犬にかぼちゃを与えても大丈夫? 種や皮は?
犬にかぼちゃを食べさせるといいこと
<INDEX>
- 犬にかぼちゃを食べさせても大丈夫!柔らかく加熱して与えること
- かぼちゃに含まれる成分は、ダイエットやシニア犬のケアにもおすすめ
- かぼちゃによるビタミンA中毒は心配しないで大丈夫
- 犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
- かぼちゃだけで作る、犬用簡単スープのレシピ
- 人間用に作られたかぼちゃチップスやプリンなどの加工品はNG
犬にかぼちゃを食べさせても大丈夫! 生はNG、種は取り除いて
皮ごと食べさせる時は、細かく刻んで
加熱する方法は、茹でる、焼く、蒸す、電子レンジで加熱など、柔らかくなればどの調理方法でも大丈夫ですが、焼く時に油を使うとそのぶんのエネルギー(カロリー)がプラスされるので、与える量や1日のごはんの総量を減らして調整してください。
犬は甘味を好むことが多いので、食が進まない場合はかぼちゃをドライフードのトッピングに使うことはもちろん、ごはんやおやつを手作りする時の材料としても使いやすい食材です。
加熱すると果肉が麺のようにほぐれるそうめんかぼちゃは、必要に応じて刻んで与えてください。生で食べられるかぼちゃ、コリンキーという品種は犬も生で食べて大丈夫か明確なことがわからないため、加熱してから食べさせた方が安心です。
かぼちゃの種には不飽和脂肪酸のひとつであるリノール酸や抗酸化効果のあるビタミンEが含まれているだけでなく、むくみの改善や咳止めとして漢方にも取り入れられています。
かぼちゃの種は主に煎って加熱する必要がありますが、加熱した後もとても硬く、消化にいいものではありません。細かく刻んだり粉末状にするひと手間が必要ですが、市販のかぼちゃの種は油で揚げていたり塩で味付けをされていることがほとんどなので犬の食べ物としては適していません。
中には原材料がかぼちゃの種だけの商品もありますが、消化の点から考えると積極的に食べさせる必要もなさそうです。
かぼちゃに含まれる成分は、ダイエットやシニア犬のケアにもおすすめ
犬の健康維持に欠かせない成分がたくさん
1:シニア犬のケアや皮膚や粘膜の健康維持に
抗酸化作用が期待できるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが含まれています。血流を整えたり、皮膚や粘膜の健康維持も期待できます。
2:ダイエット中のごはんのサポートに
かぼちゃに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維が大半を占めています。不溶性食物繊維は、食べ物が消化管を移動するスピードをゆっくりにするとされているので、消化吸収そのものや、食後の血糖値と中性脂肪の上昇を穏やかにすることも期待できます。また、満腹感を与える作用も期待できます。
3:体を温める働き
東洋医学の考えでは、かぼちゃには体を温める働きがあると言われています。冷房による冷えが気になる夏から、空気そのものが冷え切っている冬まで、年中通しておすすめできる食材のひとつです。
かぼちゃによるビタミンA中毒は心配しないで大丈夫
犬の病気・薬とかぼちゃの相性は?
「かぼちゃはβカロテンが多く含まれる食材の代表格です。犬はβカロテンを体内でビタミンAへと変換して利用しています。ビタミンAが脂溶性ビタミンであることから、過剰に食べると体内に蓄積して中毒を起こすといわれていますが、必要量だけ変換して利用するのでかぼちゃによるビタミンA中毒は起こりません。
だからといって毎日大量に与えていいということではありませんが、”必要量を変換して利用する”ということは、ビタミンAが不足している場合にはかぼちゃを与えることでそれが補えるといえます。”腎臓や肝臓に病気がある場合はかぼちゃが良くない”といったことや、その反対に”腎不全や肝臓病の犬にかぼちゃがいい”といった情報を見かけることがありますが、どちらも具体的な根拠はなさそうです。
また、かぼちゃに含まれる不溶性食物繊維は水に溶けない特徴があります。それによって便を固めてくれる働きや、便のカサが増えることで便通が良くなることも期待できます。健康な犬の排便状態をケアする食材として取り入れてもいいでしょう。
イネ科植物やじゃがいも、にんじんに対してアレルギーを持つ場合、かぼちゃを食べることで交差反応(※)を起こす可能性があるといわれています。心配な場合には様子を見ながら少しずつ与えるようにしましょう。
かぼちゃと相性の悪い犬の病気や、飲み合わせの悪い薬などの報告は現在ありません。」
(※交差反応:アレルギー反応が出る対象物と分子構造が似ているまたは同じという理由で、別の食材や植物などにもアレルギー反応が出てしまうこと)
【関連記事】
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。かぼちゃだけで作る、犬用簡単スープのレシピ
冷凍作りおきもできる犬用かぼちゃレシピ
■材料(作りやすい量)
- かぼちゃ 100g ※皮、種を取り除いた量
- 水 200ml
- かぼちゃは2~3cm角に切る。
- 鍋に1と水を入れ、かぼちゃが柔らかくなるまで加熱する。
- かぼちゃを潰してスープ状にする。
詳しい作り方は「かぼちゃだけで作る簡単ポタージュスープ」(外部サイト)をご覧ください。
人間用に作られたかぼちゃチップスやプリンなどの加工品はNG
人間用のかぼちゃのお菓子、スイーツは犬には避けて
- かぼちゃチップス
- かぼちゃプリン
- 冷凍かぼちゃ
犬にかぼちゃを食べさせても大丈夫?まとめ
- かぼちゃを犬に食べさせる時は柔らかくなるまで加熱する
- 皮膚の健康維持や抗酸化作用に繋がる栄養素が含まれる
- かぼちゃのビタミンAによる中毒は気にしないで大丈夫
- 人間用のかぼちゃチップス、かぼちゃプリンは犬には与えないようにする
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
丸田香緒里 獣医師(Animal Life Partner 代表)
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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