タピオカとは……キャッサバのデンプンを丸めて作られたもの

タピオカ

もちもちとした食感が人気のタピオカ。栄養学的にはどのような食べ物か知っていますか?


行列ができるタピオカミルクティー専門店もあちこちで見られ、ブームになっています。そもそもタピオカは、トウダイグサ科の「キャッサバ」という植物の根茎、すなわちキャッサバ芋からとった「デンプン」を丸めて作ったお団子のようなものです。
 

タピオカが原材料のキャッサバ芋から作られるまで

タピオカの原材料は中南東が原産のキャッサバ芋。キャッサバという名前はカリブ海・ハイチ付近の現地名が語源と言われており、世界的には非常に広範囲で食されています。日本ではスーパーなどではあまりなじみがないかもしれませんが、加工食品でつなぎの役割を持つ原材料としてよく使われています。

キャッサバ芋には大きく分けて苦味種と甘味種の2種類があり、タピオカは、主に甘味種を原材料として作られます。キャッサバ芋をすりおろして脱水し、デンプンだけを集めたものがタピオカデンプン。これを吸水させて、沸騰した湯の中で糊化させ、水に浸漬させて中心まで吸水させると、ドリンクやデザートでおなじみのタピオカになります。このデザートで使われるタピオカはその形状の美しさから「タピオカパール」と呼ばれることもあります。
 

タピオカのカロリー・黒タピオカと白タピオカの違い

キャッサバ芋にはたくさんの種類があるので、タピオカパールにもさまざまな種類があるはずですが、『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』に記されているタピオカは1種類。乾燥状態で100gあたり355kcal。ゆでたものが100gあたり62kcalです。

黒タピオカは、ふつうの白いタピオカを着色したもので、原材料の種類が違うわけではありません。プリンの茶色いソースでおなじみのカラメルを加えて着色されているようです。
 

タピオカに含まれる栄養……ほぼ100%炭水化物のみ

タピオカには、たんぱく質や脂質はほとんど含まれていません。たんぱく質は0g、脂質は乾燥状態で0.2gでゆでると限りなくゼロに近い「Tr」とされていますので、タピオカはほぼ100%炭水化物と思ってOKです。

食物繊維は100g中に乾燥状態で0.7g、ゆでると0.4g。1%以下です。タピオカには食物繊維が多いと思っていた人には残念な事実ですね。ビタミンやミネラルなどもタピオカパールの製造工程で取り除かれてしまっています。残念なお知らせで申し訳ないです。
 

タピオカの食べ過ぎで考えられるリスクのウソ・ホント

ではタピオカの食べ過ぎで健康リスクはあるのでしょうか? キャッサバの有毒性やアレルギーの心配などについて、以下でQ&A方式で解説していきましょう。

Q. 原料のキャッサバが有毒だから危険?
A. キャッサバ芋には青酸配糖体が含まれてます。過去には輸入食材のキャッサバの葉から青酸配糖体が検出され、ニュースになったこともありました。この青酸配糖体はキャッサバ芋の苦味種に含まれていることが多いようですが、仮にタピオカを作るのに苦味種を使ったとしても、キャッサバデンプンの加工工程では水さらしなどが繰り返されて取り除かれてしまうため、この過程で無毒化されています。デザートでタピオカを食べても問題ありません。

Q. 食物繊維が豊富なため過剰に食べると下痢になる?
A. 上述のとおり、食物繊維はさほど多くありません。タピオカでおいしく便秘解消できる!と思って食べていた人もいるかもしれませんが、もちろんそんな期待もできません。

Q. タピオカの食べ過ぎでアレルギーになる?
A. 食品アレルギーは一般的にたんぱく質に反応することが多く、また、デンプンアレルギーは日本では症例が少ないので一般的には大丈夫だと思います。しかし食品なので、100%アレルギーにならないとは言い切れません。小麦、そば、米など炭水化物を多く含む食品にアレルギーのある人は念のため注意されたほうがよいかもしれません。

Q. タピオカはデンプンの塊なので太る?
A. 量によります。タピオカドリンクの場合、1人分はゆでて20~30g程度なので、タピオカパールだけであれば20kcal程度でしょうか。これだけならさほど問題になるカロリーではないかもしれません。問題は、ドリンクやデザートがかなり甘めに味付けされていること。こちらで知らず知らずのうちにカロリーを摂取している可能性は高いです。

Q. タピオカそのものより甘いドリンクに入れられるのでよくない?
A. おそらく、こちらの考え方が正解だと思います。冷えたものは甘さを感じにくいため、室温よりも甘みを強くしてあります。完全に溶けてしまったアイスクリームが甘すぎて食べられないのを思い出していただければイメージしやすいかと思います。丸くてかわいらしい見た目で、ほんのりと甘みのあるもちもち感がたまらないタピオカですが、一緒に摂っているドリンクやデザートには砂糖の使用量が多いことは忘れず、ほどほどにですね。
 

タピオカは「心の栄養」と考えて楽しむのが正解!

タピオカブーム再来といわれて久しく、人気店の絶え間ない行列には感心するばかりです。

それまでの国内にはなかった珍しい食材がブームになることはもちろんかまわないのですが、一部ではマナーなどについても指摘されているようです。

私自身も先日着物で電車に乗っていたところ、隣でタピオカドリンクを持ったまま乗っていた女性が弄っていたストローが勢いよく抜けて周りに飛び散ってしまい、着ていた着物にシミがついてしまったことがありました。幸いメンテナンス保険がかけてあったので大丈夫でしたが、普通の着物にシミがつくと万単位のお金がかかることもあります。もちろん洋服ならいいというものでもありませんし、私のような温厚な対応をしてくれる人ばかりではありませんので、公共の場での飲食マナーにはご注意を。そして当たり前のことですが、飲んだ後のカップはマナーを守ってゴミ箱に捨てましょう。

今回はタピオカの栄養やリスクなどについて解説しましたが、デザート類は「心の栄養」なので、「見た目がかわいくておいしければよい」のです。しかし心の栄養をデザートなどを食べることで解消しようとすると、体の栄養が偏ってしまうことにあります。心と体の栄養のバランスを考えながら、タピオカブームを楽しんでいただければと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項