京都・東福寺の立地と歴史

京都駅からJR奈良線でわずかひと駅、駅の南東に位置する「東福寺」は、臨済宗東福寺派の大本山で京都五山のひとつ。創建は鎌倉時代、摂政関白の九條道家が、奈良の最大寺院「東大寺」と、奈良の繁栄寺院「興福寺」から一字ずつ取り、19年の歳月を費やして京都最大の伽藍を完成させました。
臥雲橋から望む通天橋

臥雲橋から望む通天橋

今も12万平方メートルと広大な敷地を誇りますが、創建当時は倍の広さがあったそうで、その規模の大きさに驚かされます。境内には、現存最古で国宝の三門をはじめ、重文の建築物も数多く有しています。開山である聖一国師は、中国から製粉機の構造図を伝えて製麺を興したり、静岡茶の茶祖としても知られる存在です。
開山堂

重要文化財の常楽庵開山堂。庭園は江戸中期の名園

藍染堂

縁結びに御利益があるといわれる愛染堂
 

見どころ1.重森三玲の作庭による東福寺本坊庭園

京都に数ある寺院の日本庭園の中でも指折りの美しさで知られるのが、国の名勝に指定されている「東福寺本坊庭園」です。昭和の名作庭家・重森三玲作で、方丈の東西南北に四庭が配される点では唯一のものだそう。

別名「八相の庭」と称されるのは、この四庭に配された8つのモチーフが「八相成道(釈迦の生涯の八つの重要な出来事)」にちなんで命名されたことに由来します。
本坊庭園の北庭全景

本坊庭園の南庭全景

最大の南庭(なんてい)は広さ200坪の枯山水庭園。中国大陸の蓬莱神仙思想に基づく、仙人の住む四神仙島を巨石で配し、渦巻く砂紋によって八海を表しています。西側には五山になぞらえた築山を置き、壮大な世界が描かれています。見る角度によって、猛々しく見えたり、穏やかに見えたり、違った印象を与えてくれます。西庭(にしにわ)はサツキの刈り込みと葛石で方形に区切り、大きな市松模様「井田市松」が配されます。
本坊庭園の南庭

本坊庭園の南庭。巨石を用いて四神仙島を表している

本坊庭園の西庭

本坊庭園の西庭。初夏はサツキの花のピンクがワンポイントに

一方、北庭(ほくてい)は南庭とは全く趣が異なり、こんもりと盛り上がるウマスギゴケの緑と敷石の市松模様が目に鮮やか。シンプルでありながらモダンな印象のデザインは、時代を超えて人々を魅了します。秋は背後のモミジと聖一国師が宋より持って来た通天紅葉が赤や黄金色に色づき、苔の上にはらりと落ちる様は格別です。
本坊庭園の北庭

本坊庭園の北庭。市松模様が美しい

市松模様のアップ

市松模様のアップ

本坊庭園の北庭

本坊庭園の北庭。角度を変えると違った印象に

東庭(ひがしのにわ)は雲文様地割に円柱の石で北斗七星を表し、北斗七星の庭とも呼ばれています。後方には天の川を表した石垣が配され、小宇宙が展開されています。四庭それぞれにストーリーがあり、昭和初期を代表する芸術作品といっても過言ではありません。
本坊庭園の東庭

本坊庭園の東庭。北斗七星を表している

見どころ2.通天橋から望む新緑と紅葉/紅葉の見頃時期が11月中旬

広大な境内に洗玉潤(せんぎょくかん)と呼ばれる渓谷を取り入れる東福寺。そこにかかる3つの橋(上流から、偃月橋、通天橋、臥雲橋)は「東福寺三名橋」と呼ばれています。
通天橋

通天橋

方丈と開山堂を結ぶ通天橋は、ここから望む渓谷・洗玉澗の新緑や紅葉が素晴らしく、特に紅葉時季は渋滞ができるほどの人気。聖一国師が宋から伝えた三ツ葉紅葉が鮮やかに色づき、京都を代表する紅葉スポットのひとつとされています。紅葉時期は例年11月20日より1週間程度。2017年は、11月下旬になるともう紅葉の見頃が過ぎたかな…という印象でした。見頃が心配な方は、お電話で確認するとよいでしょう。ちなみにライトアップは行われていません。
通天経から望む洗玉潤

通天経から望む洗玉潤

 

見どころ3.美しい苔の宝庫

東福寺本坊庭園だけでなく、境内のそこかしこに美しい苔が見られます。通天橋の欄干の外側には、紅葉の木々の足元に苔が密集しています。なかには、つむじを巻いているような形のオキナゴケも! 普門院庭園にもウマスギゴケの群生が。こちらは上部が緑、下部が数倍の長さの断層となり、歳月をかけて成長したものだと分かります。
通天橋の脇のじゅうたん

ひと際美しい、通天橋の回廊越しの苔じゅうたん

苔の美しさでも知られることから、2018年9月1日(土)~11月30日(金)にJR東海「モシュ印/コケ寺リウム」キャンペーンを実施。御朱印の文字を苔で描いたオリジナルアート「モシュ印」(縦1.5m、横1mほどのサイズ)と、ガラス容器の中にお寺の象徴的な建造物のジオラマと庭園を苔で再現した3つのミニチュアアートが展示されています。ちなみに、東福寺は、東福寺本坊庭園の北庭と南庭、通天橋がコケ寺リウムのモチーフに。
本坊庭園の北庭のコケ寺リウム

本坊庭園の北庭のコケ寺リウム

通天橋のコケ寺リウム

通天橋のコケ寺リウム


東福寺のモシュ印

東福寺のモシュ印

【関連サイト】
 

秋限定も!御朱印の種類や拝受できる時間・場所

御朱印は通常、本坊庭園の拝観受付で拝受できます(9:00~16:30 ※季節により変動あり。紅葉時期は仮設の受付ができる場合も)。御朱印の内容は、通常と秋限定バージョンがあります。秋限定のものにはモミジのスタンプが添えられます。秋限定のものは2種類あり、墨書きのものとスタンプのものがあり、料金が異なります。受付時間や時期によっては、墨書きの書き置きになる場合も。御朱印帳は法堂天井画龍(蒼龍図)がデザインされたオリジナルが授与されています。
オリジナルマスキングテープ

市松模様と北斗七星をイメージした、オリジナルのマスキングテープも!

 

東福寺へのアクセス、拝観時間、拝観料など基本情報

  • 住所:京都府京都市東山区本町15-778
  • TEL:075-561-0087
  • 拝観時間:9:00~16:30(受付終了16:00)※11月~12月初旬は8:30~、12月初旬~3月は~16:00(受付終了15:30)
  • 拝観料:通天橋・開山堂400円、本坊庭園400円 ※いずれも大人料金
  • アクセス:JR奈良線東福寺駅から徒歩10分
  • サイト:http://www.tofukuji.jp
 
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