子供の「我慢できない」「待てない」は、成長発達の一過程

 
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「どうして『いただきます』が待てないの!」待てないわが子にイライラしたり、不安を感じる親も少なくないでしょう


食事の時「いただきます」が待てない
おやつの時間を待てず、お菓子ばかりほしがる
公園などで遊具やおもちゃの順番を待てない
公共の乗り物で、降りるまで待てず騒いでしまう
「ママ、抱っこ!」とせがまれ、「ちょっと待ってね」と言っても聞き入れない

このように「どうして我が子は待てないのかしら」とイライラしたり、我慢ができないことに不安を感じることもあるでしょう。

子どもは身体や能力の発育に伴い、行動範囲も広がってきます。同時に言葉も少しずつ豊富になってくると、自分の意志や要求を周囲に伝えるようになり、それが通らないと、泣いたり、時には仰向けに寝転がり泣き叫ぶこともあるでしょう。ですがこれは自我の芽生えでもあり、子どもの発達過程の一時期でもあります。

大人の言っていることが分かっているようで、まだ理解できていないことも多く、自我が芽生え始める2歳から3歳、4歳の頃に「待つ」ことを教えるのは、難しく感じる親も多いでしょう。

 

「我慢する」「待つ」は、社会に適応していくための最初のステップ

子どもはこれから迎える入園・入学の集団生活に備えて、ルールや規則を守ることを身に付けて行かなければなりません。また、生活範囲が広がるにつれて、自分と違う意見や異なる考えの人とも出会います。そのような時、自分の意見を一部退け我慢することによって、周囲と折り合いをつけていくことも、社会生活においては大切なことです。

幼児期の「待つ」は、ルールや規則を遵守する、約束を守る、我慢するなどの力を身に付けていく最初のステップとも言えるでしょう。それは後の学力向上にも繋がっていきます。

 

幼児期の「我慢する」「待つ」力は後の学力にも繋がる

子どもの自制心と、将来の社会的成果の関連性を調査した有名な「マシュマロ実験」と云うものがあります。「今、目の前の1個のマシュマロを食べるのを我慢すれば、15分後2個マシュマロをあげるよ」という実験です。

そして、15分間待てずに食べてしまった子どもと、我慢して2個もらった子どもを長期に渡り追跡調査を行い、マシュマロを食べた子よりも、食べなかった子の方が学業成績が良かったという研究結果を発表しています。

幼児の頃「待つ」ことができる子は、我慢する力も身に付いていき、後に勉強をしなければならない時は、ゲームをしたり、遊びたい気持ちを自制させ、勉強することができると予測されます。そうすると学力が上がってくるのも必然と言えるでしょう。では幼い子どもに「待つ」ことを教えるにはどうしたらよいでしょう?

 

幼児に「我慢」「待つ」ことを教える5つのポイント
ポイント1、「待つ」理由を説明する

年齢によっては、理由が理解できないこともありますが、頭ごなしに「待ちなさい!」ではなく、先ずは語りかけるように話すことが大切です。

子どもは「自分は今直ぐ、すべり台で遊びたいのに、なぜ待たなければならないのか」最初は、分からないこともあるのです。「他のお友達もすべり台で遊びたいの、皆、並んで待っているでしょう」と待たなければならない理由を説明しましょう。

 

ポイント2、「待つ」時間を伝える

家事をしてる時、「抱っこ、抱っこ」と言ってくる子どもに「ちょっと待ってね」と言って、親はその家事が終わるまでを意味して言ったつもりでも、子どもは1~2分くらいに思っているかもしれません。一呼吸置いて、それで「待った」かもしれません。「お茶碗を洗い終わったらね」などや、数字が分かるようでしたら、時計を指して「長い針が6の所に来るまで待ってね」と具体的に待つ時間を伝えましょう。

 

ポイント3、「待つ」ことができれば褒める

 
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「きちんと順番を並べたわね!」待つことが出来た時は、大げさなくらい褒めてあげましょう


待つことが出来れば、褒めてあげましょう。抱きしめたりし、その喜びを体感させてあげるのもよいでしょう。子どもはお母さんに褒められると嬉しいものです。「待つ」ことによって得られた喜びや、大好きなお母さんの笑顔は、次の「待つ」ことへ繋がっていくでしょう。

 

ポイント4、家族でルールのある遊びを楽しむ

親子でジャンケンをしたり、家族でトランプやすごろくといったルールのある遊びを楽しむのもよいでしょう。子どもは楽しい遊びを通して、ルールがあることや順番を待つことを感覚的に、自然と覚えていくものです。

 

ポイント5、日常生活の中で「待つ」体験をする

一緒に買い物行って、レジに並ぶ、駅のホームで列車を並んで待つなど、日常生活で「待つ」体験をさせましょう。遊園地で乗り物に乗る時、並んで待ったり、レストランで料理を注文した時、待つなど、生活の中で、待たなければならない場面がある事への気づきを与えるのもよいでしょう。

 

「我慢する」「待つ」力は親子の信頼関係が出来た上で育む

子どもに待つことを教えるとき、最も重要なことは「待たせる」のではなく、自ら「待つ」力を育むことです。

「待たされる」と「待つ」は似ているようですが大きく違います。いつも待たざるを得ない状況下で「待たされている」子どもは、「自分は大切にされていない」と感じ、親への不信感を募らせ、時には「指示待ち」や「無気力」になったり、親に反発心を抱くこともあるでしょう。

「待たせる」のではなく、子どもが自分の意志で「待つ」、セルフコントロールして「待てる」力を育むことが重要です。

幼児にはまだ難しいことですが、抑圧による「待ちなさい!」では思考力も判断力も育ちません。丁寧に説明し、我が子の待てる力を信じてあげましょう。

そしてその「待つ」力は、「安心」の中で育っていきます。親や家族、友達や社会を信じられる気持ちが、子どもに安心感を抱かせ、意欲や学力の向上に繋がる「待つ」になるのです。

いつも子どもの心に寄り添って、日々の生活の中で親子の信頼関係を構築し、その上で子ども自ら「待つ」ことができるように育てていきましょう。


 

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