中でも恐ろしいのがメッセンジャーアプリ。メッセンジャーアプリは、ストレスのもとになっている可能性があるので注意が必要です。
頻繁なメールチェックがストレスに
『「幸せをお金で買う」5つの授業』で有名な心理学者、エリザベス・ダンによる面白い研究(2)を見つけました。この研究は、124名の成人を対象に行われました。彼らは期間を分け、別々の指示を受けました。1つ目の実験で被験者は、「Eメールのチェック回数を1日に3回にしよう」と指示されました。その後、2つ目の実験では、「Eメールを無制限にチェックしてよい」と指示されました。
すると、「Eメールをチェックする回数を減らすだけで、ストレスが軽減されたぞ!」という結果が得られました。
メールチェックでストレスが生まれる要因は、「Eメールのチェックのせいで注意散漫になり、しなきゃいけないことができなくなる」点だと考えられています。理屈上はEメールに限らず、LINEやFacebookメッセンジャーなど、あらゆるメッセンジャーアプリでも同じことがいえるでしょう。
あなたは1日に何回、メールをチェックしている?
メールの使い過ぎは貧乏のもと?
話をまとめると、「メールを頻繁に使う」→「ストレスが溜まる」→「自制心が崩壊する」→「無駄遣いが増える」→「貧乏になる」という話。やや遠回りではありますが、個人的にも覚えがあるので、侮れない仮説だと思います。かくいう僕自身、仕事上Eメールのやりとりが不可欠。一時期はノイローゼのように、3分刻みにメールチェックをしていた時期もあります。言うまでもなく、この頃のストレスは凄まじく、ピリピリした生活を送っておりました。
そんな中、「メールチェックがストレスにつながる」という話を知ったのは去年のこと。それから普段はスマホを持ち歩かなくなり、メールチェックの回数も減らすようにしました。はじめのうちは気になって仕方がありませんでしたが、慣れてくると驚くほどリラックスできます。
完全禁止にする必要はナシ
ちなみに、こんな話をすると「Eメールをチェックしないなんて無理!」と感じるかもしれません。確かに仕事などの都合で、どうしてもチェックする必要がある方もいるでしょう。とはいえ、この話の要点はあくまでEメールの「使い過ぎ」が危険だというところ。完全に断つのは難しくとも、チェック回数を必要最低限に抑えることはできるはずです。
ちなみに僕は、メールチェックは「朝一番」「昼休み」「夜寝る前」の3回に抑えるように心がけています。たまに魔が差してメールを見たくなりますが、できるだけ我慢するようにしています。なんだったら、スマホからメールアプリを消してしまうくらいでもよいかもしれませんね。
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【参考文献】
- 論文:Marta Malesza, 2019, "Stress and delay discounting: The mediating role of difficulties in emotion regulation", Personality and Individual Differences, 144, pp. 56-60
- 論文:Kostadin Kushlev and Elizabeth W. Dunn, 2015, "Checking email less frequently reduces stress", Computers in Human Behavior, 43, pp. 220-228