マンションの住宅ローンは現在1380万円残っています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、現在、看護師として働いているものの、体力的に厳しくなったときのために住宅ローンの完済後の保険や貯蓄の仕方などを相談したいという男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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看護師をしており定年後も働いていく考えでおりますが、いつまで体力が続くがわかりません

看護師をしており定年後も働いていく考えでおりますが、いつまで体力が続くかわかりません



■相談者
Mさん(仮名)
男性/会社員/49歳
中部/持ち家(マンション・集合住宅)
 
■家族構成
一人暮らし
 
■相談内容(原文まま)  
定年後の年金生活について心配があります。現在、看護師として働いております。小さな老健ですから昇給は年2000円くらいです。マンションの住宅ローンは現在1380万円残っており、現在貯蓄1270万円です。順調にいけば7か月後、来年の半ばごろに一括返済するつもりです。それから、毎月の住宅ローン5万3000円をそのまま貯蓄にまわし、現在毎月貯蓄8万円ですから、プラス5万円で毎月13万円を貯蓄すると、年間で156万円貯金ができます。
 
また、年間ボーナス83万円を全額貯蓄すると年間239万円貯蓄になります。定年60歳まで単純計算すると貯蓄は2390万円になる計算です。ねんきんネットで調べると、65歳での年金受給額が月額9万8492円で、70歳に繰り下げると13万9858円です。定年後の年金生活が心配でご相談したいです。ローンがなくなると月額生活費が9万円。それに固定資産税は年間12万円。マンション管理費は現在月額2万円くらいですが、現在築10年なので、これから大規模修繕などあり、月額も上がるでしょう。保険も住宅ローンの中にある医療保険だけにしていますので、住宅ローンを完済したら新たに入る予定です。現在、看護師をしており定年後も働いていく考えでおりますが、いつまで体力が続くかわかりません。私の将来設計で大丈夫でしょうか? 心配です。一人暮らしですので、家族のある方よりは支出は少ないですが、住宅ローンの完済後の保険や貯蓄のやり方など、ご相談したいです。よろしくご指導お願いいたします。
 
■家計収支データ
相談者「M」さんの家計収支データ

相談者「M」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)住宅費について
・購入時の物件の状況:築10年
・借入時期:2009年
・物件価格:1700万円 
・ローン残高:1380万円
・借入期間:35年
・金利のタイプ:フラット35  2.74% ※
・毎月の返済額:5万3000円
・ボーナスの返済額:0万円
・固定資産税:12万円
・管理費:2万円
 
※2016年12月に借り換える。その時の融資額1510万円 融資利率1.30% 2026年までの10年間は固定。以降は変動。現在、住宅ローン1380万円残っており、貯蓄1270万円。順調にいけば来年の2020年5月ごろに一括返済するつもり。
 
(2)ボーナスの主な使い道について
全額貯金
 
(3)お勤め先について
退職金制度はありますが、定年まで勤めても15年弱なので、多くは見込めないと。目安もわかりません。地方の職場ですので、100万円いただければ御の字かと。また、雇用延長制度ありますが本人給50%カット、ボーナスも寸志程度と聞いております。
 
(4)年金について
個人年金なし、確定拠出型年金は以前サラリーマン時代に30万円ありますが、目減りして25万円くらいに。あまり詳しくなくて、ほったらかしになっております。
 
(5)家族について
すぐ近くに80代前半の父と70代前半の母が住んでおります。持ち家一戸建て築50年です。実家は長男である私が相続する予定ですが、実家に住む予定はないです。また、すぐ近くに独身の弟がいます。マンション持ち家で60歳までにローン完済予定です。私も弟も独身ですのでお互い年をとれば、どちらかのマンションに一緒に住もうと提案しているが、弟はあまり乗り気ではないです。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 当座の生活費を残すために、住宅ローンの一括返済は来年末に
アドバイス2 年金は3年の繰り下げでOK。貯蓄の取り崩しをしなくてすむ
アドバイス3 雇用延長で仕事のモチベーションが保てるか?60歳以降はバイトでもOK
 

アドバイス1 当座の生活費を残すために、住宅ローンの一括返済は来年末に

ご自分でしっかりと計算されていて、素晴らしいです。住宅ローンも低金利の住宅ローンに借り換えを済まされていて、しっかりなさっています。ただ、住宅ローンの一括返済については、7カ月後の2020年5月ではなく、来年末まで待ってください。
 
仮に来年5月に一括返済するとして、それまでに貯められるお金は96万円(毎月8万円×7カ月+ボーナス1回分40万円)です。今ある貯蓄1270万円と合わせると1366万円になります。現在のローン残高1380万円から7カ月後はもう少し減っているとは思いますが、一括返済してしまうと、貯蓄の残りはゼロになってしまいます。
 
その後も順調に貯蓄していけば、問題ないように思えますが、やはり、当座の資金として100万円程度は残しておいた方が無難です。何かあれば、失業保険や傷病手当金といった制度もありますが、現金が必要になる出来事があった場合に対応できません。生活費の7~8カ月分ぐらいは確保しておくと安心です。
 
そのためには、来年5月ではなく、少なくとも来年末まで遅らせるべきでしょう。来年末には、187万円(毎月8万円×13カ月+ボーナス83万円)貯められますので、住宅ローンを一括返済しても100万円程度は残せる計算になります。ローンの残高を確認して、100万円残せる時期に一括返済するようにしてください。
 
また、住宅ローン完済後の医療保障は、共済への加入で大丈夫でしょう。1年更新ですから、貯蓄が十分になったら、更新せず医療費は貯蓄でまかなうようにしてもいいと思います。
 

アドバイス2 年金は3年の繰り下げでOK。貯蓄の取り崩しをしなくてすむ

その後は、Mさんの計算どおり、年間239万円貯蓄ができ、10年で2390万円の金融資産を作ることができますね。60歳時点でこれだけの金融資産があれば、Mさんの生活スタイル、支出の状況から考えれば、何も問題ないと思われます。
 
ただ、年金額に不安があるということですので、繰り下げて年金受給額を増やすというのは、よい選択だと思います。ただ、70歳まで繰り下げる必要はなく、68歳で十分です。月額12万3300円になりますので、これなら収支上、赤字になることはないでしょう。年金で生活費をまかなうことができれば、貯蓄は別の目的のために使うことができます。
 
68歳までの間、年間100万円程度の収入が得られれば、旅行などに30万~40万円使っても、68歳時点で2200万円ぐらいは残っているはずです。基本的に経済的に困ることはありませんから、もっと楽しみのために使ってもいいのではないでしょうか?
 
また、確定拠出年金がそのままになっているのが、気になるようでしたら、個人型確定拠出年金に移行し、毎月の貯蓄から少しだけ掛金を積み立ててもいいかもしれません。今までどおり、預貯金だけでもOKなので、個人型確定拠出年金については、やってみようと思えなければ、そのままでも大丈夫です。
 

アドバイス3 雇用延長で仕事のモチベーションが保てるか?60歳以降はバイトでもOK

60歳までに、老後資金として十分な資金を準備することができますから、60歳以降の働き方としては柔軟に考えてもいいと思います。それまでの働き方と同じなのに、収入が減ってしまうことでモチベーションが維持できないようでしたら、雇用延長ではなく、別のパート、アルバイトでもいいと思います。ただ、Mさんは看護職ですから、今後10年で職場環境の変化があるかもしれません。そのときに、どうするか選択して大丈夫です。
 
最後に、弟さんとの同居ですが、今は、お互い健康で暮らしているのであれば、結論を急ぐこともないでしょう。それぞれがマンションを資産として所有できているわけですから、高齢になったときに、その資産をどう活用するかだけ、弟さんと話し合われておくといいかもしれません。
 
とりあえず、住宅ローン完済の時期だけ間違わなければ、定年退職後の生活は安心ですので、このままの貯蓄ペースを維持していってください。
 

相談者「M」さんかに寄せられた感想

アドバイス1について住宅ローンの一括返済は、生活費の7~8カ月分を確保100万円程残したほうがよいとのこと。私も完済したいと焦りタイトな計画を立てていました。ご指導通りに来年末にして余裕を持って完済したいと思います。医療保険も共済への加入で貯蓄十分になったらそれでまかなうようにします。アドバイス2について年金受給時期は3年繰り下げで貯蓄の取り崩しをしなくてすむとアドバイスを頂き、少し気持ちが軽くなりました。アドバイス3と重なりますが60歳以降は柔軟な考え方でバイトでもOKということなので、心に余裕ができました。年間100万円の収入の看護師のバイトであれば、年齢的にも精神的体力的にも負荷のかからないところを探すこともできそうです。弟の同居の件も結論を急がず、高齢になった先の話し合いをしていきたいと思います。この度、老後2000万円問題もあり、私は転職を繰り返しており心配になり相談させて頂きました。今の生活水準をキープして、備えていきたいと思います。先生のアドバイスは大変参考になりそして安心することができました。本当にありがとうございました。

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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