ペットボトル飲料の中で菌が増殖することも……

ペットボトル飲料の危険性

「茶系飲料なら腐りにくい」は誤解? ペットボトル飲料の危険性


食品衛生法に基づいて製造されているペットボトル飲料。菌数チェックなども含めた品質管理が徹底されているため、好きな時に買って安心して飲むことができます。

しかし開栓後は注意が必要。詳しくは「口飲みでカビ増殖も…ペットボトル飲料を飲むときの3カ条」でもご紹介しましたが、キャップを開けた瞬間から酸化して劣化が始まる他、ホコリや虫、カビなどの微生物が混入する恐れもあります。また、ペットボトルから直接口飲みをすると口内の食べかすや菌がペットボトル内に逆流してしまい、30~40度の菌に適した環境に長時間置かれると、菌が増殖して食中毒につながる恐れもあるため注意が必要です。
 

茶系飲料でも菌増殖! 炭酸水や栄養のないボトルドウォーターは比較的安全

厚生労働科学研究『清涼飲料水の汚染原因物質の研究』(H22年度)の報告書では、8種類のぺットボトル入り清涼飲料水を用いた実験が報告されています。この実験では、細菌と酵母をそれぞれの飲料に入れ、25℃と35℃で培養した場合の菌の増殖度合いや、増殖した菌の種類などが分析されています。この実験の結果、飲料の内容やpH、栄養などによって、菌の増殖が影響されることがわかりました。

結果の一例を挙げると、果汁・スポーツドリンクでは酵母が増殖し、地下水を原水としたミネラルウォーターでは細菌の発生が見られました。内容の特性によって差がありますが、全体的に茶系飲料、野菜や果汁ジュース、スポーツドリンク、ミルク入り飲料などで、活発に増える菌があったと報告されています。

一方、炭酸飲料は炭酸の静菌作用で、また蒸留水や水道水など飲用可能な水を原水としたボトルドウォーターも、栄養がほとんどないので腐敗などの食中毒リスクが低いと報告されています。
 

菌が増殖した飲み物で嘔吐下痢症状も

現時点では、ペットボトル飲料が原因とみられる重大な食中毒事故の報告はありません。しかし、食中毒の原因菌がペットボトル内に混入して数日かけて増えてしまった場合など、それに気づかずに飲んでしまうと、嘔吐下痢などの症状が出ることも考えられます。特に高齢者や子どもなど抵抗力が弱い人は注意した方がよいでしょう。劣化が始まるにつれて、風味も変化していきますが、いつもと少しでも違うと感じたら、廃棄することも健康のためには大切です。

また、果汁や野菜飲料などはもともと濁っている飲料は、劣化や腐敗による色の変化がわかりにくい点もご注意ください。また地下水を原水としたミネラルウォーターも、細菌が発生しても見た目で分かりにくい点が挙げられていました。
 

ペットボトル飲料を持ち歩く時のポイント

暑い季節は熱中症予防のためにも、こまめな水分補給が大切です。ペットボトルを戸外で持ち歩く機会も増えると思いますが、気温の高い戸外ではさらにリスクが高まります。外で1日過ごすような場合は、大容量のペットボトルではなく、少し不経済ですが小さめのペットボトルを何本か用意することをおすすめします。できれば口飲みせずにコップなどを用意して、注いで飲むとより安心です。

■参考
  • 清涼飲料水中の汚染物質に関する研究(厚生労働科学研究データベース)
  • 清涼飲料水ハンドブック(全国清涼飲料連合会)
  • 清涼飲料水における開封後の微生物汚染とその挙動(食品分析開発センター)
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