業界裏話、誰も言わなかったトリビア

 コンピュータ業界暗黙の了解、一般には非常識でも業界では常識、といったことが多く存在します。うそ?ほんと?というような内容をお届けしましょう。ひょっとすると、嘘が仕込んであるかもしれません!?

コンピュータの時計は遅れる?

 時計メーカにもコンピュータは入っています。この話題は大型汎用機の世界では当たり前なのですが、ある時計メーカにコンピュータを納品したときのこと、何億円もするような汎用機を入れたにもかかわらず、その時計メーカで作っている3000円の腕時計より汎用コンピュータの時計は大幅にずれてしまったそうです。大幅、といってもせいぜい1日あたり1分ほどなのですが、必ず遅れてしまったそうです。見るに見かねてその会社の偉い方がコンピュータメーカに掛け合ったそうです。「なんでこんな高いコンピュータの時計がこれほど狂うのですか?」ところが、コンピュータメーカではあっさり、「絶対に遅れるように作ってありますので、多少ずれることがあります」と答えたそうです。なぜでしょう?

 コンピュータというもの、動作の記録を「ログ」として残してあります。やれ、何時何分何秒にこれこれが起きたとか、これこれが動かなかったとか。皆さんお使いのWindowsXPや、Windows2000にもイベントログ、がありますね。汎用機などはWindowsの何倍ものログを記録しています。さて、このような中、時計が狂ってしまったとしましょう。まず、遅れた場合。これは正常な時刻に追いつかせるだけですので、万一ログが発生しても時間が追い付かせた瞬間のものが記録できないだけで、大きな問題にはなりません。

 ところが、時計が進んでしまった場合はどうでしょうか。わかりやすくするため、1分進んだ状態で業務を行っているとします。コンピュータの時計は12:00を指していたとしても実際は19:59だったため、ログが先行しています。コンピュータの時計を正確な時刻へずらした場合、19:59のログが2重に記録され、矛盾が生じてしまいます。そこで、コンピュータの時計は絶対遅れる様に作られていると言うことです。タイムマシンは作れませんが、タイムマシンと同じような状態になってしまうからなんですね。

「再起動しますか」には「いいえ」

 これは以前に話題にしました。Windowsを使っていると、何か設定変更などを行うたびに「再起動しますか」と聞いてきます。一般には「はい」を押すことが多いと思いますが、筆者のお薦めは「いいえ」。何故って、「はい」はホットブートといって、完全に再度の起動が行われるわけではないのです。「いいえ」にしてシャットダウン後再通電すればコールドブートということで、より厳密な再起動が行えるからです。

 PCサーバに接続するバックアップ用テープ装置などは、何か問題が発生したらまずはコールドブート、というのが半ば常識です。クライアントに接続する機器と違って、障害発生時の対策が充分行われているとは言えませんので、装置自体の動作が不安定になってしまうことがあります。「サーバなんだからそう簡単に止められる訳ない」と仰る管理者の方も多いようですが、サーバなんだからこそ、トラブルは早めに切り分けて安定した動作をさせた方がいいに決まっています。

IBMの語源は?

 意外と知られていないのが巨人「IBM」の語源。「International Business Machines」が正解。直訳すれば「国際事務機器」とかでしょうか。訳してしまうとコクヨやPLUSのような事務用品メーカを想像してしまいませんか。IBMは有名なタイプライターメーカだったんです。ゴルフボールという名前のタイプライターヘッドを使って、それまでのアーム式タイプライターとは一線を画した商品を作りました。タイプライターが進化してワープロになり、その延長線上でコンピュータを作った、ということです。

 おおもとは、IBMの前身となった「Computing Tabulating Recording Machine」社が、国勢調査のためのパンチカードシステムを作って、その統計処理のために計算機を作り始めたのが、コンピュータメーカへ転向する直接のきっかけとなっています。パンチカードシステムは最近ではrotoやtotoで見かけます。但し、あちらはマークシート方式、ここでお話ししているのは紙に穴を開けてそれを読み取る装置です。

 ちなみに「2001年宇宙の旅」に出てくるHALはIBMの上を行く(アルファベットでそれぞれ1文字ずつ上)という意味というのはあまりに有名です。

現在のパソコンを取り巻く技術は全てXEROXが作った?!

 WindowsもMacも、ウィンドウ技術を使ったOSを利用しています。このウィンドウ技術、元々アメリカのXEROXはパロアルト研究所で開発されたものです。最初はUNIX用のユーザインターフェースとして開発され、その後AppleのLisaというマシンに採用されました。現在、コンピュータのユーザインターフェースとして当たり前に使われていますが、根っこは一つだったんですね。

 また、インターネットの普及に欠かせなかったEthernetもやはり同じくアメリカXEROXのパロアルト研究所から生まれました。これも自社の開発したUNIXマシン向けにネットワーク機能を提供するためでした。当初は今のようなツイストペアケーブルではなく、イエローケーブル(10BASE-5ケーブル)と呼ばれ直径1cmもある太くて堅いケーブルに、トランシーバと呼ばれる装置を取り付け、そこから個別のマシンまでトランシーバケーブルを使って接続するというものでした。今のような手軽なものになるなんて、開発した皆さんは想像もしなかったことでしょう。

Intelのベンダーコードは8086

 8086というのは今のパソコンに使われているPentium 4の元になったCPU「i8086」の名称です。当時、今のIntelを想像できた方は少なかったと思います。そして、ベンダーコードというのはハードウェアデバイスを識別するために、それぞれのパーツにつけられたコードです。Intelはこの歴史的CPU、i8086の名前をそのままベンダーコードにしてしまった、ということです。

 ちなみにIntelが一連のx86CPUを出す元になった4004は、電卓用部品として日本から注文された品だった、というのも有名な話題です。また、今回の火星探検ではなく前回の時、火星まで無人ロケットを制御していったのはNASA規格の8086だったそうです。信頼性を高めるために100万円ほどかかったとか。なかなか桁外れな話題です、

ということで、以上

 ちょっとした雑学はどこにでも転がっています。今回はこのくらいで終了しますが、またチャンスがありましたら、つまらない話題を提供したいと思います、

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