人気モデルのN-BOXをベースとした商用車
人気モデルのN-BOXをベースとしたN-VAN
まず車体の基本構造から。外観デザインこそN-BOXに似ているものの、大きな荷物の出し入れが容易に出来るよう助手席側のセンターピラーを無くしている。助手席ドアを開けた状態でスライドドアを開くと広大な開口面積になり、乳幼児を乗せたり車椅子のゲストなど乗せる時に便利。
その上、助手席は簡単な操作で床下に潜り込む。写真のようにフラットなスペースになってしまうのだから驚く。当然の如くリアシートも床下収納式になっているため、助手席から後部荷物スペースまで完全フラットになる。奥行き何と2635mm! オートキャンプのベッドに出来るほど。
床は低く天井が高い、タテの空間が広がる
商用車なので350kgまでの”荷物”を運べる。バイクを後部から積み込めば、けっこうなサイズまで収まります(前から入れるとハンドルが運転のジャマになるので注意)。ちなみに後席のみ畳んだ状態での奥行きは1510mm。スノーボードや釣り竿、アウトドアの子供用昼寝スペースにどうぞ。
事故防止機能『ホンダセンシング』を標準装備しているが
商用車ながら事故防止に絶大な効果を持つ『ホンダセンシング』が、全てのグレードに標準装備される。ホンダセンシングは、対車両&歩行者に有効な自動ブレーキや、アクセルの踏み間違いなどによる飛び出し事故防止機能(MT車は除く)、アダプティブクルーズコントロール(MT車は除く)まで含む。ランニングコスト面でのメリットは任意保険。乗用車登録の場合、21歳未満のドライバーに有効な任意保険を掛けようとすると驚くほど高い(安くて16万円以上)。商用車登録であれば同じ内容で11万円くらい。18歳だと3年で10万円以上保険料金を節約出来る計算。
最後に他のメディアでは全く取り上げていない安全性を少し紹介しておく。この点のみ、少し注意が必要だと思う。
商用車ということで、運転席と助手席のサイド&カーテンエアバッグは設定無し。また、『G』と『L』のリアシートは追突事故時に絶大な効果を発揮するヘッドレストが付いていない。
この状態で追突されたら、相当シリアスな状況になってしまう(50km/hで追突されたら厳しいです)。近所の駅までお客さんを送る程度の移動に使うくらいにしてくこと。普段は折り畳んでおき、無い物と割り切って欲しい。リアシートも使うというならヘッドレスト付きの上級グレードを選びたい。
以上。大いに魅力的なN-VANながら、衝突安全性は商用車レベルだということをしっかり認識して頂きたい。他のメディアは諸手を挙げて誉めているけれど、やはりサイド&カーテンエアバッグは欲しいし、ヘッドレストの無いリアシートに将来ある若い人達が座っている姿を想像すると心配になる。
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