アドバイス1 ここからが貯めどき。児童手当とボーナスの半分は確実に貯蓄
さまざまなことが重なり、大変でしたね。ここからが、お金の貯めどきです。まず、児童手当は全額貯蓄。加えて、ボーナスの半分は貯蓄に回すようにしてください。たぬきさんも自覚されていることですが、児童手当は子どもの教育費として、きちんと貯めておくことが大事。ボーナスについては、住宅ローンの返済比重が高く、厳しいこともあるかもしれませんが、半分の60万円は必ず貯蓄すると決めましょう。
これで、年間78万円。途中で児童手当はなくなりますが、お子さんが大学進学までの17年間で約1300万円貯めることができる計算ですから、お子さんの教育費、大学進学については、問題ありません。今の段階では、お子さんの教育費の目途を立てることが優先です。
アドバイス2 これ以上、ローンを組むのはNG。借りられる額ではなく、返せる額
今後の大きな出費としては車の買い換えですが、故障がちの1台は仕方ないとして、2台めは、もう少し先延ばしすることを検討してください。現在、住宅ローンの返済が年間で134万円。それに来年からは太陽光発電のローンが増額になり、年間で26万円。合わせて約160万円のローン返済を抱えています。年収(児童手当を除く)が468万円ですから、年収の34%がローン返済に回されていることになり、かなり負担となります。その上、自動車のローンも加わるとなると、家計に占めるローンの割合が高くなりすぎて、ボーナスから毎月の赤字の補てんをするような家計になりかねません。
ご主人の勤務先の信用力が高いからだと思いますが、おそらく、自動車ローンの審査もおりるでしょう。でも、ローンは借りられる額ではなく、返せる額で考えなければいけません。今の状態でも、やや厳しいといえるのに、これ以上のローンはNGです。頭金を貯めて、できるだけ現金、または少額のローンで済むようにしてください。
アドバイス3 たぬきさんが働き始めれば、家計は改善。保険の見直しは今すぐに
お子さんが幼稚園に入られたら、復職されるということですから、ぜひ、そこから貯蓄のスピードも早めましょう。ただ、あと2年ありますから、それまでにできる家計の見直しにも着手してほしいと思います。具体的には、保険と通信費です。
保険については、ご主人が会社で入られている保険の内容を確認してください。その内容次第では、現在加入中の生命保険は解約できるかもしれません。少なくとも、現在の保障額5000万円は多すぎです。住宅ローンに付帯している団体信用生命保険にも加入しているはずですから、保障額を2000万円に減額しても、問題ありません。
お子さんが加入している共済も気になります。お子さんの保険は不要です。通院しているということですが、多くの自治体では幼児の医療費は無料、または助成金があります。ご病気が重篤であれば、申し訳ないことですが、家計から出せないほどの医療費がかかっているのでしょうか? その点は、自治体などで確認してください。
通信費については、ご夫婦ふたりで2万2000円は高いように思われます。光ケーブル回線の料金は別枠で計上されているので、この通信費はスマホ2台ということでしょうか。家族割をはじめ、通信費を抑えるプランは検討されていますか? 毎月の家計自体は、それほど問題があるわけではありません。あともう一歩、見直しができるとしたら、通信費なので、ご夫婦で相談なさってください。
お二人目をご希望とのことで、授かられることをお祈りしますが、今しばらくは、ご主人の健康を維持すること、生活と貯蓄のペースをつかむこと。この2つを目標に頑張ってください。
相談者「たぬき」さんから寄せられた感想
ずっとお金の相談をしたかったのですが、やっとできました。いろいろ不安で保険も入っていましたが、必要ないかもしれないですね。まずはやれることから頑張っていきたいです。ありがとうございました。★「お金の悩みを解決!!マネープランクリニック」の過去記事はコチラへ
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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
取材・文/伊藤加奈子
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