オーストラリアの変わり肉
オーストラリアでは、カンガルーをはじめとする変わった動物の肉を食べることができます。一般家庭ではほとんど食べませんが、観光客向けのレストランなどで提供しているところも多く、結構人気メニューとか。生態系維持のために狩猟が許可されているカンガルーやラクダをはじめ、バッファロー(アジア水牛)やエミュー等がゲームミートとして流通しています。こうした珍しい肉のほとんどは、アウトバックと呼ばれる辺境地帯で獲れるため、ブッシュタッカー(アボリジニの人々が食してきた野生の食べ物)とも呼ばれます。
そんな、普段は滅多に食べない珍しい肉ばかりではありますが、今回は養殖物も含め、レストランのメニューでよく見かけるものを選んでみました。肉系に関してはとくにシーズンはなく、ほぼ1年中食べられます。
変わり肉系 - カンガルー
オーストラリア、といえばカンガルー。そのカンガルーも個体数が増えすぎて、年間一定数の狩猟が許可されているため、食用として市場に出回っています。カンガルー肉は、赤身で栄養価が高い上、脂肪分が少なくヘルシーだということで、最近は健康に気を使う人達から注目されているとか。地元では「ルー・ミート」と呼ばれ、それほど多くはありませんが主要都市のスーパーマーケットなどでも入手可能。ですが、家庭で食べる肉としてはそれほどポピュラーではなく、主に観光客向けのレストランで使われています。
カンガルー肉は、少々水分の抜けた牛肉のような食感で、ほんの少し独特の臭いがあります。ですが、調理方法によってはほとんど苦になることもなく、美味しく食べられるはず。「何に似ているか?」と聞かれるたら、個人的には鹿肉に近い感じだと思いますが、日本人の中にはカンガルーを食べると鯨肉を思い出すと言う人も……。
調理方法としてはローストが主ですが、あまり焼きすぎないのがおすすめ。火が通り過ぎるとゴムのように硬くなってしまうので、中心まで火が通らないミディアムレアくらい、もしくはカルパッチョ仕立ての半生風も結構イケますよ!
変わり肉系 - クロコダイル
オーストラリア大陸において、唯一凶暴で恐るべき動物クロコダイル。ですが、ワシントン条約で保護種に指定されているため、勝手に捕獲することはできません。なのにオーストラリアでは、観光客向けレストランのメニューによくその名が並んでいます。実はレストラン等で提供されているクロコダイル=ワニ肉は食用に養殖しているもの。
そのクロコダイルですが、見た目は白身のお肉で味は鶏肉のような感じ。肉質は少々歯ごたえがありますがそれほどクセはなく、結構おいしく食べられます。ところで、前述で「味は鶏肉のよう」であるとしましたが、実はコレ、養殖ワニに与えている餌が鶏だから、という話も……。野生のものは味が違うのだそうです。
ケアンズなどの北部地区のレストランでは、かなりの確率でメニューにその名を見かけます。それ以外でも観光客が多いレストランならあることが多いので、見つけたらゼヒ。