亀山早苗の恋愛コラム

重い男は嫌。イマドキ女子たちの望む軽やかな関係

かつて「重い恋愛」をするのは女性のほうだった。だが今の時代、精神的に重い男性も多いようだ。イマドキ女性たちはもっと軽やかに生きていきたいと望んでいる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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「重い男」が疎まれる時代に

恋愛や結婚ありきではなく、仕事や自分の人生を大事にしたいから、重い恋愛はいらないという女性の話を聞いた

恋愛や結婚ありきではなく、仕事や自分の人生を大事にしたいから、重い恋愛はいらないという女性の話を聞いた


かつて、彼のことばかり気にする「重たい女」は嫌われると言われたものだ。恋愛より仕事を大事にしたいから、今は「特定の恋人はいらない」というのも男のセリフだった。だが今や、どちらも女のセリフとして聞くことが増えてきた。


すぐに結婚、と言い出す「重い男」にうんざり

今週も会えないの? 結婚を真剣に考えてくれないの? というのは、かつて女性のセリフだと思われていたが

今週も会えないの? 結婚を真剣に考えてくれないの? というのは、かつて女性のセリフだと思われていたが


まだつきあって間もないのに、精神的にべったりしてくる男性に対して、「うんざり、ドン引きする」と言うアラサー女性たちは少なくない。

「前につきあっていた彼は、実家の用事や友だちとの予定で2週ほど会えないだけで、『ボクのこと嫌いになったの?』と恨みがましい目で言うタイプだったんですよ。そういうのって重たいなぁとイヤになっちゃうんですよね」

アキさん(30歳)はそう言う。今は2歳年上の彼とつきあっているが、この彼も最近は「仕事ばかりしてないで、もっと一緒にいてほしい。そろそろ結婚を考えようよ」と言うようになってきた。

「せっかく仕事でも新しいことにチャレンジしたり責任をもたされたりする時期なのに、どうして結婚のためにセーブしなければいけないのかわからない。私はまだ結婚したくないと言ったら、彼は涙目になっちゃって。別に“あなたと結婚したくない”とか“一生結婚したくない”と言ったつもりじゃなかったのに……。もともと優しい人ではあるんだけど、それが弱い人のように思えてきて、この恋もそろそろ潮時かな、なんて思ってるんですよね」

重い関係はいらない。もっと軽やかに自分を活かして自分のために生きていきたい。だから恋愛ももっと軽やかに……。恋愛ありきの人生ではなく、人生の中に恋愛を取り込みたい。女性たちはそう思っているようだ。

「女を精神的に閉じ込めようとする男とはつきあいたくない。いまや結婚だけが人生じゃないですからね。うちの姉、結婚したけど2年足らずで戻ってきたんですよ。最近はまた結婚したい、愛がほしいと言って婚活しているけど、私はああはなりたくないなと思ってる。重い女も重い男もいるけど、私は重たい恋愛が苦手」

人それぞれではあるが、重たい恋愛が苦手な女性は増えている。


従来の友達以上恋人未満とは違う?「カレモドキ」で満足

そういう感覚がさらに進むと、こんな女性も出てくる。

「結婚は考えていないんです。だからマジな恋愛は今のところいらないと思っています」

キッパリそう言うのはユウナさん。初婚の平均婚姻年齢である29歳になり、もう2年ほど彼氏はいないが婚活するつもりはない。望んでいたジュエリー関係の仕事に就き、今は心血を注ぎたいのだという。

「とはいえ、誰にも愛されてないのは寂しい。だからカレモドキはほしいんですよ」

カレモドキ?

「そう、彼氏じゃなくていいんです、カレモドキでいい。私のことを好きでいてはくれるけど、私の自由は侵さない。たまに飲みに行ったり遊びに行ったりするくらいでいい。たまにキスくらいはしますけどね」

友だち以上恋人未満の関係ではあるが、その男性が自分のことを好きであることが絶対条件だとユウナさんは言う。

「でも恋愛感情が過多だと困るので、そこはあくまでも隠しておいてほしいんですよ」

そんな都合のいい男性がいるのだろうか。

「いますよ。今、そういうカレモドキがいるので助かっているんです。2年前にヘビーな恋愛から脱却したばかりなので、今のカレモドキは本当に貴重な存在」

仕事で遅くなって疲れ果てて誰かと軽く飲んで帰りたいと思うとき、あるいは、朝早い出張でどうしても空港まで行かなくてはならないが足がないとき、カレモドキに連絡する。断られればあきらめるが、これまで1年ほどカレモドキにイヤな顔をされたことはない。ユウナさんもカレも立派な社会人なので、自分の都合だけで身勝手にカレを使い倒しているわけではないと言う。

「同い年なんですが、相手も結婚したくない、縛られたくないと言うタイプ。でも、私とならきちんとつきあってもいいかな、みたいなことを最初に言われたので、私は普通の恋愛はしたくないと返したんです。主導権争いみたいなところで無言のバトルがあったけど、結局、カレモドキが折れてくれた感じかな」

一方で、友人との飲み会やパーティーには「カレ」として連れていくこともある。「まだ結婚しないの」とぶつぶつ文句を言う親にも「カレ」として紹介したら、それきり何も言わなくなった。仕事関係で知り合った男性に言い寄られて困ったときは「兄」として会わせたりもしている。

「考えたらカメレオンのように、いろんな役柄を演じてくれているんですよね。もちろん、カレモドキから連絡が来て会うこともあります、でもセックスの関係はない。たまに私からキスすることはあります。うーん、世間から見たらどういう関係になるんでしょうね」

ユウナさんはそう言って笑った。こういう「曖昧な関係」を築ける男女、かなりオトナなのではないだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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