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豪華客船クイーン・エリザベスとは?客室や食事を徹底紹介

格別の非日常感を味わえるクルーズの旅。なかでも豪華客船「クイーン・エリザベス」は世界のクルーズファンの憧れ。船の大きさは、全長294メートル、海上からの高さは56.6メートル、12階建て。気になる船内の様子を客室や食事を中心にご紹介します!

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

イギリスの豪華客船「クイーン・エリザベス」

クイーン・エリザベス

世界のクルーズファンにとって憧れの豪華客船、クイーン・エリザベス。紺と白を基調とした船体や煙突の赤が格式を感じさせる

近年クルーズ旅行が人気です。日本にも海外の客船が多く寄港するようになりましたが、イギリスの豪華客船「クイーン・エリザベス」は間違いなく日本人にとって最も有名な外国船のひとつといえるでしょう。現在3代目となるクイーン・エリザベスが2014年に横浜に初寄港したときには、その姿を一目見ようと約6万人が集まったほどです。

<目次>  

憧れの豪華客船クイーン・エリザベスの大きさは?どんな船?

クイーン・エリザベスは全長294メートル、海上からの高さは56.6メートル、12階建て、乗客定員は約2000人。ちょっとしたマンションより大きく、間近で見上げると思わず「大きいな~」と声が出てしまいます。
クイーン・エリザベスの時計

クイーン・エリザベス船内のロイヤル・アーケード。時計はロンドンのビッグ・ベンと同じDENTO社の特製

船内に一歩足を踏み入れるとあふれる非日常感にうっとり! アールデコを現代風にアレンジしたインテリアには木がふんだんに使われ、華美すぎず、それでいて気品あふれる落ち着いた雰囲気です。
 

船を運航するのは、あのタイタニックを助けたキュナード

キュナード・プレイス

クイーン・エリザベス船内にあるキュナード・プレイス。キュナードの歴史ゆかりの品や写真が見られる

「クイーン・エリザベス」を運航するのは、イギリスの客船会社キュナード。その歴史は1840年にはじまり、2020年に創業180周年を迎えます。世界各国の王族や映画スターなど、数々の著名人が愛した客船であり、日本の上皇陛下も1953年に乗船しました。ちなみに、映画で有名な「タイタニック」が1912年に沈没した際、生存者866名を救助したのは、キュナードが運航する「カルパチア」という船でした。

キュナードは、英国王室から女王陛下の名称を付ることを許された唯一の客船会社で、今回紹介する「クイーン・エリザベス」のほかに「クイーン・メリー2」と「クイーン・ヴィクトリア」の3隻を保有。2022年には4隻目の客船がデビューすることも決まっています。
グランド・ロビーの寄木細工

クイーン・エリザベスのグランド・ロビーにある寄木細工。エリザベス2世の甥、リンリー子爵の作

現代のクイーン・エリザベスは、2010年にデビューした3代目。3層吹き抜けのグランドロビーには初代クイーン・エリザベスをモデルにした寄木細工が飾られ、人気の記念撮影スポットになっています。
 

客室と食事は4段階のカテゴリー制(ランク制)

歴史的に階級社会であるイギリスの客船とあって、カテゴリー式の客室を採用しているのも特徴的。客室は4つのカテゴリー(上位クラスから「クイーンズ・グリル」「プリンセス・グリル」「ブリタニア・クラブ」「ブリタニア」)にわかれ、それぞれのカテゴリーに専用ダイニング(レストラン)があります。食事はクルーズ代金に込みで、朝・昼・晩の3食、コース料理やブッフェなどが食べられます(食事の選択肢は専用ダイニング以外にも!詳しくは後述)。
 

客室カテゴリー1:クイーンズ・グリル

クイーン・エリザベスの客室

クイーンズ・グリルの客室の一例

キュナードでは上位2カテゴリーの「クイーンズ・グリル」と「プリンセス・グリル」をあわせて、「グリル・クラス」と呼んでいます。最上級の「クイーンズ・グリル」のカテゴリーでは、客室に専属のバトラーが付き、船内での手続きや荷ほどき・荷造りを手伝ってくれるなど至れり尽くせり。ジェットバスタブ付きの大理石のバスルームもあります。
 
クイーンズ・グリル

クイーンズ・グリルの専用ダイニング

食事は1回制の専用のダイニング「クイーンズ・グリル」で。メニューにない料理も相談できます。
 

客室カテゴリー2:プリンセス・グリル

クイーンエリザベスの客室

プリンセス・グリルの客室の一例

「プリンセス・グリル」は、パーソナル・コンシェルジュ・サービス付き。こちらもバスタブがあります。
プリンセス・グリルの専用ダイニング

プリンセス・グリルの専用ダイニング

食事は1回制の専用ダイニング「プリンセス・グリル」でいただきます。
 

客室カテゴリー3:ブリタニア・クラブ

クイーン・エリザベスの客室

ブリタニア・クラブの客室の一例

続く「ブリタニア・クラブ」はすべてバルコニー付きの客室です。
ブリタニア・クラブの専用ダイニング

ブリタニア・クラブの専用ダイニング

食事は1回制の専用ダイニング「ブリタニア・クラブ」で。
 

客室カテゴリー4:ブリタニア

クイーン・エリザベスの客室(ブリタニア)

ブリタニアの客室の一例

最も室数が多いのが「ブリタニア」。部屋の仕様は、バルコニー付き、オーシャンビュー(バルコニーなし)、内側の客室の3タイプがあります。もっともリーズナブルな価格帯ですが、1日2回のハウスキーピング、毎晩のターンダウン・サービス(お休み前のベッドメイキングサービス/チョコレート付き)、ウェルカム・スパークリングワイン(ハーフボトル)や24時間の無料ルームサービスなどがあり、すこぶる快適です。
クイーンエリザベスのブリタニア・レストラン

2層吹き抜けの「ブリタニア・レストラン」

食事は専用ダイニング「ブリタニア・レストラン」にて。夕食のみ2回制。1回目は18:00~。2回目は20:30~です(※クルーズにより若干時間は異なります)。
 

まるで美食の街!船内にはレストランがいっぱい

クイーン・エリザベスの食事

ブリタニア・レストランの食事の一例

客室カテゴリーごとの専用ダイニング以外にも、船内にはレストランやカフェ、バーがいっぱい! 専用ダイニング以外はどのカテゴリーの乗客も利用できます。気分次第で使い分けると船旅の楽しさと美味しさがアップ! その一部をご紹介しましょう。

●リド・レストラン
クイーン・エリザベスのブッフェ

和食コーナーもある「リド・レストラン」

カジュアルに楽しむなら、ほぼ終日やっている無料のブッフェストラン「リド・レストラン」へ。9階にあるので眺望抜群。夜もドレスコードはカジュアルでよく、気軽に食事を楽しむのにぴったり。朝食には納豆やお味噌汁など和食が並ぶことも!

●リド・テーマ・レストラン
リド・テーマレストラン

リド・テーマレストラン。バンブー(アジア料理)の一例(有料19.5ドル、予約制)。左上が前菜、左下メイン、右デザートとかなりのボリューム!

ディナータイムにはリド・レストラン内の一部が有料のテーマ・レストランに変わります。アジア料理やイタリアンなどさまざまなテーマを展開。かなり凝った料理が楽しめるので気分を変えたいときにおすすめ!

●ゴールデン・ライオン
ゴールデン・ライオン

キュナードオリジナルビールが飲めるパブ。料理は無料。アルコール類は有料

イギリスの船らしいのが、パブ「ゴールデン・ライオン」。ランチタイムには、名物のフィッシュ・アンド・チップスなどパブ・ランチを無料で楽しめます。アルコールは有料ですが、相性抜群のキュナードオリジナルビールとぜひ。テレビではサッカーやラグビーなどの試合がやっていて、イギリスの試合ともなればみんな大盛り上がり! クイズやダーツゲームが開催されることもあります。

●ステーキハウス・アット・ザ・ベランダ
ステーキ

ボリューム満点のステーキは赤ワインなどと共に

特別な日に使いたいのが、「ステーキハウス・アット・ザ・ベランダ」(有料、ランチ25ドル、ディナー39ドル、予約制)。熟成肉のステーキやロブスターなどボリューム満点の料理に舌鼓を。

船の上の食事って、なんとなく大味で味もそれなり……みたいなイメージをもつ人もいるかもしれませんが、それをいい意味で裏切ってくれるのがクイーン・エリザベス。24時間利用できるルームサービスもあるので、体重増加は覚悟しておいたほうがよいかも!?
 

心地よいくつろぎを誘うカフェやバーも充実

クイーン・エリザベス。カフェ・カリンシア

カフェ・カリンシア。飲み物は有料ですが、ペストリーは一部無料!

カフェやバーでのんびり時間を過ごすのも一興。入ってすぐの場所にあるカフェ「カフェ・カリンシア」では、紅茶やコーヒー、ペストリーなどが楽しめます。
 
コモドアー・クラブ

「コモドアー・クラブ」では、歴代のコモドアー(提督)をイメージしたシグネチャー・カクテルを提供

お酒を楽しむなら、船内で蒸留したジンがのめる「ミッドシップス・バー」やデッキ10の前方にある眺望抜群のラウンジ「コモドアー・クラブ」がおすすめ。コモドアー(提督)とは、キャプテン(船長)の中から選ばれる最高位の称号のこと。歴代のコモドアーをイメージしたシグネチャーカクテルを楽しめます。
 

タイタニックから承継した「ホワイトスター・サービス」

ホワイトスター・サービス

胸元に光る赤いバッジは「WHITE STAR SERVICE(ホワイトスター・サービス)」のもの

エレガントな雰囲気の中、誰もが気後れせずに心地よく過ごせるのはスタッフたちの温かなもてなしのおかげ。親しみやすく高品質なサービスは「ホワイトスター・サービス」​と呼ばれるもので、​​​​クルーは全員「ホワイトスター・アカデミー」で学び、高いサービススキルを習得しています。クルーの胸元には「WHITE STAAR SERVICE(ホワイトスター・サービス)」と書かれたロゴバッジが光っているのを見ることができるでしょう。

ちなみにホワイトスター・サービスは、あの「タイタニック」を所有していた「ホワイトスター・ライン」の名前を継承。ホワイトスター・ラインとキュナードとは1929年に合併しています。

かつては移動の手段として当たり前だった船旅も、現代では一味ちがう旅のスタイル。自然に気持ちが高揚するその非日常感、そして豪華な設備や食事に見合う一流のサービスもクイーン・エリザベスの魅力なのです。

そんなクイーン・エリザベスの船内では、一体どんなふうに過ごせるのか。さらに詳しい乗船記はこちらの記事でレポートしています。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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