料8800円※付き合いがあり見直し不可
▪夫/生命保険=毎月の保険料2600円
▪夫/医療保険=毎月の保険料1000円
 
▪本人/共済=毎月の保険料2500円
▪本人/個人年金=毎月の保険料1万7000円
▪本人、夫/ガン保険と三大疾病=2人分3300円
▪本人/定期保険(死亡300万円 払込期間、保険期間ともに90歳)=毎月の保険料1000円
▪本人/終身保険(死亡200万円 60歳で保障選択がある)=払い済み
▪上の子ども/学資と養老保険(18歳で学資満期140万円、20歳で養老満期100万円)=年払い保険料12万円
▪下の子ども/学資と養老保険(18歳で学資満期360万円、20歳で養老満期100万円)=年払い保険料38万円
▪子ども成人式用積立=月々の保険料2000円 
 
(4)教育費について
児童手当は、学資保険の支払いに充てています。教育費の内訳は、学校給食&修学旅行費2人分で1万6000円/月、塾代6600円/月です。進路については2人とも、大学は県外の私立大学へ進学予定でアパートか寮生活(仕送り含め2人で2000万円必要と考えている)。高校は公立校の予定です。
 
(5)ボーナスの主な使い道について
学資保険と生命保険料、長期休暇と旅行費用、車費用(自動車税、保険、車検)、塾更新代、交際費(母の日、お年玉など)2万6000円、灯油代2万円、固定資産税3万6000円、定期積立6万円、小遣い10万円、米代6万円、雑費(地震保険、美容室、町内費、予防接種など)13万円、その他タイヤや自転車購入など臨時で出費あり。
 
(6)お勤め先について
夫婦ともに退職金制度はありますが、200万円ずつの見込み。60歳以降は現在の職場で65歳まで勤務予定。給与は下がる見込み。その後も働けるうちは職種にこだわらず働きたい。
 
(7)毎月の貯金について
・毎月5万5000円積立
・つみたてNISA8500円/月
・ふるさと納税6500円/月
 
(8)年金について
・夫 70歳から受給開始 186万円/年
・本人  70歳から受給開始 161万円/年
・本人 個人年金65~75歳の10年確定年金 82万円/年
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 現状2000万円が不足。今の貯蓄ペースでは教育費が捻出できない
アドバイス2 聖域なく家計を見直し、年間150万円の貯蓄が必要
アドバイス3 夫56歳からが老後資金の貯めどき。60歳以降の働き方も重要
 

アドバイス1 現状2000万円が不足。今の貯蓄ペースでは教育費が捻出できない

今後、必要になる大きな費用は、子どもの教育費、家の修繕費、車の買い換え費用ですね。学費に関しては、中学・高校が公立、大学は県外の私立大学となると、仕送りを含めて1人1300万円、2人で2600万円はみておいたほうがいいでしょう。家の修繕費が200万円、車の買い換え費用130万円(車はもう一度買い換えがありそうですが、ここでは1台とします)。これらの合計が2930万円です。
 
これに対して、用意できているのは、学資保険と養老保険の満期金700万円と、現在の貯蓄265万円。合計約950万円です。つまり、これから2000万円を最低でも貯めなければなりません。
 
まず、この現状をしっかり認識してください。そして、現在、貸し越しになっている35万円は即刻返済してください。貸し越しの金利は、預貯金金利より高く、家計が常に赤字の状態というのは、健全ではありません。貸し越しに慣れてしまってはダメです。
 

アドバイス2 聖域なく家計を見直し、年間150万円の貯蓄が必要

では、2000万円を貯めるにはどうしたらいいでしょう。下の娘さんが大学を卒業するまでと考えれば、あと13年。単純計算で、年間150万円貯める覚悟が必要です。
 
現在、毎月7万円貯蓄とありますが、収支の差額からすると、実際は6万5000円程度。ボーナスからは6万円。年間84万円の貯蓄です。今の貯蓄ペースでは希望は叶いません。
 
まず、家計支出の中で、食費、通信費、雑費から2万5000円捻出してほしいと思います。ご主人が断固拒否とのことですが、これができなければ、お子さんの大学進学はあきらめるしかありません。それとも奨学金を借りてまで大学進学させるのがおくらさんにとって望む選択肢となるのでしょうか。お子さんにしっかり教育を受けさせたいなら、ご主人の協力を仰いで毎月の貯蓄を9万円に増やしてボーナスとあわせて年間114万円。13年で1482万円は準備したいところです。それでもまだ500万円ほど足りません。
 
ボーナスの使い道がいろいろありますが、保険料や固定資産税など絶対削減できないものを除き、そのほか調整できるものはありませんか? ボーナスから25万円増やし、31万円を貯蓄に回します。毎月9万円、ボーナスから31万円で年間139万円。13年で1807万円。ここまでやっても、あと200万円足りません。
 
残るは、生命保険の見直しです。ご主人の保険は、このままとし、おくらさんの保険のうち、定期保険は解約、夫婦のガン保険を解約。これで年間5万円ほど浮きます。それでもまだ足りません。
 
あとは、(1)おくらさんの個人年金を解約し、教育費にあてる、(2)食費、通信費、雑費をもう一段削減する、(3)子どもの進学先は県内で自宅から通えるところにする。ということになります。
 
以上のように、家計全体を見直し、貯蓄額を増やすことでしか、解決方法はありません。それを認識された上で、もう一度、ご主人と支出の見直しの相談をなさってください。
 

アドバイス3 夫56歳からが老後資金の貯めどき。60歳以降の働きも重要

下の娘さんが大学を卒業するとき、ご主人は56歳。この時点で、貯蓄をほぼ使い切っているとしたら、60歳までの4年でどれだけ貯められるかによって、老後の暮らし方が変わってきます。
 
これまでどおり、年間139万円貯蓄できれば、4年で556万円。これに二人の退職金400万円を加えると約950万円。この間、車の買い換えなどがあれば、実際の貯蓄額は少なくなります。住宅ローンの完済は69歳ですから、公的年金受給までの間も、二人ともできるだけ働き、資産を残すようにしてほしいと思います。すでに学資保険の支払いもなくなっていますから、年50万円程度は貯蓄に上乗せできるはずです。

60歳から65歳の間は収支トントンで過ごし、資産からの取り崩しを抑えるようにしてください。年金受給を70歳からと5年繰り下げをお考えでしょうか? 繰り下げればその分、年金の受給額が増えますので、考え方としてはいいと思います。現在の予定額であれば、70歳以降は住宅ローンも完済していますので、十分年金での生活が可能だと思います。
 
こうして試算してくると、やはり教育費にどれだけかけるかによって、ご夫婦の老後の暮らし方は大きく変わってくるでしょう。希望どおりにしたいのであれば、必死になって貯蓄しなければなりません。ただ、実際の進学はもう少し後になります。その間、投資は、しばらくお休みをし、しっかりと貯蓄しておいてください。お子さんとは進路相談、ご主人とは家計の相談をなさってください。お子さんの進路相談は先になりますが、ご主人との家計の相談、言い換えれば見直しは1日でも早く行うようにしてください。
 

相談者「おくら」さんから寄せられた感想

深野先生からのアドバイスを何回も読みました。ありがとうございます。カツカツ生活から抜け出したいと思いつつも、まだまだ甘く考えていたようです。自分だけではこれ以上どうしてよいか分からない状態でしたが、まだ改善の余地がある事を認識でき、気持ち的に前向きになれそうです。もちろん、主人とも話をし、協力をお願いしていきたいと思います。子どもたちのため、夫婦の老後のために今できることを少しずつですが進めていきたいです。本当にありがとうございました。
 

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など


取材・文/伊藤加奈子


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