将来のためには今からしっかり働いたほうがいい?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、幼稚園に通う2人の子どもの子育てに忙しい35歳のパート女性。将来のためには今からしっかり働いたほうがいいのかお悩みとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)


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学費の準備や保険の内容、住宅ローンの繰り上げ返済でも悩む

学費の準備や保険の内容、住宅ローンの繰り上げ返済でも悩む




■相談者
ヒロさん(仮名)
女性/パート・アルバイト/35歳
関東/持ち家(1戸建て)
 
■家族構成
夫(42歳/公務員)、子ども2人(5歳・3歳)
 
■相談内容
夫は、公務員です。私は今は育児を優先していてパートで少し働いている程度です。夫婦共働きで働いたほうが家計的には余裕が出るのは分かっていますが、子どもが体調を崩した際や仕事で遅くなった時に、頼れる身内がいないので、パートで働くか、フルタイムで働くべきか、悩んでいます。月々の貯金はあまりできていませんが、ボーナスで、毎年100万円程度貯金をしています。現在、貯金は、普通預金に900万円ほどと、株とイデコを合わせると300万円ほどの資産があります。2019年からイデコを始めました。

貯金は普通預金に入ったままなので、運用して増やしていきたいのですが、株もイデコもいまいち利益が上がっておらず、新たに投資する勇気が持てません。ファイナンシャルプランナーに相談したところ、死亡保障と医療保険とがん保険、外貨建ての個人年金を勧められました。預貯金もあるので、結局、勧められた保険に加入することにしましたが、加入すべきだったのか悩むところです。(※現在、加入している保険は以下に記入)

住宅ローンは、夫が65歳の時に完済予定ですが、繰り上げ返済をどのタイミングでするのがよいか悩んでいます。残債は2000万円ほどで、2026年まで固定 0.850%で、それ以降は、変動金利になります。

子どもたち2人には、中学までは公立、高校からは私立を含め、進みたい進路に進ませてあげたい。できれば、大学にも行って欲しいと思っています。

以上を踏まえて、教えていただきたいことは、私は、60歳まで扶養範囲内での勤務でも可能かどうか、預貯金の効率的な増やし方、保険内容は適正かどうか、住宅ローンは、繰り上げ返済をするべきか、するならどのタイミングでするのがよいかということが知りたいです。
 
■家計収支データ
相談者「ヒロ」さんから寄せられた感想

相談者「ヒロ」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)住宅について
・物件:中古
・借入額残高:2000万円
・借り入れた年:2011年
・借入年数:30年
・毎月の返済額: 8万1000円
・ボーナスでの返済額:なし
・金利:2026年まで固定 0.850%で、それ以降は、変動金利
・固定資産税額(年間):約8万円
 
(2)児童手当の使いみち
貯金している
 
(3)ボーナスの主な使いみち
100万円は貯金。家族の小遣い10万円。年によって、保険料、住宅のリフォーム代、子どもの行事に関わる費用など。
 
(4)加入保険について
♦夫/ 終身保険(500万円  10年払い)=  年36万5000円
♦夫/県民共済(200万円) =毎月の保険料2000円
♦妻 /医療保険(60歳払い済み)= 毎月の保険料4300円
 
♦子(上の子)/終身保険(15年払い)= 年11万9400円
♦子(下の子)/終身保険 (15年払い)= 年13万9200円
 
<新たに加入した保険>
♢夫 / 無配当外貨建個人年金保険  10年/240万円 (一括払い済み)
♢夫/ 医療保険(65歳払い済み=毎月の保険料 7500円
♢妻/ 医療保険(65歳払い済み)=毎月の保険料 5000円
♢妻/ がん保険(65歳払い済み) =毎月の保険料 3700円
 ※年払い分は一部をボーナスで払っている
 
(5)車両費2万円の内訳と保有台数について
保有台数は2台。車両費の内訳は、2台分のガソリン代。車検や任意保険は、各自の貯金より捻出。2020年か2021年に1台買い替え予定です。(新古車など300万円ほど)2025年頃、軽自動車も買い替え予定。(150万円ほど)
 
(6)ご主人の定年と退職金について
現時点での定年は、60歳で、退職金は、1500万円~2000万円前後。
 
(7)ヒロさんが働いた場合、見込める手取り収入の目安
フルタイムの場合は月間約30万円、パートの場合は働く時間によりますが年間で約30万円~100万円。
 
ファイナンシャルプランナー深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 保険はこんなに必要なし!整理して保険料支出を減らそう
アドバイス2 2回の繰り上げ返済で60歳までに住宅ローンは完済する
アドバイス3 妻が働くのは余裕ができてからで大丈夫

 

アドバイス1 保険はこんなに必要なし!整理して負担を減らそう

ヒロさんのご家族の保険ですが、今はご主人の死亡保障と夫婦の医療保険があれば十分です。ですから加入しすぎている保険を整理したほうがいいでしょう。

まず夫の終身保険ですが、これは払い済みにします。払い済みにすると保障額は減ってしまいますが、これ以上保険料を払わなくて済むので、保障を残しながら保険料負担を減らせます。ただ、払い済みにしてしまうとご主人の死亡保障が足りなくなってしまうので、下のお子さんが大学を卒業するまでの間、掛け捨ての定期保険で保障を確保するといいでしょう。期間15年・死亡保障額1500万円で加入すれば大丈夫でしょう。保険料は月4000~5000円程度の負担で済むはずです。

今加入している夫の県民共済と妻の医療保険はこのまま続けましょう。子どもたちの終身保険は、教育費づくりが目的で加入していると思われますので、これも続けていいでしょう。

問題はファイナンシャルプランナーに相談して入ったと話している新たに加入した保険です。これらは全く必要なかったですね。ただ、外貨建て個人年金は一時払いですでに支払い済みなので、このまま継続しておいていいです。医療保険とがん保険は必要ないので解約しましょう。もし、がんになったときのリスクを心配しているのであれば、がん保険はこのまま残しても構いません。このように保険を整理すると、ヒロさんのご家庭では新たに加入した保険もあわせて月々1万1000円程度で済みます。

これまで月々5万8000円払っていた保険料が1万1000円になるので、保険料負担は一気に4万7000円減ります。家計支出は月31万3000円になり、これに固定資産税を月割りにして計上すると毎月の支出は32万円ぐらいになりますね。

月収が39万5000円ですから7万5000円が貯蓄に回せる計算です。

一方、ボーナスは年間手取り150万円で、そこから子どもたちの教育費として加入している終身保険の保険料25万8000円と、家族のお小遣いやこまごまとした支出をしたとしても100万円は余裕で貯蓄に回せるでしょう。そうすると月々の貯蓄が年間合計で90万円プラス、ボーナスから100万円貯蓄に回せるので、ヒロさん家庭では年間に190万円の貯蓄ができる計算です。
 

アドバイス2 2回の繰り上げ返済で60歳までにローン完済する

どこで繰り上げ返済をすればいいかですが、今現在資産が1200万円あって、教育費が必要になるまでまだ時間があるので、今300万円を繰り上げ返済していいでしょう。

具体的にどのように資金が変動するのか少し詳しく見てみましょう。現在の資産総額1200万円のうち300万円は株などの投資にまわしているということなので、その投資資金は含まずに預貯金だけで考えていきます。

現段階で手持ちの預貯金900万円からすぐに300万円を繰り上げ返済すると残りは600万円。年間190万円貯蓄できるので来年には790万円になります。ただ、来年は車の買い替えを予定しているのでその購入費として300万円を支出すると資産は490万円まで目減りします。かなり減ってしまう印象ですが、この先年間190万円の貯蓄を続ければ2025年には1440万円まで貯蓄額が増えることになります。

ヒロさんの予定ではここで150万円を出してもう1台の車を買い替えるので、その支出を差し引くと残額は1290万円。この段階でご主人は48歳、子どもたちは11歳と9歳ですので、下の子が大学に入学するまであと9年あります。その間に引き続き貯蓄ができれば約3000万円のお金が貯まります。これは総額なので実際には取り崩し分がありますが、貯蓄をしながら子どもの教育費として1600万円を出したとしても、最終的に下の子が大学を卒業するまでに1400万円は残ります。下の子が大学卒業するのがご主人60歳の時なので、そこで1400万円残っていれば退職金と合わせて3000万円は準備でき、老後資金としてはひとまず安心でしょう。

このころまでにもう1回繰り上げ返済をすれば住宅ローンも60歳までに十分払い終えることができるでしょう。
 

アドバイス3 妻が働くのは余裕ができてからで大丈夫

子どもの教育費づくりのために加入している保険が2本あります。教育費づくりの保険は解約すれば2人分で400万円ぐらいになるはずです。ヒロさんが働かなくてもこれだけ貯められるので、育児の心配があるなら今急いで仕事を始めなくても無理のない範囲のパートで大丈夫です。もちろん働いて収入が増えれば、その分貯蓄が増えるスピードが上がるし、繰り上げ返済の資金も早くできるので、下の子が小学校に上がったら扶養の範囲内で働くことを考えてみるといいでしょう。
 

 相談者「ヒロ」さんから寄せられた感想

この度は、アドバイスを頂きありがとうございます。悩んでいた全ての事にアドバイスが頂けて大変参考になりました。保険については、早急に見直しをして、整理したいと思います。住宅ローンも、60歳完済を目指し、まとまった金額が出来た際に、何度か繰り上げ返済をしていきたいと思います。仕事に関しても、具体的に資産の計算をしていただくことで、少し安心出来ました。時期とタイミングを見て、仕事の時間などを少しずつ伸ばしていけたらと思いました。


教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/堀内玲子


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