父が亡くなったら廃業かも? どうやって生活していけばいい?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は父親が経営する会社で働き、夫は外国人という45歳の女性。現在は十分な収入があるものの安定的ではないため、とにかく将来が不安だというお悩みです。ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

 
父親が亡くなったら廃業になるかもしれなくて不安に

父親が亡くなったら廃業になるかもしれなくて不安に



 
■相談者
将来が不安さん(仮名)
女性/会社員/45歳
千葉/持ち家(マンション)
 
■家族構成
夫(契約社員・40代)、子ども1人(3歳)
 
■相談内容
私の主人は外国人なので、将来は日本人のように保障がありません。現在は私の扶養家族です。彼からは月々決まった金額をもらい、私がそれを管理しています。彼のお小遣いは残ったお金でやりくり、お財布は別です。幸い無類の節約家なので、彼のお小遣いから食品を買ってくるなど助けてくれています。私は一年に一度くらい散財しますが(家電や宝石)、日頃は遊びに行くこともなく質素に暮らしています。いまは住宅ローンが重くのしかかっています。住宅ローン控除はあと8年残っていますが、気にせずにどんどん繰り上げ返済した方がよいでしょうか。年金も17年しか支払っておらず、今のところ月々6万5000円くらいで全然足りません。

現在は父が経営する会社で働いています。業績もよく、万が一父に何かあっても会社は継続していくつもりです。しかし、大企業勤務ほどの安定はありません。会社に何かあったら、給与もガクンと下がりますし転職をしなければならないかもしれません。将来を考えると不安で仕方ありません。老後は外国人の主人の給与は当てにならないと思うので、私が頑張って面倒をみるつもりです。子どもに迷惑を掛けず、ある程度豊かに老後を送るために、どんな人生設計をしていけばよいでしょうか。どうかご指導下さい。
 
 
■家計収支データ
相談者「将来が不安」さんの家計収支データ

相談者「将来が不安」さんの家計収支データ



 
■家計データ補足
(1)住宅ローンについて        
購入時の物件の状況 中古<築10年>
借り入れ時期  2016年7月
物件価格 5800万円
諸費用  360万円
頭金   800万円
借り入れ期間  35年
金利のタイプ  変動金利 0.725%
毎月の返済額   6万401円
ボーナスの返済額   なし
住宅ローン残高  約1600万円
固定資産税  年17万4300円
 
(2)加入している保険
[夫]
医療保険(終身払い終身保障/入院5000円、診断給付金75万円、がん通院特約5000円)=毎月の保険料6000円

[妻]
個人年金(52歳払込満了、60歳時一時受け取り670万円・10年分割702万円)=毎月の保険料5万円

終身保険(62歳払込満了、死亡保障700万円、65歳<=533万円>以降は解約しても損しない)=毎月の保険料2万2000円

医療保険(終身払い終身保障、入院5000円、長期入院対応)=毎月の保険料2400円
 
(3)毎月の貯蓄の内訳
毎月必ず貯めているのは、夫との共有口座10万円、自分の貯蓄10万円、積立投信2万円、子どものため2万円。黒字分は別途、特別費用に貯めておいてレジャー費、被服費、医療費などに充てている。
 
(4)子どもの進路、教育費について
進路は、公立小→私立中学→私立高校→私立大学(自宅通学)を想定している。4歳になったらピアノ、5歳になったらいまやっている水泳の習い事をやめて体操教室へ、小学生になったら公文、小学校4年生~高校3年生まで塾へ通わせるつもり。教育資金として親から教育資金贈与の非課税制度を利用して1000万円の贈与を受けている。
 
(5)公的年金の加入状況
送付されたねんきん定期便(平成30年1月)によると、厚生年金加入期間210カ月、国民年金34万943円、厚生年金49万481円=合計83万1424円。
 
(6)夫婦の定年時期、その後の就業見込み
夫は学校の契約社員なので特に定年はないが、高齢になると人気が落ちる人が多いので先細りになる可能性が高い。しかし、フリーでも教師は続けるつもり。妻は会社が倒産しない限り、いまの会社で70歳まで働く。しかし父が亡くなり業績が悪化した場合は、借金を作る前に廃業する予定。その後は社員、パート、派遣など何でも構わないので、手取り15万円程度は働く。ただし、不動産収入などがあれば60歳前後には週3、4日のアルバイト程度が希望。
 
(7)親の介護や相続について
親に介護が必要になっても、親のお金で問題なくまかなえると思う。2000万円程度は相続できると聞いている。
 
■ファイナンシャル・プランナー藤川太の3つのアドバイス
アドバイス1 不安を感じすぎ。親の援助もあり心配は不要
アドバイス2 経営者一族としての自覚を持ち、マネジメントを学んで
アドバイス3 いざという時は小さな家計にする覚悟を持つ
 

アドバイス1 不安を感じすぎ。親の援助もあり心配は不要

ひと言でいって、心配しすぎです。現在の状況を見る限り、どうしてそんなに不安を感じるのか逆に不思議です。「住宅ローンが重くのしかかっている」とおっしゃいますが、毎月の返済額はそれほど多くありません。またローン残高も、買い替え資金で一部返済しているため年齢からみて多すぎるというほどではありません。現在の恵まれた状況を支えてくださっているお父さまは、将来が不安さんに十分な給与を払い、お子さんのためには教育資金贈与もしてくれています。それなのに、そんなに不安を感じるなんてお父さまが聞いたらがっかりなさるのではないでしょうか。

家計については、収入が多い分しっかり貯めていますから内容に大きな問題はありません。年金の心配をされているようですが、70歳まで働けばあと25年=300月分増えます。現在の収入が続けば、それほど心配する必要はないのではないでしょうか。
 

アドバイス2 経営者一族としての自覚を持ち、マネジメントを学んで

そもそも、お父さまに何かあったら業績が悪化する前に廃業する予定という、将来が不安さんの意識に問題があるように思います。いま、これだけの給料をもらえているのは経営者一族だからということを自覚していますか。目の前にお父さまといういい先生がいて、順調な事業という資源があるのに、簡単に手放すことを考えてはいけません。

いざとなったら自分が引き継いでやっていく、お子さんもいらっしゃることですし次代へ継続するくらいの意識と覚悟を持って仕事に取り組んでほしいものです。将来に不安を感じるのは受け身だからで、能動的に考える意識がリスクを減らします。経営者一族にとって、将来の不安を軽減してくれるのは何よりも事業の継続です。安定させたいと思うのなら、住宅ローンの繰上返済をどうするかといった細かいことを心配するのではなく、経営のノウハウを学んでください。経営者は事業さえ順調ならば定年もないようなものですから、老後の心配も不要になります。
 

アドバイス3 いざという時は小さな家計にする覚悟を持つ

とはいえ、事業には波がありますから引き際を見極めることも必要です。経営者にとって自分が持っている資産はバッファのようなものですから、いざという時には家を売るくらいの気持ちは必要ですし、そのために資産形成をして備えなくてはいけません。家計も収入が下がったら、それに応じて支出をしぼることが必要です。

支出が多い家計に見えますが、貯蓄性保険の保険料も含めると30万円以上貯めていますから、使い過ぎているということはありません。貯蓄性保険の入りすぎはお金の流動性がなくなるので一般的にはあまりおすすめしませんが、将来が不安さんの場合は安心材料のひとつと考えれば問題ないでしょう。
 

相談者「将来が不安」さんより寄せられた感想

藤川先生、この度はアドバイスをいただき、有難うございました。いつも将来のお金に対する漠然とした不安に苛まれておりました。何度も拝読させていただき、会社に対する私の思いの消極さが問題なんだとハッとさせられました。頑張ってこの会社を築いてきた父の思いを引き継ぎ、もっと盛り立てていきたいと思います。その為には積極的に経営の事を勉強し、自分自身の意識も変えていかなければいけないと気付きました。先生のアドバイスは私が想定していたような家計管理の事を飛び越え、もっと深いところでのご助言でした。本当に有難うございました。


教えてくれたのは……
藤川太さん
 
 

 


All About「資産運用」ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたFP。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに詳しく「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスしています。





取材・文/鈴木弥生

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