ROE(株主資本利益率)とは?わかりやすく解説!
<INDEX>・ROEは何を表している?計算式は?
・ROEが高いとは?指標の目安
・株価とROEの関係は?もうひとつの計算式
・ROEを活用する上での注意点は?
ROEは何を表している?計算式は?
ROEとはReturn On Equityの略語で株主資本利益率のことです。「アール・オー・イー」と読みます。株主資本(=自己資本)に対してどれだけ効率的に利益を上げているかを示す、企業の収益性を測る指標です。計算方法は純利益を株主資本(=自己資本)で割って求められます。たとえば、純利益が2億円、株主資本が10億円であった場合、
・ROE=2億円(純利益)÷10億円(株主資本)×100%=20%
となります。なお、同じようにEPS(1株あたりの純利益)をBPS(1株あたりの純資産)で割って算出することも出来ます。
ROEはBS(貸借対照表)の項目(株主資本)とPL(損益計算書)の項目(純利益)を通して収益性を測る数少ない指標の1つです。ROEは高いほど集めた資本を効率的に利用した企業経営がなされていると言え、株式投資において最も重要な指標の1つと言えます。外国人投資家が特に注目する指標としても知られており、ROEを銘柄選定の指標に組み入れた新たな株価指数「JPX日経インデックス400」が出てくるなど、ROEは日本でも認知度が急速に高まっています。
ROEが高いとは?指標の目安
ROEは前述のように企業が株主資本を効率よく使って利益を上げているかどうかの指標となります。たとえば、自分が1000万円を出資するとした時に、株主資本1億円で毎年3000万円の純利益を上げているA社(ROE=30%)と、同じく株主資本1億円で毎年500万円の純利益しか上げられていないB社(ROE=5%)のどちらに投資したいかと言えば、当然、株主資本を有効に儲けているA社だと思います。このようにROEは高ければ高いほどよいですが、一般的には10%以上であれば、その会社の自己資本に対する経営効率は高いと言えるでしょう。ちなみに海外では米国のアップル社や中国のテンセント社といった長期で爆発的な上昇を遂げた銘柄は例外なく、このROEがズバ抜けて高水準でした。高いROEは成長株の必要条件と言えるでしょう。
また、ROEは毎年高くなっていくようなケースが好ましいです。ROEを上げるには同じ株主資本のまま、より大きな純利益を上げる方法と、自社株買いを行って株主資本を減らす方法があります。
株価とROEの関係は?もうひとつの計算式
ところでROEはPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)とも関係があり、実は下記のような計算式が成り立ちます。・PER×ROE=PBR
この計算式はPER(株価/EPS)×ROE(EPS/BPS)=PBR(株価/BPS)と書くとわかりやすいかもしれません(分子と分母にあるEPSが打ち消しあい、株価/BPSが残る)。そして、この式を変形すると
・PER=PBR÷ROE
となります。この式からROEが高まるほどPERが低くなることがわかります。つまり、ROEが上昇するとPERが低くなり、株価に上昇余地がでるわけなので、ROEが上昇すると株価が高くなりやすいということが言えるわけです。
ROEを活用する上での注意点は?
なお、ROEは高ければ高いほど良いと書きましたが注意すべきケースもあります。それは株主資本が非常に少ない企業が大量の借金(借り入れ)を行って総資産を大きくして事業を展開しているケースです。もちろん、事業が上手く行っているうちはいいのですが、大量の借金を抱えていることは、事業が上手く行かなくなったときに資金繰りを圧迫します。したがって、高いROEの企業を選ぶ場合には自己資本比率もしっかりと確認し、同業他社とも比較してみましょう。高いROEでも自己資本比率が同業他社よりも異常に低ければ、投資は見送った方が良いかもしれません。
参考:日本株通信
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