お金の悩みを解決!マネープランクリニック/20代のお金の悩み相談

3300万円の家を購入して貯金は70万円。独立開業や子どもも欲しく頭がパンパンに(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、マンションを購入したばかりの20代女性。子どもも欲しいし夫は独立を考えていてこれからの資金プランをどうしたらいいのか苦慮しているといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 毎月とボーナスの家計管理をきちんと分けて考えよう

家計データを拝見しましたが、大変厳しいと最初にお伝えしなければなりません。

というのも、まずはマイホーム。手取り収入に占める住居費の割合が4割にもなっています。それだけで厳しいうえに6年後にご主人は独立を考えているとのこと。そしてお子さんも欲しい。大きなお金が必要なライフイベントをたくさん計画しています。

奨学金の返済も始まったばかりでまだまだたくさん残っているうえに、貯蓄もほとんどない状態の家計状況で、頭金もなしに住宅を購入してしまうとその後のいろんな計画が非常に厳しくなります。

現状の家計データの収支を見ると毎月2万円残ることになっていますが、貯蓄はなぜか6万円していることになっていますね。4万円はどこから出ているのでしょうか。

たぶんボーナスでつじつまを合わせているのだと思いますが、まずはそのあたりをきちんと分けて家計の管理をすることから始めてください。毎月の収入からいくら使っていくら貯蓄しているのか、ボーナスからはいくら貯めているのか、それぞれきちんと把握できるように分けて考えましょう。

毎月の家計から見直しができる費用は、まず通信費。プランなどを見直して2人で5000円程度になるよう支出をカットしましょう。そして趣味娯楽費、家族の小遣い、美容費、雑費で4万8000円支出しているので、ここも見直して1、2万円ぐらい削減しましょう。

支出の見直しを行い今行っている貯蓄と合わせて、少なくとも年間50万円は貯蓄できるようにしたいところです。つみたてNISAは始めたばかりでしょうが中断しましょう。今は現預金を貯める段階ですので、投資にお金を回す余裕はありません。

ご主人が30歳で独立しようと思ったら、あと6年しかありません。50万円ずつ貯蓄したとしても6年後には300万円、プラス今ある60万円を足して360万円しか貯蓄ができません。いざというときのために200万円程度は残しておきたいと考えると、独立のために使えるお金は150万円程度と考えておくべきでしょう。
 

アドバイス2 独立開業は借金が増えすぎてしまうので計画の見直しが必要

開業費用に1000万円必要とのことですので、独立するならそのほとんどを借金に頼るしか方法がありません。住宅ローンの返済が現段階で手取りの4割近くになる上にさらに借金をすると返済負担は5割を超えてしまう可能性が高いでしょう。

事業資金の借り入れは返済期間も短いものが多いので、年間50~100万円は返済していくことになるでしょう。もちろん独立して収入が大幅に増える見込みがあるなら借金して開業するということもありですが、継続的に一定以上の収入が確保できるかどうか、冷静に考えてみてください。

すでに厳しい家計状況に加えて借金をして開業もとなると、お子さんをもうけるのは非常に難しいといわざるを得ません。私の立場からはおすすめできません。独立するのか子どもを優先するのかご主人と一度よく話し合ったほうがいいでしょう。せめて自己資金で開業できるのならなんとか考えられなくもないですが、金銭面からみると両方は無理といわざるを得ません。

子どもを優先したいと考えるなら、ご主人は今のままお勤めを継続すればなんとかやっていけるでしょう。その場合もすぐにと考えず、もう少し貯蓄ができてからにしましょう。そうすれば児童手当や出産前後の給付もあるので、一時的に費用がかかったとしてもなんとか賄えます。大学費用までは出せないかもしれませんが、高校まで公立に進むなら教育費も大丈夫でしょう。
 

アドバイス3 現状と今後を整理してご夫婦でよく話し合って

いまさらになってしまいますが、本来、開業するなどの計画があるなら、住宅購入など大きな買い物は控えるべきでした。賃貸なら家賃の安いところへ引っ越して貯蓄を増やすこともできましたが、ローンを組んでしまったら身動きがとれなくなってしまうからです。

固定資産税の支払いについても住宅ローン控除をアテにしているようですが、これは払った税金のなかから戻してもらうものなので、あまり税金を払っていない人はそもそも戻ってくる税金も少ないのです。かえるちゃんさんのご家庭では配偶者控除など控除もあるでしょうから、そもそも税金はそんなに払っていないはずです。ですから、そこから戻ってくる税金で固定資産税分を払えるかどうかもきちんと確認してください。

義理の親のこともご心配なようですが、今のうちにできれば現状把握しておきたいですね。万が一、一緒に住むという話になるなら、お金を出してもらわないとやっていけません。

とにかく様々なことが重なって混乱していると思いますので、一つ一つ状況を整理してみて優先順位をご夫婦で確認したうえで実行されてください。厳しいことをいろいろと言いましたが、かえるちゃんさんおひとりで抱え込まず、ぜひご夫婦で一緒に読んで一緒に考えていただきたいと思います。
 

相談者「かえるちゃん」さんから寄せられた感想

ご回答ありがとうございました。もう一度、主人と今後どのようにしていくのか話し合っていきたいと思います。私自身も考えることが多かったので2人で整理していきたいと思います。ありがとうございました。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/堀内玲子


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