「画面が欠ける」のはなぜ?
PCを使っていて、以下のような現象に出会ったことはありませんか?これらは、画面上にアイコンなどを描画する機能(ビデオ機能)の性能が低いことなどによって起こるものです。PCのビデオ機能をつかさどるパーツが、ビデオカードです。ビデオカードを高性能なものとすることによって、画面はより鮮明でスムーズに見ることができるようになります。
ビデオカードは、非常に急速な性能アップを続けているパーツです。しかし、次期OSであるWindows Vistaは、高性能ビデオカードを必要とする仕様になっています。現在市販されているPCの多くも、Windows Vistaの機能をフルに使うには不十分だとされています。
Windows Vistaに備えるためにも、ビデオカードの増設でPCの高速化を図ってみましょう。
ビデオカードは何をするパーツか
ビデオカードというPCパーツに注目が集まるようになったのは、PCによってモニタ上に描かれる情報量が飛躍的に増えた、ここ数年のことです。昔、PCがモニタ上に描くのが文字だけだった(MS-DOSなど)時代には、描画する情報量はごく少ないものでした。しかし、アイコンやウィンドウなどが登場することで、モニタに描かれる情報量が増えました。再現できる色数も増え(かつては256色、現在は約1670万色)、解像度が上がり(640×480ドット程度から1280×1024ドット以上に)、ビデオ映像や3DCGなどを再生・描画できるようになったことも、飛躍的な情報量の増大をもたらしました。
こうなると、描画を専門に担当し、大量の情報を高速に描画・再描画できるパーツが必要になってきます。これが、描画専用のチップ(グラフィックス・アクセラレータ)とメモリ(ビデオメモリ、VRAM)を搭載した、ビデオカードです。ビデオカードは、PCI-ExpressまたはAGPという高速なインタフェースを通じて、PCと接続されます。
グラフィックス・アクセラレータの性能はたくさんの指標で示されますが、いちばん注目されるのは、コアクロックとメモリクロックです。コアクロックはアクセラレータの周波数、メモリクロックはVRAMの周波数で、いずれも高いほど高速・高性能です。
最近では、複数のビデオカードを使うことで、描画をさらに高速化する、SLIやCross Fireという技術仕様が普及しつつあります。
ビデオカードはすべてのPCにあるのか……>>NEXT |
CONTENTS
Page1:ビデオカードとは?
Page2:内蔵グラフィックスとは?
Page3:ATI社とnVIDIA社
Page4:ビデオカードを増設する
Page5:ベンチマークの結果
Page6:Windows Vistaとビデオカード