それもあり、これまで「パートナーの収入をアップするには、何をすればよい?」とか、「不労所得を作るには、何から手を付けたらよいのだろうか?」といったテーマで、効果の大きそうな手法を取り上げてきました。
とはいえ、不労所得の作り方については各自努力するとして、パートナーが居ない方からすれば、「そもそも、高収入なパートナーを見つけるには、どうすればよいのさ?」といった点が疑問なところです。
パートナーを決めるときには、結婚する前、婚約をする前、お付き合いを始める前に、相手の収入は最低限、知っておきたいところです。とはいえ、「あなたの年収は何万円ですか?」とは、なかなか聞けませんよね…。聞いてしまえば、(お金目当てか…)と思われてしまうかもしれませんし、人間関係が壊れてしまう恐れもあります。
とはいえ、何もメドが立たないうちに、「結婚する!」と決めるのも危険です。付き合い始めてみてから、「お金にだらしの無い、貧乏人だった!」と後悔するのは、できれば避けたいものです。
そこで今回は、婚活中の男女の方に向けて、「高収入なパートナーを探すとき、パートナー候補のどんな部分を観察すれば、相手の収入を予想することができるのか?」科学的なポイントを3つご紹介しましょう。
元ネタ:テンプル大学の研究
高収入なパートナーを探したいときには、「年収」と直接関係のありそうなポイントを、優先的に確かめるのが有効です。本記事でご紹介したいのは、テンプル大学のWilliam H. Hamptonらの研究(2)です。研究者らによると、いくつかある要素のうち、収入の予測につながる要素トップ5は、以下の5つだったのだとか。
第1位:職業
第2位:教育
第3位:住んでいる場所
第4位:性別
第5位:遅延割引
このうち、「住んでいる場所」や「性別」は、変えることが難しいです。それこそ、「お金持ちになるには、奈良県や茨城県が有利では?」なんて話もありますが、近辺に住んでいない方からすれば、「だからって引っ越すのは難しいでしょ…」というところでしょう。
それに、日本では「男性の方が女性よりも、収入が高い傾向がある!」というのは常識です。ですが、だからといって、「女性が好きな人は、女性の代わりに、男性を好きになってみては?」という訳にもいきません。
よって、高収入なパートナーを探すときは、「住んでいる場所」と「性別」の2要素を差し引いて、「職業」「教育」「遅延割引」の3要素に注目して、パートナー候補を観察するとよいでしょう。
チェックポイント1:職業
1つ目のチェックポイントは、「職業」です。当たり前ではありますが、職業は収入に大きな影響を与えます。高収入なパートナーを求める方は、相手の職業にはこだわるべきでしょう。ちなみに、厚生労働省の調査(3)によれば、高収入な職種トップ5は、「医師」「航空機操縦士」「大学教授」「公認会計士」「弁護士」の5つだったのだとか。
これらの職種に限らず、真剣にパートナーの収入を見極めたい方は、「相手の職業は、日本全体で見て、どれくらいの収入を稼いでいるのだろうか?」を確認するとよいでしょう。最近は、転職支援サイトで、年齢別の平均年収がまとめられています。こういった情報源を頼りに、パートナー候補の収入に当たりを付けてみてはいかがでしょうか。
チェックポイント2:教育
2つ目のチェックポイントは、「教育」です。倫理的、道徳的には「人間は学歴じゃ決まらない!」と言いたいところですが、それでも学歴によって経済格差が生まれているのも事実です。ですから、「性格は素敵なんだけど、この人のせいでお金の苦労をするのは、ちょっとなぁ…」と思う場合は、パートナー候補の教育レベルについても確認した方がよいでしょう。
一般に、「学歴が高い人ほど高収入!」というのは間違いなく事実ですから、この点は確認しておくとよいでしょう。厚生労働省の調査(3)によれば、年収は「大卒>短大卒>高卒」の順になる傾向があると分かっています。最低限、最終学歴はチェックしておきましょう。
チェックポイント3:遅延割引
3つ目のチェックポイントは、「遅延割引」です。遅延割引とは、「将来の大きな報酬を受け取るために、現在の小さな報酬を我慢できるか?」という概念です。遅延割引の有効性については、スタンフォード大学の心理学者、ウォルター・ミシェルが行ったマシュマロ実験(4)が有名です。
この実験では、「今すぐマシュマロを1つ食べるか、15分間、我慢した後にマシュマロを2つもらうか」の二択を子供に選ばせる実験を行いました。実験の結果、マシュマロの誘惑を我慢できた子供は、20年後にも成功している可能性が高かったのだとか。
つまり、「長期的な視点で考えられる人」「将来のために、今を我慢できる、自制心を持っている人」が、経済的にも成功しやすいということです。最近になって、マシュマロ実験は一部反証されましたが、それでも有効な要素の1つであることには違いなさそうですね。
ですから、パートナーを選ぶときには、相手に「自制心があるか?」を観察してみると良いでしょう。
たとえば、「夜食を我慢できるかどうか」「衝動買いを我慢できるかどうか」など、自制心が試されるような瞬間で、パートナー候補がどのような行動に出るのか、様子を見てみるとよいでしょう。肝心な場面で我慢のできる人であれば、将来的に高収入になる可能性が期待できそうです。
まとめ
ぼくは「お金は人生の全て!」とは思いません。しかし、「お金も結構大事!」というのは間違いないと思います。これから添い遂げるパートナー。経済的な余裕があった方が、安心した暮らしができるのではないでしょうか。収入が全てとは言いませんが、「できれば高収入なパートナーの方が嬉しい…」というのが本音では。そういう方は、ぜひとも本記事の内容を参考にして頂けたらと思います。
●参考文献
- ワーキングペーパー:Jesse Rothstein, 2018, "Inequality of Educational Opportunity? Schools as Mediators of the Intergenerational Transmission of Income", NBER Working Paper, 24537
- 論文:William H. Hampton, Nima Asadi, and Ingrid R. Olson, 2018, “Good Things for Those Who Wait: Predictive Modeling Highlights Importance of Delay Discounting for Income Attainment”, frontiers in Psychology, 9(1545), pp. 1-10
- 調査:厚生労働省, "平成29年賃金構造基本統計調査"
- 論文:Walter Mischel, Ebbe B. Ebbesen, and Antonette Raskoff Zeiss, 1972, "Cognitive and Attentional Mechanisms in Delay of Gratification", Journal of Personality and Social Psychology, 21(2), pp. 204-218