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その値段のハイスペックスマホ、もはや感動に見合わず

最近のスマホの最新機種、高いなと思いませんか。もしこんなに高くなくてもいいかもと思うなら、それは案外当たっているかもしれません。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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iPhone4やiPhone5を手に入れたときの感動、覚えてますか

iPhoneがこの世界に誕生し、完成したパッケージのスマートフォンが出回ってから、実はまだ10年とちょっとしか立っていません。その前にプロトタイプのスマホが出た時期を足し合わせても、15年というところでしょう。

しかし私たちは、スマホを持っていない人を探すのが難しいほど、「当たり前」のものとしてタッチパネルとスマホを使うようになりました。使う目的もメールやブラウジング、ゲーム、読書など様々ですが、電車に乗ってみればほとんどの人がスマホの画面を見つめています。

あなたが最初のスマホを手にしたのは、いつ頃だったでしょうか。私はiPhone3GSを最初に買ってとても感動し、妻にずいぶん熱心に布教したことを覚えています(妻はiPhone以前からシャープのW-ZERO3というスマホの原型ともいうべき機種の愛用者だったので、絶対気に入ると思ったのです)。

iPhone4やiPhone5の頃、あなたがスマホを始めて触ったとき、最初はちょっと当惑し、しばらく使ってみて「こんな便利なものがあるなんて!」と感動したのではないでしょうか。その後Androidスマホも登場し、最初は機能が悪かったもののあっという間に追いつきました。

iPhoneもAndroidスマホも、何度か買い換えを経て今の機種に至っていると思いますが、これまでは何度も「買い換えの感動」を味わってきたのではないでしょうか。
 

スマホのコモディティ化。スペックアップ競争は一段落し、誰でも持つ時代へ

しかし、時代は変わりました。スペックアップ競争は踊り場にさしかかっています。iPhoneの4から5に変わるころなどは、毎年大幅な機能向上が図られ、2年に一度は最新機種に買い換えないと、そもそも使用に耐えないくらい時代遅れになっていたものです。

Androidスマホもハードとソフトの両面で、使い勝手の悪さがどんどん改善されたので、やはり2年に一度くらい買い換える合理性がありました。ところがそうした機能強化のスピードは、落ち着いてきました。誰でも普通にスマホを持つ時代になり、かつ機能もハードウェアのスペックも落ち着いてきています。
スマートフォン

スペックアップ競争は一段落し、2年以上経ったスマホでも十分使うことができます。
 

言い換えれば、2年でポンコツになる時代は終わりました。今でもiPhone6やiPhone7を使うことができますし、3~4年前のAndroidスマホは現役選手として活躍してくれます。
 

今でも最新機種に感動できるか、自分に問いかけよう

そんな時代に今発売されている最新機種で、4年前や6年前と同じような感動ができるかは微妙です。まず「スペックが大幅に向上した」という感動はあまりありません。そもそも操作のサクサク感が落ちないので、買い換えても動きが速くなった感じを持てないのです。

「通信速度が劇的に向上する」という満足でもあまり実感が抱けません。いきなり10年前のスマホを触れば、今の通信速度に感動するでしょうが、ちょっとずつのスピードアップはもはや強い感動にはならないからです。むしろ接続が悪くて待たされるときのイライラは、最新機種でも起き、そのほうが強く印象に残ったりします。

一方で、値段は上がりました。2010年頃のニュースを調べてみたところ、当時の最高スペックだった32GBのiPhone4は一括で57600円だったそうです。今現在の最新機種iPhoneXSの512GBモデルは一括払いで購入しようとすると、17~18万円ほどかかります(携帯電話会社の契約によって若干の差がある)。

確かにスペックは何倍にもアップ(たとえば容量は16倍!)していますが、私たちの感動が16倍も増えているわけではないでしょう。値段も倍以上になっていますが、満足度が200%も感じられるかは難しいところです。

正直に言ってしまえば、「値段の高さに見合う感動は得にくい」はずです。
 

ハイスペックを追い求め、2年に一度買い換える時代の終わり

今回のマネーハックが何をお話ししたいかというと「価格に見合った満足度を得る」ということの難しさです。

あなたがもし、スペック表を端から端まで読んで、買い換えの度に今でも感動できるタイプなら、18万円払おうともそれは支出に見合う満足が手に入るでしょう。

しかし、「LINEとインスタ、あとはスマホゲームが動けばまあいいんじゃない?」「1000万画素近くなってから写真の画質が向上した感じは正直分からないよね」というようなタイプなら、もうハイスペックを追いかけて高額出費をする必要はないのです。

たとえば「一括払い2~3万円台」の格安スマホに切り替えてみても、あまり機能の不具合を感じることはないでしょう。私のイメージでは昨年のエントリー~ミドルクラスのAndroidスマホというイメージです。

それこそ「毎年3万円のスマホを買い換える」としても、今の最新機種を2年持つより安いくらいですが、もしかすると毎年買い換えるロースペックのスマホのほうが楽しめるかもしれません。価格と満足のバランスは変わってきているのです。

格安スマホにするためには、格安スマホの業者(MVNO)に切り替える必要がありますが、通信費も安くなります。安くなっても、通信速度に関して最速を常に希望していないならたぶん、あまり気にならないと思います。そうなれば、端末代に加えて通信費も節約できますから、コスパは向上することになります。

あなたがもし、2年しばりのお知らせを携帯電話会社からもらうたび、今でも機種変更をしているのなら、次のタイミングは自分の「当たり前」を疑ってみるいい機会かもしれません。

「え、毎月の負担が半額、端末代3分の1でも不満ゼロじゃん!」と喜べるなら、これは相当お得な買い物になるはずです。ぜひお試しを。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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