亀山早苗の恋愛コラム

ママ友のなかで浮いている!?「強く」なれない自分にいらだち…

SNSで個人の発信も自由になっている現在、何でも積極的に取り組む人たちの活動ばかりが目立つ。そのため、「自分から発信できない」「私は周囲に、つまらない人間だと思われているのではないか」と悩む女性も多いようだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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「強く」なれない自分へのいらだち

強くなれない

SNSで個人の発信も自由になっている現在、何でも積極的に取り組む人たちの活動ばかりが目立つ。そのため、「自分から発信できない」「私は周囲に、つまらない人間だと思われているのではないか」と悩む女性も多いようだ。

 

 

ママ友の中で浮いている私

32歳のときに4歳年下の男性と結婚したミナコさん(45歳)。なかなか子宝に恵まれず、不妊治療のための病院通いをやめたとたんにようやく妊娠。38歳で第1子、40歳で第2子を出産した。

「子どもがほしいのに恵まれない。もうあきらめるしかないと思っていたので、本当にうれしかった。人生のすべての幸運を手にしたような気持ちでした」

ところが子どもが大きくなってくると別の不運が彼女を見舞う。

「私はもともと社交的ではなくて。ママ友さんたちはみんな私より若いし、同世代はフルタイムで働いていて忙しそう。私は家でできる仕事をぼちぼちやっている程度なので、専業主婦ともワーママともうまく交流できなかった」

上の子は、今年から小学生だが、やはり周囲の親たちからは浮いていると感じている。話しかけられてもすんなり答えられず、その後、ヘンな人だと思われたのではないかとくよくよしてしまうそうだ。

「他人はそれほどあなたを意識してないよ、それは自意識過剰だよって夫にも言われるんです。わかっているんですが、どうしてもいい子でいたい自分があふれてきてしまう」

過干渉の母親に育てられ、大学や就職先まで母が決めた道を歩んだ。20代で恋愛したときも、母が彼を呼び出して恋愛をつぶした。

「ようやく母の愛情がおかしいと気づいたのは20代半ばになってから。家を出たのが唯一の私の反抗だったんですが、それでもなかなか自分で人生を決めていくことができませんでした」

4歳年下の彼に出会い、彼にいろいろ諭されて、やっと自分の欲望を実感できるようになったという。

「周りのお母さんたちが気軽に夫の愚痴を言ったり、姑の悪口を言ったりしているのを聞くと、なんだか羨ましいなと思うんですよね。私は子どもがほしいという以外、自分の欲望に気づかないまま日々を送っているから」

おっとりした口調で話すミナコさん、今のままで別に誰からも嫌われないと思うのだが、本人の自己評価は限りなく低い。

 

 

もっと強くなりたいのに

自分の意志をはっきりさせ、目的をもってまっすぐ人生を歩んでいきたい。ミナコさんは子どもをもってからずっとそう思っている。だがそれができない自分が歯がゆくて、このままでは子どもの人生にも悪影響があるのではないかと悩むことも多い。

「夫は、別に強くなろうと思わなくてもいい。ミナコがミナコの生きたいように生きればいいだけのことだと言うんですが、夫は仲のいい家族の中でまっすぐ育った人なんですよ。だから私のスパイラルみたいな悩みを理解できないんでしょうね。人がいくらそのままでいいと言っても、私自身が今の自分を好きになれないんです」

いくつになっても自分のふがいなさに愕然とすることはある。ひょっとしたら、「自分」から少し離れてみてもいいのかもしれない。そして、ゆっくりと自分の好きなものと嫌いなものを見極めていくと、いつか「自分らしさ」が見えてくる。彼女の夫が言うように、強くなろうとがんばりすぎる必要はないのではないだろうか。

「まじめで向上心が強いって夫が言うんです。それは子どもの頃は褒め言葉かもしれないけど、大人になってもまじめで向上心が強いのは本人がつらいだろって」

お母さんががんばりすぎる人だと、子どもたちも今後、つらいかもしれない。「私自身の母のようになりたくない」と彼女は言う。だからこそ肩の力を抜くことも必要なのではないだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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