皮膚・爪・髪の病気

白髪染めは危険?「白髪染めを使うとハゲる」は本当か

【皮膚科医が解説】「白髪染めは危険」「白髪染めを使うとハゲるらしい」といった心配をされる方がいるようですが、医学的にはいずれも根拠がありません。市販の白髪染めは身体に害があるのか、デメリットや危険性として考えられることは何か、正しい知識を身につけておきましょう。

野田 真史

執筆者:野田 真史

皮膚科医 / 皮膚の健康ガイド

白髪染めは危険? 皮膚科受診で見る症状は頭皮やおでこ・首などの「かぶれ」

白髪染めは危険?「白髪染めを使うとハゲる」は本当か

「白髪染めは危険」の真偽は? 身体に害はある? 白髪染めのデメリットや危険性について考えてみましょう。

白髪染めの最もよくあるリスクは「かぶれ」です。白髪染めの使用で頭皮がかぶれて皮膚科を受診される方は珍しくありません。頭皮以外にも、髪があたるおでこ、ほほ、首がかぶれることもあります。かぶれが長引くと荒れが悪化しますので、早めに皮膚科を受診してステロイドの塗り薬でしっかり治療しましょう。
 

白髪染めで“ハゲる”、髪が薄くなる……よくある俗説の真偽

白髪染めについては、「髪が薄くなる」といった俗説があったり、実際に使用して「気持ち悪くなったことがあるので有害なのではないか」「妊娠中は使うと危険なのではないか」といった不安を抱えたりする方もいるようです。以下でそれらの真偽について解説します。

■「白髪染めで“ハゲる”・髪が薄くなる」というのは本当か
白髪染め自体で髪が薄くなることはありません。しかし通常の白髪染めの場合、頭皮や毛髪は痛みます。頭皮にかぶれが出現して皮膚が荒れた状態が続くと、どうしても頭皮をかいてしまうため、毛が抜け落ちやすくなり、若干薄くなることは考えられます。この場合の脱毛は、頭皮の荒れを治すことで改善させることができます。

■白髪染めを使うと気持ち悪くなるのは、有害物質が含まれているから?
国内で正規に市販されている白髪染めに、人体に影響するような有害物質が含まれているとは考えにくいです。白髪染めの匂いで気持ち悪くなっている可能性はあります。

■白髪染めは妊婦や子どもが使うと危険?
妊婦さんや小さなお子さんの場合、白髪染めに関するはっきりした研究報告がありません。そのためリスクがゼロであるという保証はありませんので、使用は控えた方がいいと考えます。
 

市販されている白髪染めをより安心・安全に活用するために

いわゆる「経皮毒」といったものを心配されている方もいるようですが、頭髪に使うだけの白髪染めで、皮膚以外に異常が出る心配はまずありません。ただし、頭皮や首、おでこなどの皮膚のかぶれのリスクはありますので、もし皮膚が荒れてしまった場合には早めに皮膚科を受診するようにしましょう。悪化すると治療に時間がかかります。また、敏感肌の方向けの刺激が少ない製品もありますので、肌質によっては自分にあった白髪染めを見つけ、上手に利用することも大切です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます