「資産運用が大切!」って話はよく聞きます。しかし、「結局のところ、どれくらいお金が増えるの?」って話には、ちゃんと答えてくれる人が少ないような気がします。
 
それこそ、「金利だけで年利3%!」とか、「利回り10%!」とか。さまざまな投資商品が行き交っていますが、実際のところ、本当に期待できる利回りは、なんぼのものなのでしょうか?
 
そこで今回は、「資産運用って結局どれぐらいお金が増えるの?」という疑問をお持ちの方に向けて、正しい知識をご紹介しましょう。
 

国債は全て「日本国債と同じ利回り」と考える

まず、「リスクを取らずにお金を増やしたい!」という方向けに、国債の利回りについてから考えていきます。結論から言いましょう。やや乱暴な言い方かもしれませんが、債券投資は、基本的には、どの国債を選んでも、日本国債と同じ利回りだと考えておきましょう。
 
ちなみに、日本国債の場合、10年国債の利回りは年率0.10%ほどです(1)(※2018年11月16日時点)。ですから、外貨建ての国債のどれを買っても、円建てに戻せば「すべて年率0.10%のレートに戻る」と考えておくと無難です。
 
こんな話を聞くと、「外貨建てだと利回りが3%という国債もあるのに、どうして日本国債と同じ利回りなの?」と疑問を抱く方もいるかもしれません。
 
この点については、「為替レートは金利も加味した上で変化するものだ」と、ざっくり理解しておくと良いかもしれません。たとえば、「金利の高い通貨を持っていると、為替レートはそれを修正する動きで動く」という具合です。
 
やや雑な覚え方ではありますが、「高い利回りを受けられる国債は、その利回りの代わりに、為替で修正されていく!」とイメージしておくと良いでしょう。
 
むしろ、外貨建ての商品の場合は、日本国債を買う場合よりも多額の手数料が取られる場合もあります。その場合は、黙って日本国債を買った方がお得な場合もありますから、注意が必要です。
 
まとめると、「外国の国債を買ったからといって、日本国債を買うよりも儲かるわけじゃない!」ということですね。とはいえ、複数国の国債を買うと信用リスクの分散ができるという利点があるので、国債を買うにしても複数の国に分けて買うのが無難です。手数料の安いものを選び、手堅く運用を目指しましょう。
 

株式は長い目で見ると「債券+4~5%」に落ち着く 

次に、株式投資の場合を考えていきましょう。巷では、「2倍株を発掘!」のような広告が出回っているようですが、このような運用はギャンブルじみていることが多いです。ですから、まずはこの先入観を捨てましょう。
 
株式投資の場合は、「プロの話を聞いても、ほぼ役に立たない」ことが分かっています。ですから、コストの安い投資信託を買って、インデックス投資を行うのが、もっとも無難な回答かと思います。
 
「インデックス投資」では、大きな利益を欲張ることなく、平均点を目指します。インデックス投資は「大半のプロやアマチュアよりも成績が良い!」ことが分かっていますので、手堅く運用したい方はインデックス投資だけやっていれば十分でしょう。
 
なお、インデックス投資を使ったときの利回りは、債券+4~5%程度を想定すると良いでしょう。証券経済研究に掲載された論文(2)によれば、過去62年間の時系列データを分析したところ、米国株の利回りは債券+4%、日本株の利回りは債券+5%ほどだったことが分かっています。
 
株式の方が債券よりも利回りが高くなる現象は、「リスクプレミアム(危険負担料)」と呼ばれています。株式投資は国債よりもリスクが大きいことから、その分の危険負担料として、大きな利回りが期待できると言えるでしょう。 
 

まとめ 

以上の話をまとめると、「債券投資の利回りは0.1%程度!」「株式投資の利回りは債券+4~5%程度!」と言えるでしょう。「ちょっと少なくない?」と思う方もいるかもしれませんが、年利回り4%と言えば、18年で資産が倍増する計算です。放ったらかしにしておくだけにしては良いペースだと思います。
 
また、保有資産を全て株式に投入することも危険です。仮に「株式:債券=1:1」カウチポテトポートフォリオで運用するとして、無難に期待できる利回りは2~3%といったところでしょう。
 
なお、これ以上の利回りを目指したい方は、借金をするのは論外として、個別株投資や、タイミングを見極めるなど、利回りアップにつながるテクニックを駆使する必要があるでしょう。
 
とはいえ、テクニックを弄するには、その分大きなリスクを抱えたり、手間がかかることにつながります。ですから、まずは無難にインデックス投資から始めるのが無難であり、オススメです。
 
 
●参考文献
 
  1. ウェブサイト:楽天証券, "債券・国債利回り | マーケット情報 | 楽天証券", 2018年11月16日時点
  2. 論文:山口勝業, 2016, "株式リスクプレミアムの時系列変動の推計 --日米市場での62年間の実証分析", 証券経済研究, 93, pp. 103-111
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