耳の痛みの原因は様々
中耳炎、外耳炎、気圧の変化、ヘルペスウイルスなど、耳の痛みは様々な原因で起こります
「耳の痛み」の原因は、耳掃除のしすぎや耳垢の溜まりすぎによる外耳炎、風邪などで起こりやすい急性中耳炎、気圧の変化やウイルスによるものなど様々。外耳・中耳・耳管・内耳と、耳の部位で分けて、耳の痛みの原因として考えられる病気を挙げてみましょう。
【外耳に原因がある耳の痛み】耳掃除や耳垢の溜まりすぎでも起こる「外耳炎」
耳掃除を頻繁にする人や、反対に耳垢を溜めすぎて長年放置している人は、外耳道の炎症である「外耳炎」による耳の痛みに悩まされることがあります。耳がかゆいとついいじってしまう人や、定期的に耳掃除をする習慣がある人は、耳の穴の中まで自分で掃除しないようにしましょう。耳垢が溜まってしまった場合や、鼓膜にこびりついているように感じるなどの違和感があるときは、耳鼻科で処置を受けられます。乳幼児の風呂上がりなど、水が入っていないか気になる場合も、外側を軽く拭く程度で十分。大人も子供も、外耳道をこすって傷つけることがないようにしましょう。
【中耳に原因がある耳の痛み】子どもだけでなく大人にも起こる「中耳炎」
耳の痛みの原因として多いのが、中耳に炎症が起こる「中耳炎」。子どもに多い中耳炎ですが、鼻炎があると大人にも起こることがあります。中耳炎にはいくつかの種類があり、耳が痛くなるのは急性中耳炎。間違われやすいのですが、滲出性中耳炎の場合は耳は痛くなりません。急性中耳炎になりやすいのは、風邪で鼻水をすすってしまったときや、汚い鼻水が出るとき、飛行機に乗った後などです。
外耳炎との違いは、急性中耳炎は耳たぶを引っ張っても痛くないことです。外耳炎は耳たぶを引っ張ると痛くなるため、自分でも見分けることができます。
【耳管に原因がある耳の痛み】気圧の変化に対応できない「耳管狭窄症」や「耳管開放症」
耳と鼻をつなぐ管である「耳管」。鼓膜の内側の中耳とつながっていて、鼻の一番奥に出口があります。耳管は普段は閉じていますが、つばを飲み込むなど嚥下するときに開き、鼓膜の外と内の圧力を調整しています。耳管の機能が低下してしまう「耳管狭窄症」や「耳管開放症」などの病気がある場合、耳の閉塞感が生じたり、高速エレベーターや飛行機の離着陸などで急に圧が変わったりときに痛みを感じたりするようになります。【内耳に原因がある耳の痛み】「ヘルペスウイルス」増殖による痛み
内耳にある三叉神経でヘルペスウイルスが増殖してしまった場合も、耳が痛くなることがあります。ヘルペスウイルスは常在ウイルスで、すべての人が持っているものです。しかし、風邪をひいたときや、睡眠不足や疲れで抵抗力が下がっていて免疫力が弱くなっているとき、季節の変わり目などに、炎症が起きている部位でウイルスが増えることがあります。一度治っても反復することがあるのが特徴です。内耳道には聴神経があるため、痛みの他にも、耳の閉塞感や、慢性的なものではない急に起きた耳鳴、ふわっとしためまいなどの症状が出ることも。ヘルペスウイルスにはいくつかのタイプがありますが、口内炎や一部の頭痛、帯状疱疹の原因ウイルスもヘルペスウイルス属に入ります。