「お金=悪」と考えると貧乏になる
「なぜか貧乏になる人の3つの特徴」でも紹介しましたが、貧乏になる人は「お金儲け=悪」と考える傾向が強いようです。金融心理学者のブラッド・クロンツ博士の研究(1)によると、お金持ちになる人ほど、お金を好むことが分かりました。人はもともと本能として、「お金儲け=悪いこと」と考えてしまう性質があります。本能の赴くままに「お金=悪」と考えていると、この考えが発端となり、お金を遠ざけるような意思決定をしがちです。
貧乏にはデメリットがたくさんあります。大きなところを挙げると、「貧乏=人間関係に苦労しやすい」「貧乏=不幸になりやすい」など、貧乏には困難が多いと言えます。
「お金=悪」という考えは、貧乏を引き寄せかねません。この考えは、早めに捨てた方がよさそうです。
「お金=すべて」と考えると不幸になる
ここまでで、「お金=悪」という考え方が間違っているのは分かりました。とはいえ、「お金=すべて」と考えることもオススメできません。大阪大学の研究(2)によると、「お金を貯めることが人生の目的だ」と考えている人ほど、不幸であることが分かりました。お金は大切ですが、お金のことを考え過ぎてもダメだということですね。ううむ……、難しい。
僕自身、マネーの専門家としては「お金、超大事!」という話をしたくなりますが、お金よりも大切なものがあるのも事実です。
心理学者の研究などでは、「お金より健康が大事!」「お金より人間関係が大事!」「お金より自分の人生をコントロールしている感覚が大事!」といったことが分かっているのです。
お金は大切だが「すべて」ではない
これまでの話をまとめると、「お金=悪」「お金=すべて」という、どちらの考え方もよくないことが分かりました。結局、「お金は大切だけど、すべてではない!」ということなんでしょうな。僕らは単純な生き物なので、「ゼロか百か」「シロかクロか」とスパッと結論を出したいものです。でも、お金に限っては「シロでもクロでもなく、グレーな道を進む」ってのが、正解なんでしょうな。
【参考文献】
- 論文:Bradley T. Klontz, Paul Sullivan, Martin C. Seay, and Anthogy Canale, 2015, "The Wealthy: A Financial Psychological Profile", Consulting Psychology Journal: Practive and Research, 67(2), pp. 127-143
- 論文:筒井義郎, 大竹文雄, 池田新介, 2009, "なぜあなたは不幸なのか", Osaka economic papers, 58(4), pp. 20-57