クリーニング後のビニールカバーは外すべし!
洋服をクリーニングに出すと、必ずといっていいほど被せて返される、ビニールのカバー。家で保管するときに、どうしていますか? 被せたままであればホコリや汚れを防いでくれそうだし、取ったらゴミとなってかさばるし、そのままにしておこう。そんなことを思って、ビニールカバーを外さずに、クローゼットや衣装ケースに保管してませんか?実はこのビニールは、取り外しておかないとたいへんなことになります! 今回は、クリーニング店で被せられたビニールカバーの取り扱いについて、解説いたします。
クリーニング後のビニール袋・カバーは、何のために被せてあるのか
クリーニング後、洋服に被せられているビニールカバーは、あくまで簡易的なもの。キレイにした品物を「クリーニング工場内」や「店舗への輸送」、「店舗での保管」の最中に汚さないようにするために被せられています。そのため、家に持ち帰ったあとの保管のことは一切想定されておらず、自宅での長期的な保管には不向きなのです。もし誤ってカバーをしたまま保管をしたら、衣類の変色やカビの大発生など、さまざまなトラブルを生み出す原因になります。ただし、有料オプションで、自身が希望して被せてもらう不織布や防虫効果が付与されたカバーは別です。それ以外の場合、カバーは必ず取り外す必要があります。
クリーニング後の袋をそのままにした場合のメリット・デメリット
■ビニールカバーを被せっぱなしにするメリットはゼロクリーニング後のビニールカバーは、家に持ち帰ったあと、被せっぱなしにしておくメリットはゼロです。逆に、変色やカビが発生したりなどのデメリットばかり。
■ビニールカバーを被せっぱなしにするデメリット:湿気がたまってカビが生えやすくなる
例えば、洋服をクローゼットに保管した場合。湿気は蒸発する際に、床から天井に上って行きますが、その際、ビニールのカバーがしてあると良くありません。というのも、カバーの下はすっぽんぽんのため湿気が入りやすく、逆にカバーの上はハンガーが通る程度の小さい穴になっているため、湿気がたまりやすい形状になっているからです。
衣類そのものが湿気を吸ってしまうため、梅雨の時期などに雨の日が続くと、ビニール内にどんどん湿気がたまっていきます。つまり、カビが最も生えやすい状態を作り出してしまうことになるのです。
■ビニールカバーを被せっぱなしにするデメリット:服が変色しやすくなる
また、ビニールカバーをしていると、空気の循環も悪くなります。空気中には窒素ガスなどさまざまなガスの成分も含まれていますが、空気の循環が悪くなると、洋服の特定の部分だけガスによる色素の分解が進み、裾まわりを中心に淡いグラデーションがかかった変色が生まれます。たとえばダウンジャンパーなど、保管が半年以上続く衣類は特に、注意した方がいいでしょう。
■ビニールカバーを被せっぱなしにするデメリット:服が黄ばみやすくなる
さらに、最近わかったデメリットもご紹介します。ビニールを被せたままにしておくと、空気に含まれたガスがビニールを劣化させ、結果、ビニールに含まれた成分が洋服に吸着します。これによって、洋服が黄色く変色してしまうことがあるのです。
だいたい半年程度で起こりうる変色トラブルなのですが、空気の循環状態や、湿度、温度によっては早まったり、遅くなったりするので、どのタイミングで出るかわかりません。
■ガスによる変色やビニールの成分吸着による黄ばみは、クリーニングでも戻せないことが多い
また、ガスによる変色や、ビニールの劣化による色素の変化については、気づいた時にはほぼ手遅れの状態。クリーニング店に出しても元に戻せないことが多いのです。クリーニングに出したにもかかわらず、買い換える羽目になったということになりかねません。
以上のように、クリーニング店のビニールカバーを被せておくことは、デメリットばかり。しかもそれで起きたトラブルは、自己責任になります。
せっかくクリーニングに出したのに、次に着ようとしたら残念な結果だった……なんてことにはならないよう、必ず、ビニールカバーは取り外してから保管しましょう!
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