加えて、ネットでちょっとした調味料の広告が目にとまるたびに、思わずクリックしてしまうことも。また、知人からの口コミで便利そうな調味料を知ることもあります。今回イチオシするのは、銀座・三河屋の「煎酒」。なんと江戸の人々が使っていたという歴史がある調味料なのです。
日本最古の料理書にも掲載されている調味料
煎酒の歴史は古く、その作り方は1643年に発行された日本最古の料理書といわれる「料理物語」に下記のように書かれています。「『煎酒』は、鰹(削節)一升に梅十五(か)二十入れ、古酒二升、水ちと、たまり入れ、一升に煎じ漉し、冷やしてよし。」
簡単にいえば、日本酒に梅干しとかつお節を入れて煮詰めたものが煎酒ということです。銀座・三河屋の「煎酒」は、江戸料理の第一人者である福田浩氏の協力のもとで、老舗の醤油醸造会社キノエネ醤油が研究し復刻したもの。
紀州南高梅の梅酢を使っていて、塩分は醤油よりも少なく抑えられています。一口飲んでみると梅の風味がして、一般的な麺つゆとの違いを感じます。
麺・豆腐・揚げ物……何にでも合う万能調味料
「煎酒」は梅の風味があるので好みが分かれるかなと思っていたのですが、意外とどんな料理・食材にも合い、家族もおいしくいただいています。実は娘は梅があまり好きではなくて普段はまったく食べないのですが、「煎酒」をつけ汁にした蕎麦はびっくりするほどよく食べていました。娘いわく、「梅の香りはするけれど”梅梅”してない」ようなのです。ほかにも冷や奴にかけたり、天ぷらのつゆにしてみたりしますが、おいしく食べているようです。もともと梅好きの私としては、何にでもかけてしまうくらいですが、パスタやハンバーグといった洋食にも合います。本当に万能なので、「困ったらコレ!」という具合に、これ1本あればかなり使い回しができてしまいます。
定番調味料を見つけることは断捨離と同じ
冒頭にあるように、私は調味料にとても興味があります。そのため一度は買って使ってみるのですがその後リピートするかどうかは別の話。ほとんどの場合リピートはしません。というのも、買ってみたものの、実はあまり出番がなかったというものがけっこうあるからです。結局、最終的に残るのは定番の調味料になるのですが、これって断捨離と同じだなと思っています。使い回しがしやすい定番の物だけを残しておけばいいという考えは、衣類や雑貨だけではありません。賞味期限があり、味の好みがある調味料も同じです。
私にとっては、銀座・三河屋の「煎酒」が断捨離に負けず残った定番調味料のひとつというわけです。
DATA
銀座・三河屋┃煎酒
内容量:600ml