「津田水引折型」店内に飾られていた朝顔の水引細工
「加賀水引 津田水引折型」は、金沢で生まれた立体的な水引デザイン「加賀水引」の専門店で、加賀水引を使った風鈴も製造しています。
私の実家でもあるので、今回の帰省中にこちらの風鈴を購入して来たのですが、ポートランドのわが家のポーチにも違和感なく収まり、涼やかな音を奏でています。
加賀百万石で生まれた伝統工芸
雅な華やかさを持つ「加賀水引」は、大正4年(1915年)ごろに私の故郷、加賀(石川県南部)の金沢市で生まれた伝統工芸。
結納や祝儀袋に使われていた水引は、それまでほぼ平面的な形でしたが、「加賀水引 津田水引折型」創始者の津田左右吉氏が立体的な結び方(水引細工)を考案したそうです。
加賀水引が誕生してから100年以上たった現在、「加賀水引 津田水引折型」では、4代目と5代目が伝統を守りながらも「なじみ親しむ水引折型」としてアクセサリーやインテリア小物など現代の生活に合う新しい水引細工を提案しています。
手作りならではの自分だけの組み合わせ
店内に並んでいた加賀水引風鈴
私が「加賀水引 津田水引折型」を訪れた目的はこの風鈴でした。店頭にいくつもの色の組み合わせが並んでいて、迷ってしまいます。水引細工はすべて手作りのため、たとえば同じ青系でも、微妙に違う色の組み合わせのものがあるのです。
ひとつひとつ手作りされている水引細工
どれも素敵で散々迷ったのですが、最終的にはわが家に合いそうなゴールドと白の組み合わせを選びました。また、短冊もそれに合いそうな金色の入ったものをチョイス。
ゴールドと白の水引細工
この風鈴の結び方は、「あわじ結び」という水引の基本結びで、「人と人を結ぶ」という意味が込められているそうです。
その場で短冊に文字を書いてくれる
短冊に書く言葉は「たとえば『ありがとう』など、なんでもいいですよ」とおっしゃっていただきましたが、ポートランドで故郷を思い出せれば、と「金沢の音」をお願いしました。
風鈴と短冊の色、書く言葉を選んだ自分だけのオリジナル
店頭には、「夏の夢」「天の川」などの言葉の短冊がありましたが、最もスタンダードなのは「蝉しぐれ」だそうです。
西洋の現代生活にもなじむ加賀水引風鈴
ポートランドのわが家のポーチに下がる加賀水引の風鈴
ポートランドに帰ってさっそく家のポーチに風鈴を下げてみました。
繊細でモダンなデザインは西洋の家にもしっくりんでとても気に入っています。夏場はバーベキューをするなど、ポーチで過ごす時間が長いのですが、澄んだ音が響く度に、ちょっと日本の風流を感じられる気がします。
澄んだ音を奏でるわが家の加賀水引風鈴
先週末に遊びに来た友人のブレンダも、「子どものころ、隣の家にあった大きなウィンドチャイムがすごくうるさくって、風鈴は苦手だと思ってたけど、この音は繊細でとっても素敵!」と絶賛していました。
日本の伝統と職人技を感じられる風鈴は、海外へのお土産にもきっと喜ばれると思いますよ。