亀山早苗の恋愛コラム

夫の浮気相手から「会いたい」と言われ、拒否した妻

夫の恋人から連絡があっても、絶対に会わないと決めていた妻がいる。相手が自分より年上でも年下でも、きれいでもそうでなくても腹が立つとわかっていたからだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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夫の恋人から連絡が……会うことを拒否した妻

夫の恋人から連絡が

もしも、夫の「恋人」から、ある日突然連絡があったら――その場合、その女性に会う妻と会わない妻がいる。「絶対に会わない」と決めているという妻。相手が自分より年上でも年下でも、きれいでもそうでなくても腹が立つとわかっていたからだ、と語る。

 

会いたいと何度も電話がきたけれど

夫の行動をずっと怪しいと思っていたと、ヒデカさん(40歳)は言う。高校時代の同級生である彼とは、別れたりくっついたりを繰り返し、周囲に押される形で27歳のときようやく結婚した。

「別れていた時期は、だいたい彼の浮気が原因。だから結婚しても浮気はやめないだろうと覚悟していました」

それでも子煩悩で働き者の夫のことは、心の底では信頼していた。何があっても家庭を振り捨てるようなことはしないだろう、と。だから多少怪しい行動があっても目をつぶってきたのだ。

「夫は職人なんです。自分の父親が経営者である建築関係の会社で仕事をしている。残業なんてないし、プライベートな行動範囲もそれほど広くない。ただ、この1年くらいはどこに行っているのかわからないことが多々ありました」

そんなとき、自宅に女性から電話がかかってきたのだ。バツイチだというからつきあっていたのにという恨み言だった。

「夫が何を言ったか知らないけど、結婚して13年たちますよ。もう二度と自宅に電話をかけてこないでちょうだいと切りました。だけど彼女もあきらめきれなかったのかしら、毎日のように『奥さん、会って私の話を聞いて』と言うんです。どうして私が聞かなければいけないの、文句があるならうちの夫に直接言ってと言うしかありませんでした」

どうやら夫は、その女性から逃げていたらしい。

 

感情移入しそうで怖かった

夫がしたことは自分で解決するべきだと思ったから、彼女には会わなかったとヒデカさんは言う。それにもうひとつ理由があった。

「夫が本当にバツイチだと嘘をついていたなら、彼女、かわいそうですよね。私は会ってそんなことを聞いたら、すごく感情移入してしまいそうで怖かったんです。どんなに相手をかわいそうだと思っても、私は彼の妻であることに変わりはない。それってなんだか傲慢だなと思って……」

嘘つきの夫に騙された女性に感情移入してしまう妻。確かに立場上、矛盾するし、相手から見たら味方なのか敵なのかわからない。

「ふたりのことはふたりで解決してちょうだいと言うしかない。その後、夫が『実はちょっとマズいことになってるんだ』と告白してきたんです。彼女のことなら知っているけど、私が介入する問題ではないと思う。ちゃんと自分で解決してと言いました。夫は『彼女が妻に会わせてくれれば別れてあげると言ってるから、会ってほしい』と泣きそうになっていましたが、私は拒否しました。そんなのおかしいでしょって」

結局、彼女が夫の実家である職場に現れ、夫の父親に一喝されて無事に別れることができたらしい。夫は父親にも相当絞られたようだ。

「最終的には自分で解決できなかったことに対してはがっかりしましたし、父親に知られてしまったのはちょっとかわいそうだったかなと思いますが、それも自分の蒔いた種。それ以降、夫はしゅんとして、せっせと子どもと遊んでいます。でもまた、ほとぼりが冷めたら何かあるんじゃないでしょうか」

言葉上は突き放しているが、ヒデカさんの表情には怒りはない。そんな夫ではあっても彼女が見捨てることはないのだろう。

「私は今後も、絶対に夫の彼女には会いません。巻き込まれたくないし、自分自身の心の平安を乱されたくないから。会ってしまえばいろいろ想像せざるを得ない。この女性と夫がセックスしたのかとか。そういうことを考えたくないんです」

相手の女性に興味はないときっぱり言った。興味本位で夫の恋人に会ってしまう妻も少なくないが、ヒデカさんのように自分の基準をはっきりもっていたほうが家庭を守るためにはいいのかもしれない。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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