クラシック

モーツァルトの素顔と謎の死を描く映画『アマデウス』

上品で高級感もあり、ちょっと敬遠してしまう方もいるであろうクラシック音楽を、身近に感じることができる映画『アマデウス』。クラシック音楽ガイドの大塚さんが紹介してくれました。偉大な音楽家の人間味を感じられる作品なんだそうです。

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

 
アマデウス

          出演は、F・マーリー・エイブラハム 、トム・ハルスほか


クラシックというととっつきにくい、お堅い印象を持っている人が多いのではないでしょうか。クラシック音楽ガイドなんてやっている私も以前はそうでした。

今回おすすめするのは映画「アマデウス」。かの有名な、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの半生を描いた映画です。天才だって、恋愛もすればドジも苦悩もする一人の人間なんだということがわかり、音楽が身近に感じられますよ。
   

天才? 変態? 人間味あふれるモーツァルトを描いたアカデミー賞受賞映画

神童と言われ、「トルコ行進曲」など誰もが一度は聴いたことのある、高貴で快活な曲を多数生み出したモーツァルト。本人もエレガントで神々しい人物なのかと思えばそういうわけでもなく、おまけにどうもその死が不可解だった、というのがこの映画のあらすじ。

史実を交えてミステリータッチで描いた本作は、1984年の上映当時、大きな話題となり、アカデミー賞8部門の受賞に輝きました。
 

映画「アマデウス」の見どころ

人間味あふれるモーツァルトが名作を生み出す過程、知られざる真実などがライバル目線で語られていきます。物語もさることながら、音楽と映画の絡みが秀逸。作中流れる曲の演奏・監修は、イギリスの指揮者サー・ネヴィル・マリナーによるもの。

実に端正な演奏で、モーツァルトの魅力を十分に伝えています。特にオープニングの交響曲第25番第1楽章の疾走感や、音楽と映像が同時に切り替わる演出に、当時小学生だった私は一気に引き込まれました。クラシックは真面目で退屈な音楽という印象を持っていた私が、クラシック好きへと変わるきっかけになったのです。
 

最後の瞬間まで音楽が心を震わせる

物語のハイライトは、モーツァルトの謎の死と、遺作となった「レクイエム」制作の経緯。現在では史実ではないと分かっている部分もありますが、彼の心境や音楽に対する情熱を早大な曲とともに描いており、クライマックスは心が震えます。

先日この映画を薦めた友人から、小学4年の子どもがこの映画をきっかけにオペラを観に行きたがっていると聞きました。大人だけでなく子どもにもイチオシの作品なので、ぜひ親子で気楽に観ていただきたいです。
 
DATA
ワーナー・ホーム・ビデオ|アマデウス

監督:ミロス・フォアマン
出演:F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ、サイモン・キャロウほか
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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