映画

スパイダーマンシリーズ最新作は意外にも「ヨーロッパ旅行映画」だった?

スパイダーマンといえば、世界中で人気のアクション映画シリーズです。一方で、イタリアガイドの河村英和からのイチオシ情報によると、最新作は「ヨーロッパ旅行映画」としても楽しめるとのこと。特にイタリアに興味がある方には、イチオシの映画のようです。

河村 英和

執筆者:河村 英和

イタリアガイド

venezia gondola

ヴェネツィアのゴンドラとその左背景には映画に登場するサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会
 

2019年6月28日、日本で本国アメリカよりも早く先行公開された映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ですが、これはヨーロッパ旅行映画でもあります。イタリアでの公開初日は7月10日。ヴェネツィア市長ルイージ・ブルニャーロが5日に先行試写会に来たことをツイートしていましたが、実は日本にいればそれよりも1週間も早くから楽しめていたのです。

日本ではDVDのレンタルも開始されたようですが、「疑似イタリア観光にスパイダーマン?」とあなどることなかれ。夏休みにイタリアに行けなかったあなたも、次の休みにイタリアに行きたいと思っているあなたも、本作を観れば、イタリアをちょっと違った見方で楽しめるかもしれませんよ。
   

映画で最初に訪れる町は水の都・ヴェネツィア

普段は高校生として暮らすスパイダーマン。今作は修学旅行中に巻き込まれてしまった戦いの様子が描かれています。最初の目的地は超定番の観光立国イタリアのヴェネツィアです。

水の都・ヴェネツィアは数々の国内外の映画の舞台になっています。市当局にはフィルム・コミッション(撮影ロケ地を支援する部門)があり、本作のエンドクレジットにもしっかりその名が刻まれていました。今回、ヴェネツィア市の意気込みは熱く、7月3日の夜、サン・マルコ広場にある総督宮殿や鐘楼には、スパイダーマンが張り付いている映像を投影した斬新なプロジェクションマッピングが行われ、なかなかの盛り上がりようでした。
 
venezia tim spiderman

イタリアの携帯電話会社TIMも本作とコラボした広告を展開
 

 

次々と登場するヴェネツィアの名所

一行は飛行機で到着するので、まずヴェネツィアのマルコ・ポーロ国際空港が登場します。そして大運河・カナル・グランデ、リアルト橋、かつて税関があったプンタ・デッラ・ドガーナ、パッラーディオ設計のサンタ・マリーア・デッラ・サルーテ教会、サン・マルコ広場、旧造船所・アルセナーレなど、ヴェネツィアの名所が続々と登場。

また、一行が宿泊するオンボロな架空のホテル「DeMatteis」は、「Fondamenta di Sant’Anna」という通りにある実在の建物がロケ用に使用されました。

映像に出てこないものの、セルフのなかではレオナルド・ダ・ヴィンチ博物館も登場します。ヴェネツィアのシンボルであるサン・マルコの鐘楼は戦闘中の映像に出てくるもののスパイダーマンはそこには近寄らず、別の教会の鐘楼に登りぶち倒してました。もちろん実際には歴史的建造物は何も壊していませんよ。

 
Venezia vista dal mare Piazza San Marco

海からみたヴェネツィアの中心部(左からサン・マルコの鐘楼、総督宮殿、嘆きの橋、旧牢獄、ホテル・ダニエリの新館)

 

ヨーロッパの美しい名所が目白押し

一行は旅行代理店へのクレームによってホテルをグレードアップしてもらい、翌日は急遽新しい宿泊先があるプラハまでバスで向かいます。途中オーストリアを通過するという設定なのですが、撮影地はイタリアの南チロル・ヴァルパローラ峠です。

プラハでのロケは、実在の5つ星ホテルのカレル4世(19世紀の銀行建築を転用したもの)、ヴィノハラディ劇場、カレル橋、戦いのロケはチェコの別の町・リベレツの市役所前広場で行われまました。

その後スパイダーマンはベルリンへ移動し、次はオランダへ。オランダの映像では、いかにも観光のプロトタイプな風車とチューリップ畑や「Broek op Langedijk」という実在の村が出てきます。最後の戦闘地であるロンドンは、セント・パンクラス駅、セントアレクサンドラ・パラス劇場、イタリアの建築家レンゾ・ピアノ設計の高層ビルのザ・シャード、タワーブリッジ、そしてスタンステッド空港などが舞台になっています。

とにかくどこの町にしても、空中を飛び回るスパイダーマンならではの高所からのパノラミックかつドラマチックな視点からヨーロッパ観光も楽しめます。イタリアだけではなく、ヨーロッパの美しい景観が一度に楽しめる本作は、スパイダーマンファン以外にもイチオシです。
 
DATA
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

監督:ジョン・ワッツ
時間:129分
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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