お金を増やすためには、貯蓄ではなく投資をすべき?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、あと4年で住宅ローンを完済できる見込みがたったため、今後の貯蓄プランを相談したいという44歳の会社員、ひらめさん。教育費がかかる時期が迫っている中で、どのようにお金を貯めていくべきかというお悩みに、ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)
 
 
 
あと4年で住宅ローンを完済できそうですが、教育費は足りる?

あと4年で住宅ローンを完済できそうですが、教育費は足りる?



■相談者
ひらめさん(仮名)
女性/会社員/44歳
関東/持ち家(一戸建て)
 
■家族構成
夫(会社員・45歳)、子ども2人(12歳・10歳)
 
■相談内容
住宅ローン残高はあと800万円。計画通りに繰上返済をすれば、あと4年で完済予定です。何か投資をしたほうが良いのか、貯金をしていくほうがよいのか悩んでいます。
 
■家計収支データ
相談者「ひらめ」さんの家計収支データ

相談者「ひらめ」さんの家計収支データ



 
 
■家計データ補足
(1)住宅ローンについて
購入した物件:新築・一戸建て
借り入れ時期:2011年
物件価格:4000万円
ローン残高:800万円
金利のタイプ:固定1.54%
毎月の返済額:9万5000円
・・・・・・・・
固定資産税:11万円
 
(2)加入している保険の内容
・生命保険(名義/夫、終身払い終身保障、入院5000円)=毎月の保険料1万8000円
・県民共済(名義/妻、死亡保障400万円、入院3000円)=毎月の保険料2000円
 
(3)各費目の支出内訳
・趣味・教養・娯楽費→おやつ代4000円、週末の外出時の諸費用(外食費等も含め)2万4000円
・教育費→習い事
・家族のこづかい→夫 3万5000円、妻 1万5000円
 
(4)ボーナスの支出内訳
繰上返済 100万円、旅行代 40万円、車維持費 25万円、固定資産税11万円、御祝いや行事など24万円
 
(5)子どもの進路について
2人とも高校まで公立、大学から私立を親としては希望。でも本人の希望があれば、できる限り応えたい。
 
(6)60歳以降の働き方について
 夫婦ともに、できれば60歳を過ぎても働きたい。正社員でなくてもよい。
 
(7)退職金、年金について
夫:退職金有、金額不明。20歳から厚生年金加入
妻:退職金有、金額不明。22歳から厚生年金加入、国民年金の未払いが7カ月分ある
 
(8)投資商品に対しての考え方
初心者なので、ハイリスクハイリターンは望まない。
 
(9)今後の支出について
 同時期ではないが、5年以内に車2台の買い替えが必要。
 
■ファイナンシャル・プランナー藤川太の3つのアドバイス
アドバイス1 住宅ローンの繰上返済はこのまま継続して完済を目指す
アドバイス2 家計管理能力は高い。ただし保険は見直し余地あり
アドバイス3 毎月の貯蓄の一部をiDeCoの積立投資で老後資金に
 

アドバイス1 住宅ローンの繰上返済はこのまま継続して完済を目指す

住宅ローンの完済と教育費の準備を両立させる方法には、①住宅ローンを返済しながら教育費をコツコツ貯めていく、②住宅ローンの繰上返済を優先して教育費が必要な時期までに完済する、という2つの方法があります。②の方法は計画通りにいかなかったとき、教育費はない、住宅ローンは残っているということになるため、①の方法で進めるのが一般的です。ただ、ひらめさんの場合は順調に繰上返済が進んでいますし、まだ子どもが小学生ですから、ここまで来たら住宅ローンを終わらせてしまいましょう。というのは、住宅ローンという大きな固定費が終われば年間200万円というお金が捻出できますから、大学費用はこれを充てればいいのです。
 
人生にはもうひとつ大きな支出=老後資金も必要です。現時点で細かい試算をするのは難しいですが、毎月15万円貯蓄できていますし、夫婦ともに厚生年金で退職金もあり、60歳以降も働く予定とのことですから、生活に困ることはないはずです。
 

アドバイス2 家計管理能力は高い。ただし保険は見直し余地あり

8年余りで住宅ローン完済の目途がついたというだけあって、支出の内訳を見ても家計管理能力の高さがわかります。共働き4人家族で食費が5万8000円というのは優秀だと思います。
 
家計の見直しポイントを挙げるとすれば、夫の生命保険です。詳細な内容がわからないのですが、保険料から推察して特約が付いた割高な商品ではないでしょうか。まずは、内容をきちんと確認してみてください。死亡保障額が最高3000万円程度の収入保障保険と日額5000円程度の終身医療保険で、保険料は合わせて月額1万円以内に収まるはずです。

もうひとつは通信費。詳しい内訳がわからないのですが、金額から見ると削減の余地がありそうです。子どもが成長すると増えがちな支出ですから、今後は注意が必要です。
 

アドバイス3 毎月の貯蓄の一部をiDeCoの積立投資で老後資金に

住宅ローン完済後の貯蓄プランですが、教育費が必要な時期が近づいていますから住宅ローン返済に充てていた資金は、ひとまず貯蓄してください。もう少し時期が早ければ投資商品で運用するという考え方もありますが、ここで投資を始めてリーマンショックのような経済危機が起こったら大学資金が不足しかねません。
 
しかし将来を考えると、投資を始めるのはいいことだと思います。そこで、いま貯蓄している15万円の一部を老後資金としてiDeCo(個人型確定拠出年金)で積立投資を始めてはどうでしょう。運用益が非課税というだけでなく、掛金は全額所得控除できますから節税にもなります。節税という意味では、ふるさと納税もおすすめです。実用的な返礼品を選べば節約につながりますから、利用していないようでしたら検討してみてください。
 
ただし、iDeCoは金融機関によって取り扱っている運用商品や手数料などが違いますし、ふるさと納税も年収や家族構成によって控除限度額が異なります。節税メリットを上手に享受するためには、制度や仕組みを正しく理解してから始めてください。
 

相談者「ひらめ」さんから寄せられた感想

独身時代からまた結婚しても、共働きだったのもあり、何も考えず散財していました。たまたま同僚に家計簿をつけるのをすすめられてから、自分なりに試行錯誤で頑張ってきました。今回は専門家の方により良いアドバイスを頂きまして、無理のない程度に頑張っていこうと思いました。いろいろとありがとうございました。とても勉強になりました。


教えてくれたのは……
藤川太さん 
 
 

 


All About「資産運用」ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたFP。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに詳しく「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスしています。

取材・文/鈴木弥生




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