中毒性のあるモノは、金銭感覚を狂わせる!
「私生活がだらしない人は貧乏になる!」というのは、感覚的にも分かる話。これは科学的にも証明されつつあります。たとえば、「ファストフードばかり食べていると貧乏になる」ことが確認されています(1)。この話で恐ろしいのは、「ファストフード店の近くに住むだけでも貯金できなくなる!」ところですね。ファストフードには、最先端の科学が詰め込まれています。ファストフードは食事というより「麻薬」に近く中毒性があります。あまりに美味しすぎるため、食欲が暴走してしまうのです。
僕の経験則として、「中毒性のあるモノは金銭感覚を狂わせる!」と考えています。ファストフードが好例ですが、もう1つ紹介したいのがタバコです。
タバコは金銭感覚を狂わせる!
タバコは金銭感覚を鈍らせる!?
これから紹介するのは、ベルモント大学の研究です(2)。この研究では、喫煙者・非喫煙者・元喫煙者の合計66名を集め、金銭感覚を試すテストを行いました。テスト内容は「遅延割引」と呼ばれる方法。自制心をテストするときによく使われる手法です。テストの結果、「喫煙者は、非喫煙者・元喫煙者と比べて自制心が低く、金銭感覚が弱い」ことが確認されました。喫煙者ほど目先の利益に飛びつきやすく、将来の大きな報酬のために我慢できないのだそうな。
昨今、先進国の間では「嫌煙ブーム」が進んでおります。なにせ、タバコを吸ってもストレスが解消されませんし、お金もかかりますからね。そのうえ、お金よりも大切な健康を損なうわけですから、嫌われるのも当然かもしれません。
喫煙者にとっては朗報かも?
かくいう僕自身、20代前半の頃には喫煙をしておりました。当時は、ニコチンたっぷりのタバコを吸っており、今思えば確かにあの頃の金銭感覚はおかしかったです。それに、自制心のカケラもない生活をしていました。この研究の嬉しいところは、「タバコをやめた人の自制心は、非喫煙者と同程度だった」という点。少なくとも禁煙することで自制心や金銭感覚を回復できるようです。
タバコは身体に悪いだけでなく、貧乏につながる恐れもあります。過去は過ぎてしまったことなので、変えられません。でも、未来なら変えることができます。あなたが貧乏になりたくないなら、この記事をきっかけに禁煙してみては?
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【参考文献】
- 論文:Sanford E. DeVoe, Julian House, and Chen-Bo Zhong, 2013, "Fast Food and Financial Impatience: A Socioecological Approach", Journal of Personality and Social Psychology, 105(3), pp. 476-494
- 論文:Warren K. Bickel, Amy L. Odum, and Gregory J. Madden, 1999, "Impulsivity and cigarette smoking: delay discounting in current, never, and ex-smokers", Psychopharmacology, 146(4), pp. 447-454