広義の投資信託ではインバース型(ベア型)が上位に

広い意味で「投資信託」とくくれば、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)も含まれることになります。ただ「投資信託」といえば、ETFやREITを除くのが一般的であることから、これから述べる好成績ファンドも「投資信託」だけで紹介したいと思います。

しかし、2018年の全投資信託(DC:確定拠出年金、SMA:ラップ口座は除く)の運用成績では、上位は軒並みETF(上場投資信託)が占めています。個人投資家としては、広義の運用成績も気になることでしょうから、簡単に触れておくことにします。

広義の投資信託で最も運用成績(年間リターン)が高かったのは、「VIX短期先物指数」に連動するETF(コード:1552)です。基準価格の変動率を、円換算したS&P500VIX短期先物指数の変動率に一致させることを目指して運用が行われます。年間リターンは何と72.06%と突出しています。2018年は年終盤にかけて投資家のリスク姿勢が高まったことから同指数が急騰。結果として高い運用成績となったわけです。

2位~7位がインバース型(ベア型)のETFです。TOPIX、JPX日経インデックス400などの指数と逆の値動きをするものです。これらの指数が下落するときに、インバース型のETFは価格が上昇することになります。2位、3位のETFはTOPIXの値動きのマイナス2倍となるもので、年間リターンは約25%となっています。
 

J-REITを投資対象とするファンドが独占

通常の投資信託の中では、年間リターンのベスト10の全てがJ-REITを投資対象とする投資信託でした。世界的に株価指数の年間騰落率がマイナスとなる中、東証REIT指数は約6.7%のプラスであったのです。このためベスト10はJ-REITを投資対象とする投資信託が席捲したわけです。年間リターンは全て11%強という狭い範囲に納まっていますが、東証REIT指数をアウトパフォームしているうえ、国内株がほぼ全滅ということを考えると良好な運用成績と言えるでしょう。

J-REITを投資対象とする投資信託の運用成績が好調だった背景は、ひとえに需給が改善したことがあげられます。2017年、世界的に株価指数の年間騰落率はプラスでしたが、東証REIT指数はマイナスだったのです。不動産市況は良好だったのですが、毎期分配型投資信託の販売姿勢に金融庁から指導が入り、毎月分配型投資信託から投資資金が流出。同投資信託の主要投資対象の中には、J-REITも入っていたことから、個人投資家の換金に伴う売却が五月雨のように出ていたため、2017年の騰落率はマイナスとなってしまったのです。

その換金売りも2018年には納まり需給が改善。さらにファンダメンダルズを考慮しない水準までJ-REITが売られていたため、割安度に着目した買いが徐々に入って価格を押し上げたのです。注意したいのは、2018年こそ日本株とJ-REITは逆の動きとなりましたが、中・長期で見ると同調した動きになるケースが多いため、債券ほど分散投資の効果は高くないようです。
 

運用会社にも偏りが見られる

 
2018年の全ファンド年間騰落率ベスト10

2018年の全ファンド年間騰落率ベスト10


図は2018年、全ファンド騰落率ベスト10ですが、よく見ると運用会社は「アセットマネジメントOne」、「野村アセットマネジメント」と2社に偏りがあることです。これは決算期こそ異なるものの、投資しているマザーファンドが同じものであることがその要因です。運用成績も違いがあるとはいえごくわずか。決算期の違い、投資資金の流出入などの違いで運用成績に違いが出ているに過ぎないということです。

あくまでも図は2018年の年間騰落率(結果)であって、2019年もJ-REITが有望ということを証明しているものではありません。ごくまれに同じ投資対象が連続することがありますが、投資は当てに行くものではないということを付け加えておきましょう。

なおベスト10では「通貨選択型」を除いていますが、通貨選択型を含めると「東京海上J-REIT投信(通貨選択型)メキシコペソコース(毎月分配型)」が、年間リターン12.13%でトップになります。ただし、通貨選択型はこのファンドだけが好成績でした。
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