31歳からの恋愛相談室:今回の回答者は龍堂薫子さん
「31歳からの恋愛相談室」今回の回答者は、龍堂薫子さんです
■龍堂薫子さんプロフィール
今回の回答者:龍堂薫子さん
広告代理店勤務を経て、ライターに。現在は新宿ゴールデン街のバーでもバイト中。奔放な性生活を赤裸々に綴ったブログが編集者の目にとまり、文字書きとしてデビュー。最近は「もはやブログやTwitterに書けない」ような、めくるめく(?)日々を送っている。今一番付き合いたい男は、東京ヤクルトスワローズのマスコットキャラクターであるつば九郎。
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/ryudo-kaoruko/
twitter:@ryudokaoruko
お悩み:1回浮気をした彼氏。また信じたいのに信じられず、苦しいです
お悩み:1回浮気をした彼氏。また信じたいのに信じられず、苦しいです
付き合って1年半のタイミングで、彼氏の浮気が発覚しました。彼のスマホにあやしいLINE通知が来ているのを見てしまい、追及したらクロでした。浮気の期間は約2週間、職場の別部署の後輩と、何回か関係を持ったようです。
彼氏に「別れたくない、絶対に二度としない」と言われ、私もまだ彼のことが好きだったので、次に浮気したら別れるという条件で付き合い続けることにしました。また彼のスマホはいつでも見てOKという約束もしました。
許すと決めた以上、あとはもう信じるしかないことはわかっています。でも浮気発覚から1カ月、ふと思い出して苦しくなる瞬間が何度もあり、早くも心が折れそうです。
「浮気相手とは、本当に切れたのだろうか」「まだ気持ちが残っているのではないか」「この先ずっと彼を信じられないまま付き合い続けていくのだろうか」など、考えれば考えるほど落ち込み、不安になってしまうのです。
できれば彼とは別れたくありません。この状態をどう乗り越えていったらいいのか、アドバイスいただけたら幸いです。
アドバイス1:本物のドクズは、無理な言い訳で切り抜けようとするもの
アドバイス1:本物のドクズは、無理な言い訳で切り抜けようとするもの
何がつらいって、裏切られたことそのものもそうなんですけど、もうどうやっても「彼のことを無邪気に信じていた世界」には二度と戻れないっていうことなんですよね……。
今までは快く送り出していた飲み会も、女性も来るのか、帰宅は何時かと考えてしまうし、LINEの返事がちょっとでも遅いと不安になるし、彼とのセックスの最中にふと、浮気相手ともこういうことをしたのかと思い浮かんで死にたくなりますよね。
かつて武田鉄矢氏が「信じられぬと嘆くよりも人を信じて泣くほうがいい」と歌いましたが、海援隊はさておき海綿体なんぞを信じられるわけがないですよね。信じていた七海さんを化かすなんて、彼は、とんだ緑のたぬきだったのですから(ということは、さしずめ浮気相手の女は赤いきつね……女狐でしょうか)。
とはいうものの、彼は他の女を抱いたその汚らわしい腕と性器を切り落とされても仕方のないドクズとまでは言い切れません。というのも、私の経験上、本当のクズ男はバレバレの無理な言い訳を重ねて、あくまでもやっていないと言い張るからです。
何度か関係を持ったと正直に謝罪する彼には、一抹の誠実さが残っているとも考えられます。
アドバイス2:「自分に落ち度があったかも」とはゆめゆめ思うなかれ
それから、七海さんは「自分に原因があったのか」「浮気相手の赤いきつねのほうが魅力的なのか」などと落ち込んでいるかもしれませんが、それは違うんじゃないかと私は推察します。こんなことを言って慰めになるかはわかりませんが、芸能界のゴシップを思い浮かべてみてください。人気アイドルや美人女優でさえも浮気をされるのです。どんなに「いい女」と付き合っていても、男性は新鮮な女性を前にすると脳がバグるのです(主語が大きくて、脳がバグらない男性の皆様にはご迷惑をおかけします)。
それに、気持ちの入ってないセックスは、多くの男性にとっては実はたいしたことではありません。単なる排泄、あるいは他人の身体を使った自慰行為に過ぎないのです。
アドバイス3:精神安定剤になるなら、より重いペナルティもあり
ここで、本題の「浮気を乗り越える」ための方法について、建設的に考えてみましょう。たとえば、彼の誠意を目に見える形であらわしてもらうのも、1つの手ではないでしょうか。七海さんの気が済むにはどうすればいいか、彼と一緒に模索するのです。既に「いつスマホを見てもOK」という約束はなさっているとのことですが、追加でペナルティを課しましょう。
- 監視アプリをインストールさせる
- 上と下の毛を全剃りする
- 赤いきつねと日常的に顔を合わせないよう転職させる
- マジックで大きく彼の名前を書いた白ブリーフを履かせる
- 自分で自分を百発殴らせる
- 貞操帯を付けさせる
アドバイス4:「疑わしさ」をゼロにすることはできない
ちなみに、いつスマホを見てもOKというのは、彼はかなりの反省をしたと言えるでしょう。そこは評価してあげたいです。と一瞬思いましたが、よく考えてみると、着信履歴やLINEのトーク履歴は削除することができますし、会社で赤いきつねに「彼女にチェックされているからスマホに連絡はしないで」と言っておけばいいだけ。
このように、疑おうと思えばどこまでも疑えてしまう。なんだかこちらが狭量な性格になったみたいで、ますます釈然としませんね。
裏切られて傷つけられて、そのうえ一方的に許さなければいけないなんて理不尽ですが、もとより恋とは理不尽なものです。惚れているほうの負けなんですよ。
七海さんもおっしゃっているとおり、一度許すと決意したのならば、腹をくくって忘れる努力をするしかありません。不安と戦うのです。
浮気相手のことは、彼の過去の恋人と同じように「終わった話」として、処理しましょう。もはや死者だと思って追悼するのもおすすめです。
なお、喧嘩のたびに蒸し返すのは一番してはいけないことです。そうすることで、彼の気持ちは離れていくでしょう。彼にとって、終わった話をこの先ずっと責められるというのはキツいのです。それでももし、七海さんが事ある毎に話を蒸し返して彼を責めることがあれば、それは復讐と呼ぶほかありません。
アドバイス5:悲しいけれど、いくら好きでもダメなこともある
どうしても無理だと思ったり、何かにつけて思い出して苦しかったりするなら、許さなくていいです。信じなくていいです。男の生理などという勝手な理屈を理解しなくてもいいです。別れましょう。いくら好きでもダメなことってあるんですよ。悲しいですけど。許したい気持ちと許せない気持ちが戦えば、その主戦場となった七海さんの心がズタズタになるのは当たり前です。荒れ果てた心では、以前とまったく同じ気持ちで彼のことを愛せるはずがありません。
彼はきつねに取り憑かれたたぬき野郎、そう思って切り捨てましょう。もののけなどお呼びではありません。「人」を愛すのです。
鉄矢も『人として』という歌の中で言っています。人として人に傷つき、それでも人しか愛せない、と。ちかっぱ応援ばしとるけんね!
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