耳に水が入ってしまったときの症状・水はどれくらいで出てくるか
耳に水が入ってしまっても、数時間で乾きます。「耳に水が入った感じ」がずっと続く場合は注意が必要です
シャワーやプール・海水浴などで、耳の外耳道に水が入ってしまうことがあります。そもそも、約3cmある外耳道はまっすぐではありません。途中で曲がっていて、本来であれば水が入りにくい構造になっています。もし水が入ってしまったとしても、水であればすぐに乾きます。一瞬膜が張ったようになり、閉塞感が出るだけなのです。実際に耳に水が入っただけなら、長くて数時間なので、放置していれば自然に治ります。
反対に、水が入った感じが翌日もあったり、一週間水が抜けなかったりする場合、水が原因ではありません。すぐ耳鼻科を受診しましょう。そのとき「ガサガサいう」「声や音が響く」「聞こえにくくなる」以外の自覚症状があればぜひ伝えるようにしてください。耳がつまった感じ、閉塞感、膜が張った感じ、膜がかかった感じ、などです。診断の助けになります。
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耳に水が入った感じが続くとき、考えられる原因
「耳に水が入って取れない」と耳鼻科を受診される患者さんは少なくありません。しかし冒頭でご説明した通り、本当に耳に水が入っただけであれば、数時間で解決しているはずです。実際に耳鼻科に来られた患者さんを診察してみると、耳に水が入っているケースはほぼありません。長時間、耳に水が入った感じが続く場合、よくある原因として次の3つが挙げられます。- 耳垢……単純に耳垢が充満している
- 耳管機能の異常……耳管狭窄症、耳管開放症などの耳と鼻をつなぐ耳管機能の異常がある
- 低音障害型難聴……低音部の聴力の低下が起こっている
耳垢が原因の場合、その場ですぐに除去します。耳管機能の異常がある場合は点鼻や薬物療法、鼻から通気管で空気を入れる通気療法などを行います。低音障害型難聴は主に薬物療法で治療します。
耳に入った水を放置した場合のリスク
基本的に、水そのものであれば問題ありません。数時間の我慢ですので、放置して大丈夫です。しかし水ではなく耳だれであれば乾きませんから、2~3日違和感が続く場合は耳鼻科を受診してください。また、もともと外耳炎があったり耳垢が充満していたり、中耳炎があったりする場合、自覚症状が長引きます。その場合はそれぞれの疾患の治療となります。