年収アップにつながる要素トップ3
テンプル大学のWilliam H. Hamptonらの研究(1)によると、収入を予測するには3つの要素を確認するのが効果的なのだとか。その要素とは、以下の3つです。第1位:職業
第2位:教育
第3位:住んでいる場所
ですから、あなたが年収をアップしたいのであれば、その方法は、この3つの視点からアプローチするのが効果的だと思います。つまり、「職業を改善する」「教育を改善する」「住んでいる場所を改善する」ということですね。
たとえば、あなたが今の職場に満足できないのであれば、転職を視野に入れてもよいかもしれません。転職サイトに登録して、今よりも良い就職先が見つかれば、そこへ移ることで、人生の質が大きく変わることでしょう。
あるいは、あなたが住んでいる場所が特殊で、あまりよい職が見つからないということでしたら、引っ越しを検討した方がよいでしょう。「住む場所が収入を左右する」という話は、別の研究(2)によっても、その効果が確認されています。ですから、収入を増やすのに、「引っ越しをする」というのは、かなり手堅い選択の1つだと言えるでしょう。
ちなみに、ぼくが過去に書いた記事で、「もっともお金持ちになりやすい都道府県はどこか?」をまとめたものがあります。引っ越しを検討されている方は、こちらも参考までにご確認ください。
しかし、「職業を変える」ことや、「住んでいる場所を変える」ことは、カンタンなことではありません。転職するには、働きながら転職先を探す必要がありますし、時期によっては、よい転職先に巡り会えない可能性もあります。
それに、「住んでいる場所を変えれば収入が増える」と言われても、そもそも引っ越しにはお金がかかります。最低でも数十万円単位。高ければ百万円単位の出費となるでしょうから、安易に引っ越しを決めるというのは、無計画になりうるでしょう。
金銭リスクフリーで年収を増やす方法
そこで、ぼくが注目したのは第3の案、つまり、「教育の改善」です。収入を増やしたいのであれば、まずはここに注目するべきです。教育の改善はカンタンです。やることはたったの1つです。何をすればよいのかというと、「図書館へ行って、本を借りる」だけです。
第1に、読書は収入アップにつながります。Giorgio Brunelloらの研究(3)によると、子どもの頃に読書をしておくと、読書をしなかった人よりも、年収が2割近くもアップしたのだとか。
第2に、読書は幸せを呼びます。Qian-Wen Xieらの研究(4)によれば、読書をする子どもほど人生の満足度が高まるなんて結果も出ています。
しかも、図書館へ行けば無料で本を借りることができるし、ほぼ無制限で使えるわけです。要するに、「図書館へ行って本を読みまくれば収入が増えるし、幸せにもなれるし、しかもタダ!」ということですね。
ただし、「誰が触ったかも分からない本を借りるのは、ちょっと嫌悪感がある……」という方は、利用は難しいかもしれません。よって、中古の本がニガテな方は、書店へ行って、(お金はかかりますが)本を買うとよいでしょう。
ちなみに、ぼく個人としては、「本を読むなら、金融知識を蓄えられそうなものを読んでみては?」と提案したいところです。(かくいう、ぼく自身も、大学生時代はビジネス書に囲まれて過ごしていました。)
まとめ:今すぐ図書館へ行こう!
本当かは分かりませんが、最近は「若者の活字離れ」が問題になっているようです。これは個人的にも体感していることでして、通勤電車に乗ると、「本を読んでいる人が、10年前と比べて減ったなぁ」と思います。……で、本を読まない人たちが、代わりに何をしているのかというと、スマホでゲームをしていたり、SNSでチャットをしていたりするのです。なんて勿体ない! 人生は小さなことの積み重ねで決まります。ちょっとしたスキマ時間を、「読書」に充てるか、それとも「娯楽」に充てるか。その選択は、あなた次第です。
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●参考文献
- 論文:William H. Hampton, Nima Asadi, and Ingrid R. Olson, 2018, “Good Things for Those Who Wait: Predictive Modeling Highlights Importance of Delay Discounting for Income Attainment”, frontiers in Psychology, 9(1545), pp. 1-10
- 論文:Raj Chetty, Nathaniel Hendren, Patrick Kline, and Emmanuel Saez, 2014, “Where is the Land of Opportunity? The Geography of Intergenerational Mobility in the United States”
- 論文:Giorgio Brunello, Guglielmo Weber, and Christoph T. Weiss, 2015, ”Books are Forever: Early Life Conditions, Education and Lifetime Earnings in Europe”, The Economic Journal, 127(600), pp. 271-296
- 論文:Qian-Wn Xie, Celia H.Y. Chan, Qingying Ji, and Cecilia L.W. Chan, 2018, “Psychological Effects of Parent-Child Book Reading Interventions: A Meta-analysis”, PEDIATRICS, 141(4), pp. 1-12