預金・貯金

「決済用預金」とは?メリットとデメリットは?

あまり聞きなれませんが、銀行には普通預金以外にも「決済用預金」という口座があります。決済用預金と普通預金の違いとは? メリット、デメリットについても詳しく解説します。デメリットとしては、普通預金にお金を預けていると、大手銀行で0.001%程度の金利が付きますが、決済用預金には金利が付きません。メリットとしては、銀行が破たんした場合でも、預金保険制度で当座預金や利息の付かない決済用預金は、全額保護されるという点です。

滝田 知歩

執筆者:滝田 知歩

初心者向け貯蓄に役立つ情報ガイド

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決済用預金とは?そのメリットは?

給与の振り込みや、公共料金の支払い、クレジットカードの引き落としなどのために、誰でも1つは銀行の普通預金口座を持っているでしょう。では、「決済用預金」という口座をご存知ですか? これは銀行で開設できる預金口座のことで、「決済用普通預金」ともいわれます。
 

 
銀行が破たんした場合でも、当座預金や利息の付かない普通預金(決済用預金)は、全額保護される

銀行が破たんした場合でも、当座預金や利息の付かない普通預金(決済用預金)は、全額保護される

 

金融機関が破たんした時には「預金保険制度」でお金が守られる

なぜ、普通預金とは別に決済用預金があるのかというと、金融機関が破たんした際に預金者のお金を守ることを定めた「預金保険制度」と深い関係があります。
 
預金保険制度では、万が一金融機関が破たんした場合には、定期預金や利息の付く普通預金に関して、1金融機関で預金者1人当たり元本1000万円+利息分までの払い戻しを保護することになっています。このお金の払い戻しのことを「ペイオフ」といいます。
 
「銀行が倒産するなんてなかなかないこと」と思う人もいるかもしれませんが、2010年に日本振興銀行が経営破たんし、日本初のペイオフが発動されました。このとき、大口預金の約4割の払い戻しがカットされてしまいました。
 
つまり、1つの銀行に1000万円超お金を預けていると、超えた分は保護されないリスクがあるのです。ただし、預金保険制度では、銀行が破たんした場合でも、当座預金や利息の付かない普通預金(決済用預金)は、全額保護されます。

 
預金保険制度の対象になる範囲とは?

預金保険制度の対象になる範囲とは?



1000万円超の資産を1つの銀行にまとめて預けておきたいときに活用できるのか、決済用預金なのです。
 

決済用預金と普通預金の違いは?

決済用預金の特徴は、「無利息」「いつでも払い戻しができる」「決済サービスに利用できる」の3つです。いつでも出し入れができて、決済用の口座に利用できる点は、普通預金と同じです。ただし、通常なら普通預金にお金を預けていると、大手銀行で0.001%程度の金利が付きますが、決済用預金には金利が付きません。
 
金利以外はというと、機能面での違いはなく、普通預金と同じように使うことができます。決済用預金は、新規で口座を開設するほか、普通預金を決済用預金に切り替えることができます。切り替えた場合、口座番号はそのまま使用できるので、クレジットカードや公共料金の引き落としなど、自動振替契約の変更は必要ありません。通帳やキャッシュカードもそのまま使うことができるのが一般的です。なお、普通預金を決済用預金に切り替える際に、金融機関によっては手数料がかかることもあるので、窓口で確認するといいでしょう。
 
決済用預金を新規で開設する場合は、普通預金と同様に通帳・キャッシュカードが発行されます。キャッシュカードはATMでの入出金や振り込みなどができるほか、デビットカードとして使える(別途申し込みが必要)など、利便性は普通預金と同じとなっています。
 

決済用預金のデメリットは?

決済用預金のデメリットは、前述したように「無利息」という点に尽きます。ただし現在、普通預金の金利は0.001%程度で、10万円預けたとしても1年間でわずか1円(税引き前)の利息しか付きません。
 
現在のような低金利の状況では、普通預金はあくまで決済用の口座として活用し、それ以外の資金は、普通預金に預けっぱなしにしないで、少しでも高金利のネット定期などに預け分けをするのが金利を稼ぐ方法といえます。そのため、普通預金や決済用預金を決済機能に特化した使い方をするなら、金利が付かないデメリットはほぼないと考えたほうがいいでしょう。
 
決済用預金は、ペイオフ時には金額に関係なく全額保護されるという点が最大のメリットです。1つの銀行に預けている金額が1000万円を超えた場合は、決済用預金の活用や、ほかの金融機関への預け分けをぜひ検討しましょう。
 
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