日常生活に潜む自制心を崩壊させる甘いワナ
「貧乏になりたくないなら、徹底的に自制心を守るべし!」というのが、今の心理学の常識です。特に大事なのが最初の一歩。一度自制心が崩壊すると、次から次へと誘惑に負けてしまいます。だから、「最初の一歩で踏みとどまる」ことが何より大事です。とはいえ、自制心を崩壊させるワナはたくさんあります。例えば、ファストフードを食べ過ぎると貧乏になるかもしれないぞ!という研究(1)があります。ファストフードが美味しすぎるせいで、脳が暴走し、自制心が崩壊してしまうのが原因だと考えられています。
僕らは多忙ですから、時間をかけずに美味しく食べられるファストフードは魅力的です。ついつい手を出してしまうので、気をつける必要があるでしょう。
多忙な人ほど、貧乏になりやすい!?
また、2013年に書かれた論文(2)では、「多忙そのものが貧乏につながるかも!」という、恐ろしいデータが得られました。これはアメリカのユタ大学で行われた研究です。この研究で分かったことは、同時にいろんなことをする癖のある人(いわゆるマルチタスク癖のある人)ほど、衝動買いの誘惑に負けやすく、常に刺激を求めるようになってしまう傾向が見られたのだとか。
多忙な人は、同時にいろんな仕事を抱えるイメージがありますが、これをやってしまうと自制心が崩壊し、みるみる貧乏体質になっていくということでしょうな。なんと恐ろしい……。
多忙な人は要注意! 気づかないうちに貧乏体質に近づいているかも!?
特に注意が必要なのは、どんな人たち?
多忙なサラリーマンと子育て中のママたちは、マルチタスクの温床です。早く仕事を終わらせようと次々に手を出してしまうと、脳がパニックになり、自制心が崩壊しやすくなります。子育て中のママは、子どもの世話をすると同時に家事もしなければならず、マルチタスクをこなす人の最たる例といえます。自制心を守るためにも、家族の協力を得るなどして、適度にマルチタスクを中断し、頭を休ませる時間を設けた方がよいでしょう。
かくいう僕自身、多忙に追われてマルチタスクをこなし、大きなストレスを抱えていたことがあります。こういう時って、気づくとアマゾンで衝動買いをするなどして、後になって「こんなに使ってたの!?」と驚くんですよね。
「いつも頭がモヤモヤする」と感じる方は、要注意。もしかすると、マルチタスクが原因で貧乏体質に近づいているかもしれません。
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【参考文献】
- 論文:Sanford E. DeVoe, Julian House, and Chen-Bo Zhong, 2013, "Fast Food and Financial Impatience: A Socioecological Approach", Journal of Personality and Social Psychology, 105(3), pp. 476-494
- 論文:David M. Sanbonmatsu, David L. Strayer, Nathan Medeiros-Ward, and Jason M. Watson, 2013, "Who Multi-Tasks and Why? Multi-Tasking Ability, Perceived Multi-Tasking Ability, Impulsivity, and Sensation Seeking", PLOS ONE, 8(1), e54402