土間とは、石やタイル張りの床面スペース
土間とは、屋内で三和土(たたき)であったり、モルタル、タイルや石張りとした床面のこと。一般的には、玄関スペースに取り入れるものです。しかし、暮らし方や家族構成によっては、玄関だけでなく、他の空間に土間をプランニングすることも。屋外と屋内の中間的なスペースを配することで、使い勝手や快適さを得られるケースもあるでしょう。
土間空間の利用方法・プランニング
玄関横のウォークインタイプのシュークロークは使い勝手もいい。扉を設けておいても。[玄関用収納 エントランスパーツ 傘収納 イメージ]
パナソニック エコソリューションズ
一般的な住宅の場合、土間を設けるプランとしては、下記のようなケースが考えられるのでしょう。
■玄関に隣接させてウォークインのシュークロゼットを設ける
玄関の土間スペースに隣接させて(広げて)、ウォークインタイプのシューズインクロゼットを設けるプランも多くみられるようになりました。靴のまま、土足で出入りできる収納スペースは便利なものです。
家族構成などによっては、シューズインクロゼットから直接、廊下(居室)などに出入りできるプランも考えられるでしょう。家族専用の出入り口を設けることで、お客様が出入りする玄関土間に、家族の靴などが乱雑になることもなく、すっきりとした玄関スペースを保つことが可能です。
■玄関を広げ、お客様とのコミュニケーションの場とする
玄関の土間スペースを広げるなどして、お客様とのコミュニケーションの場としてもいいでしょう。テーブルやチェアを配したり、あらかじめベンチを設けておいても。靴を脱ぎ着する際にも利用でき、使い勝手もいいでしょう。
また、絵画や陶芸など、趣味のモノを飾るギャラリーとしても楽しいものです。外から眺めることができるようにすることで、道行く人の憩いの場となるかもしれません。
■自転車やバイク、アウトドア関連用品の作業や保管とする
勝手口付近に作業場としてのスペースを配して。引き戸タイプの扉であれば、出入りも楽に。 [フロア納まり片引き戸 アルミ樹脂複合] YKK AP
また、外との行き来や間取りプランによっては、作業性を高めた趣味のスペースを勝手口付近に設けても。収納スペースやスロップシンクなどの設備もあわせて検討することで、使いやすい空間になるものです。
■庭と一体化して、ガーデニングや家庭菜園を楽しむ
LDKなど、庭に面したスペースを土間としても。ガーデニングや家庭菜園などを楽しむ場として利用できます。庭のテラスとつなげることで、広がりが生まれるでしょう。また、間取りにもよりますが、玄関スペースから庭へ通り抜けられる、通り土間も使い勝手がいいでしょう。
リフォームであれば、土間タイプのサンルームなどを設ける方法も。居室からも外からも行き来がしやすいようにプランニングすることがポイントです。
屋内の土間スペースではなくても、より開放的なプランも使いやすい。 [エクシオール ココマII 施工例] LIXIL
室内で飼うことが多くなっているペットの居場所として、土間スペースを利用しても。掃除などもしやすく、清潔さを保ちやすいのがメリットです。家族と一緒に過ごせるような場所、庭や外に行き来しやすい場所にプランニングしたいものです。
土間に適した主な素材
■タイル柄や色、サイズ、価格のバリエーションも豊富な素材。どんなデザインの住宅でも取り入れることが可能です。吸水性がほとんどない磁器タイルは汚れに強いと言われていますが、素焼きのテラコッタタイルなどは吸水率が高いので注意を。一般的なタイルのお手入れは、目地の部分の埃を取り除き、必要であれば雑巾で水拭きをしておくようにしましょう。
■天然石
用いられる石材は、高級感のある御影石や大理石など。色味や柄もさまざまあり、表面仕上げによっても表情が異なるのも特徴です。吸水率が高い石は、水分を含むとシミの原因にもなるので、雨水や泥水には注意が必要です。
■モルタル
モルタル(セメント+砂)を用いた仕上げには、洗い出し(表面を洗い出し、骨材を露出させて表面仕上げをとする方法)、コンクリート金コテ仕上げ(金コテを用いて平滑に仕上げる方法)などがあります。タイルや石のような目地がなく仕上げることができるのも魅力でしょう。
掃除のしやすさにも配慮したい
外と内の中間スペースなので、掃除のしやすさなどにも配慮したい。壁や床に付着した環境アレルゲンの働きを抑制するタイプもみられる。[ INAXアレルピュア エントランスフロア] LIXIL
外からの埃が入ってきたり、雨の日には濡れてしまうこともあるので、汚れにくく、お手入れしやすい素材を選ぶことで、美しい空間を保つことができるでしょう。また、濡れた靴でも滑りにくい素材であることも重要なポイント。小さなお子さんや高齢の方がいらっしゃるご家庭の場合は、特に注意が必要です。
冬場の寒さや段差にも注意を
間取りや構造、断熱材などの用い方にもよりますが、土間スペースをプランニングする際には、冬場の寒さに配慮すること。床暖房などを検討してもいいでしょう。プランニングによっては、土間と居室との間に間仕切り引き戸などを設けてもいいでしょう。開放感を損ねないような引き込み戸などが向いています。また、どのような土間プランとしても、居室の床面との段差が生まれるもの。目的に合わせたつくりが基本ですが、高齢になった場合など、将来的な暮らしも考慮してプランニングすることも大切です。
空間全体で検討を。素材はショールームで確認する
土間のある住まいにあこがれる方も多いかもしれませんが、敷地条件はもちろん、家族構成やライフスタイルに合わせて検討を。土間を設ける目的や使用方法などを明確にすることが大切です。住宅展示場や施工例などを参考に、住まい全体でプランニングするようにしましょう。また、使用する床素材などは、できる限りショールームや見本を取り寄せるなどして確認を。カタログでは本来の色や素材感が分かりにくいので、実物でチェックすることが大切です。
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